そもそも「お願い」とは?
普段何気なく使っている「お願い」という言葉。ビジネスシーンから日常会話まで、幅広いシチュエーションで使われている言葉です。というもの「お願い」という言葉は、多くの意味をもつため、実に汎用性の高い言葉であるためです。
たとえば何らかの資料を確認してほしいとき、質問事項への回答がほしいとき、もっと細かなシーンではお店でレジ袋が欲しいときにも「お願いします」と言うことがあります。
多くのシーンで共通しているのは、相手に対して何らかの要求をしていることです。
「お願い」の類語や関連語は?
「お願い」には多数の類語や関連語があります。いずれの類語も「お願い」と同様の意味を持ちますが、シーンに合わせて適宜使い分ける必要があります。本章ではお願いの類語として「依頼」「頼む」「〜くれ」「〜下さい」「たもれ」「頂戴」「懇願」といった7つを解説していきます。各言葉の意味はもちろんのこと、ニュアンスの違いなども確認してみてください。
■依頼
「依頼」とは、主にビジネスシーンで使われる「お願い」の形です。自分の要望を第三者に叶えてもらうために使われます。基本的に「お願い」というと、特に報酬などを渡すことなくやりとりをするイメージです。
しかし「依頼」となると、一般的には要望に対する報酬が発生します。何らかの仕事を頼む際に使われる言葉であるため、このように「報酬」が発生するケースが多いと考えられます。
■頼む
「頼む」というのもまた「お願い」の類語です。こちらは日常会話のなかで多く使われる言葉です。「お願い」とは異なり、敬語的な意味合いが含まれていないため、基本的には敬意を払う必要がない相手に使われます。
プライベートの友人や家族に向けて使われます。またプライベートで使われる言葉であるため、頼み事に対する報酬なども発生しないケースが多いです。
■〜くれ
「〜くれ」もまた「お願い」と似た意味を持つ言葉ですが、そのニュアンスには大きな違いがあります。「〜くれ」や「〜してくれ」といった言葉は、相手に対する命令的な側面が大きく、拒絶や断りを認めないといったニュアンスが含まれます。
このようなニュアンスが含まれていることから、発言者が相手よりも上の立場である場合によく使用される言葉とされています。
■〜下さい
「〜下さい」や「〜して下さい」というのは、敬語表現であることから、相手に対して丁寧にお願いをする際に使われる言葉とされています。
「お願い」の類語としても、かなり日常的によく使われる言葉であり、上下関係や年齢差などに関係なく幅広いシーンで使われます。
ビジネスシーンでは「〜して下さい」ではなく「〜して下さいませんか」など、相手に選択肢を与えるような使われ方が一般的です。
■たもれ
現在ではあまり馴染みのない「〜たもれ」ですが、こちらも「お願い」の類語です。言葉のニュアンスとしては「頼む」に近しい言葉ですが、公家などに限定して使われる言葉です。
基本的に「公家」というのは他よりも立場が上であるため、敬語的な意味合いはありません。現代では「たもれ」と使う人はほとんどいないため、日常生活においても耳にすることはないでしょう。
■頂戴
「頂戴」というのは「お願い」の類語のなかでも、特に発言者の強い意思を伝えるために使われる表現です。「お願い」よりもマイルドな言い方であるため、言われた相手としても即座に拒絶することが難しくなります。
「頂戴」が使われるシーンとしては、子どもが大人に対して使うなど、立場が弱い人が強い人に使用されることが多いでしょう。