4:自分では気づかなかったが、彼を怒らせたのは「虎の尾を踏んで」しまっていたのかもしれない。
人は気づかないうちにとんでもないリスクを背負ってやっていることがあるのかもしれません。周りから見ると冷や冷やすることをやってしまい、後から大目玉を食らうということも。
「虎の尾を踏む」類語や似たことわざは?
「虎の尾を踏む」ということわざのほかにも、危険なことをするという意味のことわざはたくさんあります。「清水の舞台から飛び降りる」などは有名なことわざではないでしょうか。それ以外の類語や似たことわざについて一緒に見ていきましょう。
1:薄氷を履むが如し
「薄氷を履むが如し(はくひょうをふむがごとし)」とは、薄く張った氷の上を歩くように、非常に危険なことをするという意味のことわざです。
例文:断崖絶壁の登山。身体の幅しかないような場所を通り抜けるのは、命を落としかねない。まさに薄氷を履むが如しです。
2:氷に座す
「氷に座す(こおりにざす)」とは、池に張った氷の上に座ったら、体温によって氷が溶けて下に落ちてしまう。非常に危険な状態や地位にいることを表しています。
例文:わたしの仕事は常に危険と隣り合わせで、いつも氷に座す気分で仕事をしています。
3:危うきこと累卵の如し
「危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし)」とは、きわめて不安定で危険な状態のたとえ。累卵は積み重ねた卵のことで、いつくずれるかわからないという意味です。
例文:あの古いビルはいまにも崩壊しそうな感じで、危うきこと累卵の如しだ。
「虎の尾を踏む」英語表現とは?
「虎の尾を踏む」を英語ではどのように表現するのかを紹介します。
1:to step on a tiger’s tail
「虎の尾を踏む」を英語で直訳するとこうなります。
2:to rest on a inverted pyramid
直訳すると「さかさまになったピラミッドの上で休む」という意味です。表現が何ともいえず、すごく納得ですね。危険極まりのない状態であることが伝わります。
3:to take a great risk
大きなリスクを取るという意味です。虎に噛まれるかどうかというのは、はかなり大きなリスク(great risk)ですね。
最後に
「虎の尾を踏む」ということわざには、度胸試しの要素もあり、武勇伝として語られることも多かったのでしょう。だからなのか他にもたくさんの似たことわざがあります。
ところで、日本で野生の虎は現存していません。過去にも存在しなかった動物です。ですがこれほど身近に感じるのも不思議ですね。ネコ科の一種だからでしょうか? ですが悲しいことに虎は近年、絶滅危惧種となっているそうです。人間による密猟と乱獲が原因だといわれています。
これほど遠くて身近な存在である虎が、絶滅の危機に瀕していることはまさに「虎の尾を踏む」ことだと思いませんか? 今後虎が本当に地球から居なくなったらこのことわざの意味も薄れていくのでしょうか。