漱石枕流の使い方!例文を紹介
「漱石枕流」は、日常生活でも使うことができる言葉です。しかし、「流石」と比べるとあまり一般的な言葉ではないため、相手に意味が通じない可能性もあるでしょう。文学好きな方や四字熟語に詳しい方との会話で次のように話せるかもしれません。
例文
・本当に負け惜しみが強いなあ。漱石枕流とは君のことだよ。
・彼女の言い訳は漱石枕流で、彼女自身も筋が通っていないことは理解していたようだ。
漱石枕流の類義語を例文で紹介
漱石枕流と同様に、ひどい負け惜しみや屁理屈を指す言葉はいくつかあります。よく使われる類義語としては、次の3つが挙げられるでしょう。
・指鹿為馬(しろくいば)
・牽強付会(けんきょうふかい)
・こじつけ
それぞれの使い方やニュアンスの違いなどについて解説します。また、例文もいくつかご紹介するので、参考にしてください。
指鹿為馬(しろくいば)
指鹿為馬(しろくいば)とは、道理に合っていないことでも権力を背景にして無理に押し通すことを指す言葉です。漱石枕流も無理に自分の意見を押し通す言葉ですが、権力を背景にしているわけではありません。権力を振りかざす指鹿為馬は、漱石枕流よりも質が悪いといえるでしょう。なお、この言葉は秦(しん)の時代のエピソードに基づいた四字熟語です。秦の二代目の皇帝の治世中、皇帝よりも一家臣である趙高(ちょうこう)のほうが権力を持っていました。
趙高は自分の権力がどの程度あるのか確かめようと、あるとき、皇帝に鹿を献上して「馬でございます」と言います。趙高がなぜそういうのか分からない皇帝は、「これは鹿なのではないだろうか」と周りの家臣に尋ねました。後で趙高に何をされるか分からないと考えた家臣たちは「いえ、馬です」と答え、真実を語ろうとした家臣たちは「鹿です」と答えたそうです。
その後、趙高は「鹿です」と答えた家臣たちを殺します。これを見た他の家臣たちはさらに趙高を恐れるようになり、趙高が馬といえば馬、鹿といえば鹿というようになりました。なお、指鹿為馬は馬鹿(ばか)の語源でもあります。いくつか例文を見ていきましょう。
例文
・彼が嘘をついたのは指鹿為馬だといえるだろう。彼は明らかに何かにおびえていた。
・社長の娘である彼女はいつでも指鹿為馬だ。まったく道理に合わないことでも無理に押し通す。
牽強付会(けんきょうふかい)
牽強付会(けんきょうふかい)も、無理に理屈をこじつけることです。漱石枕流と同じく、特に権力を背景にしているわけではありません。なお、牽強とは「強く引っ張る」、付会とは「分かれていたものをまとめる」の意味で、どちらも「こじつけること」を表します。次のように使えるでしょう。
例文
・彼はいつでも牽強付会に話をまとめる。
・彼女の素行が良くないというのは、牽強付会の説だと考えられます。
こじつけ
単純に、「こじつけ」とも表現できます。いくつか例文を見ていきましょう。
例文
・彼女はこじつけが強い。何も知らないなら口を出さなくても良いのに。
・明らかにこじつけだ。こんな理論はまかり通るはずがない。
漱石枕流の意味を正確に把握しよう
漱石枕流はよく使う言葉ではありませんが、夏目漱石や「流石(さすが)」の由来として意味やエピソードを知っておくと良いでしょう。また、似た意味をもつ指鹿為馬も、「馬鹿」の語源になった言葉です。普段使わない言葉でも、どういう意味があるのかは把握しておくといいですね。
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