「サザエさん症候群」を知っていますか?
休み明け前日の夕方になると、仕事のことが頭をよぎって憂鬱になることはありませんか? 休日の終わりが近づく夕方をつらく感じるなら、それは「サザエさん症候群」かもしれません。
サザエさん症候群になると、憂鬱になるだけでなく、胃痛や頭痛、倦怠感など体の症状に悩まされることも。もしかしたら、自分はサザエさん症候群かもしれないと思う人は、放置せず、対策をすることをおすすめします。
まずは、サザエさん症候群とは何かを見ていきましょう。
サザエさん症候群とは、休み明け前日の夕方が憂鬱なこと
日曜日の夕方に放送されるアニメといえば、『サザエさん』ですよね。サザエさんが放送される時間帯になると、月曜日から始まる仕事のことが頭をよぎり、憂鬱になってしまう現象が「サザエさん症候群」と呼ばれています。
症状が出やすい時間帯に放送しているのが『サザエさん』のため、名前にサザエさんが入っていますが、実際のところアニメの『サザエさん』とサザエさん症候群に直接的な関係はありません。
サザエさん症候群の症状が出るのは、日曜日に限りません。休日が終わりに近づくと、前述した症状が表れるとされています。また、年代や性別、就業の有無もあまり関係しないようです。
サザエさん症候群は、海外にもある
サザエさん症候群に悩む人がいるのは、日本に限ったことではありません。海外でも、「Blue Monday(月曜日の憂鬱)」「Sunday Night Blue(日曜日の夜の憂鬱)」のような言葉があります。休みの前日や、仕事が始まる日を憂鬱に感じるのは、世界共通ですね。
また、国内でも、世代や人によっては「ちびまる子ちゃん症候群」「笑点症候群」ということもあるようです。
その症状、サザエさん症候群かも?
サザエさん症候群の症状について、詳しく見ていきましょう。また、サザエさん症候群になりやすい人の傾向も紹介します。
サザエさん症候群に見られる症状とは?
サザエさん症候群に見られる主な症状には、「憂鬱になること」以外に、たとえば次のようなものがあります。
〈心理的な症状〉
・仕事のことを考えると、不安や恐怖を感じる
・気持ちが不安定になり、泣けてくる
・眠れない
〈体に出る症状〉
・食欲減退
・頭痛
・胃痛
・発熱や微熱
・頭や体が重く感じ、倦怠感がある
上記のような症状がすべての人に出るわけではなく、憂鬱な気持ちになるだけという人もいます。会社を休むほどひどくはなく、「ちょっと調子が悪い」と感じつつ出社する人が多いでしょう。また、上記のような症状は、風邪やほかの疾病でも出ますよね。サザエさん症候群は、「休日の終わりに症状が出る」、または「仕事や学校が始まることを考えると症状が出る」のが特徴。この点が風邪などと異なります。
サザエさん症候群になりやすい人の傾向とは?
サザエさん症候群になりやすい人には、以下のような傾向があるとされています。
・責任感が強くて真面目
・人に頼れず、何でもひとりで解決しようとする
・不満や不安、愚痴を溜めこみがち
・周りに合わせ過ぎて、自分を押し殺しがち
傾向から見ると、「協調性がある真面目な頑張り屋さん」は、サザエさん症候群になりやすいといえそうですね。また、自分なりのストレス発散方法がわからない人も、該当するかもしれません。
サザエさん症候群の対処方法について
サザエさん症候群の対処方法を紹介します。サザエさん症候群かもしれないと不安に思う人も、試してみてはいかがでしょうか。
まずはストレスの原因を探ろう
自分が何にストレスを感じているか、それを知ることが大切です。サザエさん症候群は、何かしらのストレスが起因になることがほとんど。その原因となるものを把握できれば、ストレスを取り除くことができるかもしれません。
憂鬱を感じることは何か、何をつらいと感じるのか、自問自答しながら探ってみてください。たとえば、仕事がつらい場合は、何に対してつらいと感じるのかが重要です。それがわかれば、職場や誰かに相談することができますよね。
憂鬱やつらい気持ちを掘り下げるのはとても疲れることですが、それがわからないまま過ごしていると、悪循環になるかもしれません。もし、自問自答で原因を探るのがつらい場合は、信頼できる人や専門家に頼るのもひとつの方法です。
生活リズムや休日の過ごし方を見直す
対策として有効なのが、生活リズムを整えること。特に、平日と休日で生活リズムが違う場合は、それが心身の負担になっているかもしれません。もちろん、休日の昼夜逆転もNG。生活リズムの乱れは、ほかの疾病を呼び込むこともあるため、避けることをおすすめします。
また、休日に予定を詰め込み過ぎるのも、マイナスになってしまう可能性が。リフレッシュするための休日なのに、予定をこなすのに必死になり、平日以上に気疲れして疲弊するというケースもあります。
休日は、太陽の光を適度に浴び、軽く運動するのがおすすめ。適度な運動を取り入れ、太陽の光を浴びることは、睡眠の質を上げるといわれています。睡眠の質が上がると、疲れが取れやすくなるので、よりリフレッシュできるはず。軽い散歩やジョギングなどは、気分転換にもなるでしょう。
好きなことをするのもいいですよね。好きなスイーツを食べる、見たかった映画やドラマを見る、音楽鑑賞や読書をするなどの予定を入れると、休日が楽しみになるかもしれません。また、近場にプチ旅行をするのもおすすめ。日常を忘れ、休日をゆったりと楽しみましょう。
それでもつらいなら、状況を変える
いろいろな対策をしたけれど、それでもサザエさん症候群がつらい、症状が悪化しているという場合は、状況を変えるのもひとつです。サザエさん症候群を「軽いうつ病」とする専門家もいます。我慢し過ぎると、深刻な状態を招くこともありえるので、注意しなければなりません。症状がつらい場合は、医療機関の受診をおすすめします。
ストレスの原因が仕事の場合は、転職を検討するのもひとつの方法です。サザエさん症候群が悪化する前に、転職活動を始めるのもよいでしょう。また、休職するという方法もあります。無理を強いて心身がパンクする前に、しっかりと自分を休ませてあげましょう。
最後に
休み明け前日の夕方になると、次の日の仕事を思って憂鬱になるという場合、サザエさん症候群の可能性があります。サザエさん症候群の症状には、胃痛や頭痛など、体に出るものもあり、悩む人は少なくありません。サザエさん症候群かもと思ったら、できる範囲で対策方法を取り入れてみてください。それでも症状が緩和しない場合は、環境を変えるのもひとつ。自分に我慢を強いるのは避けてくださいね。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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