「我武者羅」の意味や読み⽅は？
「我武者羅」の意味について、言葉の響きや使われている漢字を見ると、何だかとても熱血なイメージが湧くかもしれません。ここでは、「我武者羅」の意味や読み方、使う時の注意点について紹介します。
読み⽅と意味
「我武者羅」は「がむしゃら」と読み、「後先を考えずに強引にぶつかっていくこと」という意味。また、「程度がはなはだしい様子」を表すこともあります。意味については、我武者羅に含まれる「我武者」が由来であると考えられています。
「我武者」とは、向こう見ずで乱暴に物事を行うことや、そのような性質を持つ人のことを指します。「我武者」の由来については諸説ありますが、我貪（がむさぼり）という言葉が音変化して「がむしゃ」となり、音に合わせて「我武者」という漢字を当てたのではないかと一説にはいわれています。
また、接尾語としてつけられた「我武者羅」の「羅」という漢字も、当て字であると考えられています。強引に突き進むという意味を持つ「我武者羅」ですが、地域によっては、何でも食べること・勇敢であること・無理をすること・髪が乱れている様子などの意味として使われることもあるようです。
使う時の注意点
先述の通り、「我武者羅」には後先を考えずに強引にぶつかっていく・向こう見ずで乱暴という意味が含まれます。しかし、なりふり構わずひたむきに突き進む様子から、一生懸命に頑張る・努力するという意味も含まれるようになりました。最近では後者の意味として使われることが多い傾向にあります。
そのため、一生懸命であるという意味として、「あの人は我武者羅に仕事に取り組んでいる」と言っても、失礼にあたることはないといえるでしょう。「我武者羅」を使う際には、後先を考えずに突き進むという意味だけでなく、一生懸命に頑張るという意味が含まれることも覚えておくと、間違えて使うのを防ぐことができます。
使い⽅を例⽂でチェック
では、「我武者羅」にはどのような使い方や言い回しがあるのか、例文を見ながら確認していきましょう。
1：「彼は我武者羅な人だ」
この例文は、「彼は強引に突き進んでいく人だ」という意味と、「彼は一生懸命に頑張る人だ」という意味のどちらとも受け取ることができます。このように、人の性格などを表す言葉として「我武者羅」が使われている場合は、話の流れや文脈から正しい意味を類推する必要があります。
2：「我武者羅に取り組むより、計画立てて行った方がよい」
何も考えずに突き進むのではなく、計画的に取り組むべきであるという意味です。この例文では、後先を考えずに強引に物事に取り組もうとすることという意味として「我武者羅」が使われているのが分かります。
3：「我武者羅に勉強し、好成績を収めた」
ひたむきに勉強に励んだ結果、よい成績を取ることができたという意味です。この例文では、一生懸命に物事に取り組むという意味で使われています。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある？
先述の通り、複数の意味を持つ「我武者羅」には、類義語や言い換え表現も複数挙げられます。それぞれの意味について確認しておきましょう。
1：猪突猛進
「猪突猛進」とは、状況などを考えずに、一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進んでいくという意味です。イノシシが突進するような凄まじい勢いで物事を進めていくという意味を持つ「猪突猛進」は、後先を考えずに突き進んでいくという「我武者羅」の意味と似ています。
また、「猪突猛進」を「しょとつもうしん」と読むのは誤りで、正しくは「ちょとつもうしん」です。
2：我を忘れる
「我を忘れる」とは、あることに夢中になって、自分のことを忘れてしまうほど没頭するという意味です。趣味に没頭している様子や、集中して仕事や勉強に取り組んでいる様子を言い表す時に、よく使われます。気を失うという意味ではなく、夢中になって気を取られてしまうという意味であることを覚えておきましょう。
