やむを得ない
「やむを得ない」は、「どうしようもできず仕方がない」「不本意だが諦めるしかない」「仕方がない」といった意味の言葉です。「背に腹は代えられない」とほぼ同じ意味を持ち、言い換えて使うことができます。
どちらかというと、日常会話よりもビジネスシーンや公的な場面で使われることが多いでしょう。
【例文】
・「やむを得ない」事情で欠席される場合は、事前にご連絡ください
・欠陥が見つかったのなら、発売延期も「やむを得ない」
小の虫を殺して大の虫を助ける
「小の虫を殺して大の虫を助ける(しょうのむしをころしてだいのむしをたすける)」は、「大きなもののために小さなものを切り捨てる」「全体のために一部を犠牲にする」という意味のことわざです。
やむを得ない状況のとき、小さなものは犠牲にして、重要なものを守ることのたとえで使われます。
【例文】
・目の前の人を助けるために躍起になっていたが、「小の虫を殺して大の虫を助ける」判断も必要だったのかもしれない
・これだけの赤字続きなら、人員削減も「小の虫を殺して大の虫を助ける」ためだと理解できる
また、「小を捨てて大に就く(しょうをすててだいにつく)」も同じ意味のことわざです。
時の用には鼻をも削ぐ
「時の用には鼻をも削ぐ(ときのようにははなをもそぐ)」を直訳すると、「緊急時には自分の鼻を切り落としてでも最大の危機を回避する」です。
これが転じて、「危険が目前に迫っているときは、手段を選ばず犠牲を払ってでも大事なものを守れ」という意味のことわざになっています。
【例文】
・売上が大幅に落ちたので、「時の用には鼻をも削げ」ともいうし、店舗数を半分に減らすことにした
・「時の用には鼻をも削ぐ」というように、逃げ場がなくなった犯人は真冬の海に飛び込んだ
また、「急の用には鼻を欠け(きゅうのようにははなをかけ)」も同じ意味のことわざです。
「背に腹は代えられない」の英語表現は?
「背に腹は代えられない」と同じ意味を持つ英語のイディオムを3つご紹介します。それぞれの意味を覚えて、場面に合わせて使い分けましょう。
Better the purse starve than the body.
「Better the purse starve than the body.」は直訳すると「体よりも財布が飢えたほうがいい」で、転じて「大事なことのために何かを犠牲にするのはやむを得ない」という意味を持ちます。「背に腹は代えられない」も「大事なものを守るためには、ほかの犠牲は仕方なく受け入れる」ことですから、同じ意味の英語表現と言えるでしょう。
betterの意味
よりよい[すぐれた];より適当[じょうず,有益]な;よりおいしい[楽しい,親しい];〔叙述〕気分がよい(⇔worse)
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
Needs must when the devil drives.
「Needs must when the devil drives.」は「悪魔が駆り立てるとやらなくてはいけなくなる」から転じて「必要にかられたら、したくないことでもしなければならない」という意味を持ち「背に腹は代えられない」の英語表現としてポピュラーな慣用句です。省略して「Needs must.」のみで使われることもあり、どちらも同じニュアンスで使うことができます。
driveの意味
〔通例受身形で〕〈人・状況などが〉〈人などを〉(ある状態・行為に)駆り立てる(解説的語義)
(…に)突き動かす≪into,to≫,〈人などに〉…させる≪to do≫
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
Necessity has no law.
「Necessity has no law.」直訳すると「必要に法はない」で、「切羽詰まった状況では、法律のことなど気にしてはいられない」という意味を持つことわざです。必要に迫られたら手段を選べないという意味で「背に腹は代えられない」の英語表現と言えるでしょう。
necessityの意味
(…の)必要(性),(…に)不可欠の[絶対必要な]事≪of,for≫,(…する)必要性≪to do,of doing≫;緊急の必要[要求]
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
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