■懇願
「懇願」というのは、これまでに解説してきたお願いの類語のなかでも、相手に対して最も「切実さ」が伝わる言葉です。相手に対して精一杯の態度でお願いをする際に使われる言葉であり、何かを依頼する場合に使われる、最大の意思表現とされています。
懇願が使われるシーンの特徴としては、一度は相手に拒絶された場合でも、何度もお願いを繰り返すケースが多いことが挙げられます。
ビジネスシーンで使う3つの「お願い」
相手に対して「お願い」をするケースは、日常だけでなくビジネスシーンにおいても頻繁にみられるシチュエーションです。ここでは、ビジネスシーンで使われる3つの「お願い」として「注文」「要望」「要請」について解説します。それぞれ、ビジネスのなかでどのような場面に使われる言葉なのか、よく確認しておきましょう。
■注文
「注文」とは基本的に、何らかの品物を購入する際に使われる単語です。言葉だけを見ると「お願い」とは少し異なるように感じます。しかしこれも「代金を支払うので、品物を譲ってください」などの意味合いが含まれているため、お願いの類語と考えられます。
注文が使われるシーンとしては、お客とお店といった関係性であることが多いため、立場上は発言者の方が「上」と考えられます。
■要望
「要望」というのは、相手に対して自分の希望を叶えてもらいたい場合に使われる言葉です。あくまでも一方的な「お願い」という意味合いが強いため、相手は拒絶しても問題ありません。
「お願い」の類語のなかでも、強制力が低い言葉であることから、「もし可能であれば〜」といったニュアンスが含まれます。この場合の意思決定は、あくまでも相手側に委ねられるという点がポイントです。
■要請
「要請」とは、自分のお願いを実現してもらう際に使われる言葉です。基本的には「注文」などと違い、特定の品物に対してよりも、相手の行動や意思、理念に対して用いられることが多い言葉です。要請を使用するシーンとして、最近よく耳にするのは「外出自粛要請」です。この場合は「外出を自粛する」という行動を希望するために使われています。
「お願い」の敬語表現
「お願い」の敬語表現としては、以下の3つが挙げられます。
・お願いします
・お願い致します
・お願い申し上げます
「お願いします」は丁寧語に分類される敬語表現です。身近な相手に使われることが多く、目上の人にはあまり使用しない方が良いでしょう。
「お願い致します」は、一つ目の敬語表現よりもさらに丁寧な敬語表現です。ビジネスシーンなどでは「お願いします」よりも、頻繁に使われる表現です。
「お願い申し上げます」は3つのなかで最も丁寧な敬語表現です。基本的には、取引先や上司といった目上の相手へ使われる表現です。身近な相手に使用すると、やや距離感を感じてしまうため使用されることは滅多にありません。
「お願い」に関する複数の類語を使い分けよう
「お願い」の類語表現について解説しました。ビジネスシーンから日常生活に至るまで、さまざまなシチュエーションで使われる言葉であるからこそ、その使い分けには注意したいところです。自分の望みを通すために、相手に何かをお願いするでしょう。そのため「お願い」の言い方一つで、自分の望みが通る場合もあれば、通らない場合もあります。
本記事で紹介した類語について、意味やニュアンスの違いを理解して日常に生かしていきましょう。
【あわせて読みたい】