「この掃除機、吸引力がすごいんです!」というプレゼンではなかなか相手には響きません。でも、掃除機ってどれも、吸引力が弱い、って思われがちですよね」という枕詞から入ると、途端に頭に入りやすくなります。
みんなが考えている前提があって、その前提とギャップのある結果を提示するのです。「ところがこの掃除機は、なんと買ってから1年以上吸引力が変わらないんです!これは従来の掃除機にはない機能なんです!」といわれると「へえ、買ってみようかな」という気になるんですよね。考えるときにギャップをはさんで考えることが重要なのです。
結果だけを見て、すごいと思ってしまいがち
みなさんは料理をしますか。僕は1人暮らしするようになって料理をするようになったのですが、料理に対するイメージが始める前と後でずいぶん変わりました。
前はよく、「こんなに複雑な食べ物をどうやって作っているんだろう?頭がよくないとこれ作れないだろうな」と思っていました。
でも、やってみると特別なことはなく、「まずにんじんを切って、次にこの調味料を入れて、これを焼いて……」と順番や工程がしっかりレシピに書いてあって、そのとおりにやれば料理ができてしまうんですよね。
僕らはよく結果だけを見て、すごいと思ってしまいがちです。「何て頭がいいんだ」と思っても、そのプロセスというのは実は明確に存在して、レシピのように「これをこの順番でやればいい」が存在しているのです。
ぜひ「思考の型」を意識してみてください。
『「まとまらない考え」に道筋が見える 東大生の考え型』(日本能率協会マネジメントセンター)
現役東大生
永田 耕作(ながた こうさく)
公立高校から学習塾に入らずに現役で東京大学理科一類に合格。東京大学の進学振り分けシステムにおいて文系へと転向し、現在は東京大学教育学部に所属。同時に株式会社カルペ・ディエムに所属し、現在はさまざまな学校の高校生に「勉強との向き合い方」や「努力の大切さ」を伝える講演活動を実施している。自分自身のこれまでの経験や、大学で学んでいる教育論を整理しつつ、中学生高校生とも触れ合いながら自分自身の考えを洗練させている。
東洋経済オンライン
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