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LIFESTYLE 雑学

2023.03.12

間違えたら恥ずかしい!「堪忍袋の緒が切れる」の正しい使い方・類語とは【教員監修】

3:怒髪冠を衝く(どはつかんむりをつく)

逆立った髪の毛が冠を衝き上げるほど、激しく怒るさまをいいます。これはずっと我慢をしてきた、というニュアンスはありませんが、髪が冠を持ち上げるほど逆立つという怒りは相当なもの。「頭髪冠を衝く」は誤りですので気をつけましょう。

4:業腹(ごうはら)

非常に腹が立つこと、ひどくしゃくにさわるという意味です。これも、ずっと我慢してきた、というニュアンスはありませんが、怒りの感情を表す言葉のなかでも、かなり腹を立てている様子を表します。イライラする程度ではなく、腹の中で業火(ごうか・地獄の猛火のこと)が燃えているような強い怒りなのでしょう。

「堪忍袋の緒が切れる」の対義語

「堪忍袋の緒が切れる」の明確な対義語はありませんが、「我慢していた怒りが爆発する」といったニュアンスの反対の意味としては次のようなものがあげられます。

1:竹屋の火事(たけやのかじ)

ぽんぽんと、怒る、所かまわず言いたい放題にいう様子を示します。竹は中身が空洞なので燃やすと中の空気が膨張し、ぽんぽんと破裂する音がしますよね。そこから、ぽんぽんとやかましい竹屋の火事のように言葉が出てくることを表しています。言葉を我慢せずに、思ったことをそのまま感情的に言葉にするイメージです。

2:溜飲が下がる(りゅういんがさがる)

これは、胸につかえていた不平や不満が解消して気分が落ち着くことです。言葉にしなくても例えば、映画を観たり、おいしいものを食べたりすることで気持ちがすっきりすることはあります。

このように、「怒りや不平、不満が我慢の限界に達する前にそれを吐き出すこと」また「別の方法で解消すること」が対義語といえるでしょう。

「堪忍袋の緒が切れる」の英語表現

「堪忍袋の緒が切れる」の英語表現には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。英語には「堪忍袋」という表現はないので、「我慢できない」といった表現になります。

三段階で起こっている人のイメージイラスト

1:I can’t put up with it any longer.(もう我慢できない)
2:I’ve run out of patience.(もう我慢できない)
3:This is the last straw that breaks the camel’s back. (我慢の限界だ)

3に出てくる「straw」は 藁 という意味で、らくだの背骨を折る最後に載せた1本の藁のことを指したようです。「This is the last straw」と短く表現するうこともあります。

まとめ

日常生活において、怒りや不平、不満は少なからずあるもの。それを常に思いのままに口に出すのは大人としてどうなのか、とも思いますが、我慢しすぎるのもよくありません。限界に達すると堪忍袋の緒が切れて、かえって周囲の迷惑になってしまうかも。「堪忍袋」がいっぱいになる前に、自分なりの対処の仕方を考えておきたいものです。

画像ALT

執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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