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「察する」とは
日常でもビジネスシーンでもよく使われる「察する(さっする)」という言葉の意味について、詳しく解説します。人との関わりにおいて、なぜ「察する力」が求められるかについても、見ていきましょう。
「人の気持ちを思いやる」などの意味
「察する」という言葉には、三つの意味があります。一つ目の意味は「ものごとの事情や状況を感じ取って知る」ことです。二つ目の意味は「人の気持ちや考えていることを思いやり、同情したり共感したりする」こと、三つ目は「対象について深く調べる」という意味です。
特に二つ目の「人の気持ちを思いやる」という意味が、日常やビジネスシーンで多く使用されます。表情やその場の雰囲気、会話の流れなどから、その人の気持ちを推察し、理解を示すことを「察する」といいます。
ビジネスシーンで必要な「察する力」
全てを話さない方が趣があるという意味の「言わぬが花」という言葉があります。また、一部の話を聞いただけで全てを理解し、察しがよいことを「一を聞いて十を知る」というように、日本には全てを言わないことをよしとする風潮があるのです。
そのため日本のビジネスシーンでは、相手の態度や表情などから、言いたいことや気持ちを察するスキルが求められるというわけです。
隠された本音を理解できる人、つまり察する力が高い人は「分かってくれている」と、相手から信頼されます。正確に相手の気持ちを察するためには、冷静に観察し、感情やニーズをくみ取って、相手に合わせるスキルが必要です。
「察する」の使い方と例文
「察する」の適切な使い方と、例文を紹介します。その時々の状況や前後のやり取りから、どのような意味で使われているのか判断しましょう。
「察する」の使い方
ものごとの事情を推測するときに使う「察する」は、「察するところ」や「気配を察する」などと使います。心中を推察するときは「気持ちを察する・心情を察する・悲しみを察する」という表現です。
対象について深く調べるという意味の「察する」の場合は、「研究対象を察する」と表します。
また「察する」はサ行変格活用なので「察し(察せ)・察し・察する・察する(とき)・察すれ・察しろ(察せよ)」と語形変化することも、把握しておきましょう。