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2023.07.25

収束とは? 意味や使い方、終息との違いについて解説

収束とは「分裂・混乱していたものが、まとまって収まりがつくこと」。読みが同じで似た表現に「終息」がありますが、こちらには「完全に終わる」というニュアンスが。この記事では、収束と終息の使い分けについても解説します。

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収束とは?

2020年から始まった新型コロナウイルスの流行は、社会に大きな影響を与えました。このような新型コロナウイルス関連のニュースなどを聞いていると、「しゅうそく」という言葉を耳にするかもしれません。この「しゅうそく」とは「収束」なのか「終息」なのか気になるところ。

そこでこの記事では、「収束」という言葉や似た表現である「終息」、さらに両者の使い分けについても解説します。

6本のカラフルな糸が途中から絡み合っているイメージ画像

まずは、「収束」という単語の意味について。複数の意味があります。

しゅう-そく【収束】
1 分裂・混乱していたものが、まとまって収まりがつくこと。また、収まりをつけること。
2 数学で、ある値に限りなく近づくこと。収斂。
3 多くの光線が一点に集まること。収斂。集束。
4 海洋学で、流線が周囲から一点に向かって集まること。収斂。

(出典:小学館 デジタル大辞泉)

一般的に使われるのは、1の「分裂・混乱していたものが、まとまって収まりがつくこと」。「収まる」「束ねる」ということから、「混乱状況が一定の状態に落ち着く」という意味になります。

収束を用いた例文

それでは、例文を挙げながら収束の具体的な使い方を見ていきましょう。

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1:事態の収束を図るため、明日正式に記者発表する。

「事態の収束」はよく使われる表現です。巷でさまざまな情報が行き交い、事態が混乱しているため、それを落ち着かせるために正しい情報を発表しようとするときなどに「事態の収束を図る」といいます。

2:新型インフルエンザの流行は甚だしく、いつ収束するのかわからない。

新型インフルエンザは一気に多くの人に感染し、社会が混乱に陥るということも。混乱した状況が継続しており、いつになったら一段落つくのかわからない状況に対して使える表現です。

3:某タレントの問題発言による騒動はいまだに収束が見えない。

たまに芸能人などがうっかり口を滑らせてしまい、ネットなどが炎上することがありますよね。その後の対応次第で、騒動が大きくなってしまい、収まりがつかなくなってしまうことがあります。

終息とは?

「収束」に続いて「終息」についても確認していきましょう。「終息」は「物事が終わって、やむこと」(小学館 デジタル大辞泉)

「終」は見ての通り、「終わる」という意味です。「息」にも「終わる」「やむ」といった意味があります。似た意味の漢字がふたつ続いており、「完全に終わる」ということを表しているのです。

終息を用いた例文

例文を確認しながら、終息の具体的な使い方を見ていきましょう。

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1:あるブームの終息は、別のブームの始まりとも言える。

何かがブームになると多くの人に注目されますが、やがてはブームは終息、つまり終わりを迎えます。そして今度は別のブームが始まっていく、そんな状況を表現した一文です。

2:アフリカの某国で、ある感染症の終息宣言が出された。

感染症は潜伏期間があるので、終息したかの判断が難しいところ。感染者がいなくなったり、潜伏期間を大幅に超えても新規感染者が出なくなったりすると、終息宣言を出すかの判断がなされるのでしょう。

3:問題を終息させようとして、関係者から批判の声が上がった。

不祥事などの問題が起きた際に、無理に早く終わらせようとすると、余計に状況が悪化する可能性も。関係者が納得するような対応がなく問題を終わらせようとしたことから、批判される結果になったという一文です。

収束と終息の違いについて

「収束」と「終息」のそれぞれの意味について確認したところで、ニュアンスの違いについても見ていきましょう。

「収束」は「状態がある程度までに落ち着く」「収まりがつく」ということでした。あくまで「落ち着いた」ということなので、物事が終わったわけではありません。落ち着いたとしても一時的なもので、再び混乱に向かう可能性も残されています。

一方の「終息」は「完全に終わる」というニュアンスがある言葉。よって、物事がほとんど、あるいは一時的に落ち着いたのであれば「収束」を用い、完全に終わったのであれば「終息」を用いることが多いでしょう。

新型コロナウイルスの「しゅうそく」はどう表記する?

それでは、新型コロナウイルスについての「しゅうそく」はどう表記すればよいのでしょうか。これも、先に説明したニュアンスの違いから考えられます。

マスクをしてビル街を歩いている人々の写真

言葉の意味から考えれば、たとえば感染者数が減少傾向にあり、その数も抑制されているのであれば「収束」を使うのが妥当といえます。そして、「収束」によって感染者数がほぼゼロになった、感染流行の可能性がほぼなくなったと判断されれば、「終息」と表記できるかもしれません。

とはいえ、上記はあくまで言葉の意味での話。どのような時点で新型コロナウイルスが「収束」あるいは「終息」したのか判断することについては、さまざまな意見や見方があるようです。

最後に

今回は「収束」という言葉について見てきました。似た単語に「終息」がありますが、それぞれニュアンスに違いがあることに注意しましょう。

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