MDの手法
MDのおもな手法は、以下のとおりです。
・ビジュアルマーチャンダイジング
陳列や演出方法を重視した手法。商品が目に入りやすく、手に取りやすいような陳列をおこなう。
・ウェザーマーチャンダイジング
気象条件を重視した手法。気候や天気に関係した消費行動を予測して、売り場づくりにいかす。
・スクランブルドマーチャンダイジング
商品の種類にこだわらない陳列の手法。複数の店舗を回らなくても、一店舗でさまざまな商品が購入できるようにする。
・ライフスタイルマーチャンダイジング
消費者のライフスタイルを重視した手法。消費者に合わせた関連商品を、総合的に提案する。
・クロスマーチャンダイジング
商品を関連付けて陳列する手法。関連のある商品であれば、異なるカテゴリーであっても同じエリアに陳列していく。
小売業界や流通業界などでは、これらの手法を使って適切な企業運営ができるように取り組んでいます。
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MDの適正
マーチャンダイジングで重要視される考え方は、「5つの適正」です。以下の適正を理解して運営していくことにより、売上アップにつながります。
・適正な商品
消費者のニーズにあわせて、適切な商品の売り出しができているか。
・適正な時期
消費者のニーズの上下する時期にあわせた、仕入れや販売ができているか。
・適正な場所
商品の関連性など、陳列方法を工夫して消費者の購買意欲をかきたてるような売り場づくりができているか。商品をどこから仕入れるか。
・適正な数量
仕入れ量と販売量の、バランスのいい在庫管理ができているか。
・適正な価格
商品に見合った、適正な値付けができているか。
【目次】
MDを取り入れた事例
実際にMDを実践している企業をご存じですか? ここでは2つの企業を紹介します。
IKEAの事例
IKEAは、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)を取り入れて成功した企業の代表例の一つです。店内ではお客様の視点に立った商品のディスプレイを行い、視覚的に魅力的な売り場作りに力を入れています。これにより、商品がお客様にわかりやすく、かつ手に取りやすい形で提供され、購買意欲を高めているのです。
また、季節によってインテリアコーディネートを変えたりすることで、お客様が商品を購入した後の生活をイメージしやすくしています。
再春館製薬の事例
再春館製薬では、「ドモホルンリンクル」という化粧品を販売する際に、マーチャンダイジングの一環としてサンプル配付の手法を採用しました。この手法では、無料サンプルに使用期間を設け、試した消費者が満足すれば本商品を購入するよう促しています。
このサンプル戦略により、顧客に商品価値を体験させた上で、購入を促進するという効果が得られているようです。
最後に
MDは、消費者のニーズを的確に捉えて、適切な商品戦略を実行するために重要な役割を果たしていることがわかりましたね。小売業やアパレル業界に限らず、さまざまな業界で応用できる手法です。MDの手法を使って、消費者に支持される商品展開を目指してみてはいかがでしょうか?
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