「直近」とは?
「直近」には、すぐ近く・最も近くという意味があります。現在を起点として、近い過去や未来のことについて言及する際に使われる言葉です。
直近という言葉を使う際に気になるのが、具体的にいつからいつまでのことについて言及できるのかということ。現在から近い期間といわれても、それがいつ頃のことを指しているのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
結論を述べると、直近が指す期間には「いつからいつまで」という明確な決まりはありません。そのため、自分が考える「直近」と、相手が考えるものとでは、期間が異なっているということも十分に考えられます。
たとえば、「直近のデータをまとめておいてください」と言われた場合、「直近」が指す範囲は数か月程度のことなのか、それとも年単位なのかという問題が生じます。「直近」という言葉を使う際には、自分と相手の認識が同じであるかどうか確認しておいた方がよいでしょう。また、正確に伝えたい場合は、具体的な日付や時間をしっかり伝えるのが最適です。
「直近」の使い方
現在から近い期間のことを指す「直近」。期間だけではなく、距離を表す際にも使われることがあります。ここでは、「直近」の使い方について例文とともに紹介するので、今一度確認してみてください。
1:過去・現在・未来を表す場合
直近は、現在を起点として、過去・現在・未来について定義することができます。「直近3か月のデータから、来期の売上を予測する」「直近の状況について報告する」「直近1年の計画を立てる」などのように使われることが多いです。
ひとつ目の例文では過去の3か月を、最後の例文では1年間という未来を指して、「直近」が使われていることがわかります。また、過去や未来のことを定義する際には、その期間についての具体的な数値(3か月や1年など)がつけられることが多いです。時間軸の規定がない場合は、会話の流れや文脈から意味を理解する必要があるでしょう。
2:距離を表す場合
期間や時間について定義する際に使われる「直近」ですが、距離についても使うことができます。たとえば、「直近のスーパーは、交差点を曲がったところにあります」と言うと、そこから一番近いスーパーが交差点を曲がったところにあるという意味に。
また、「彼は、私の直近の上司です」などと使うことも。直近の上司は主に「直属の上司」のことを指しています。
「直近」の言い換え表現は?
では、「直近」と似た意味を持つ言葉には何があるのでしょうか? ここでは、「直近」の言い換え表現について紹介します。
1:最近
「最近(さいきん)」は、現在を起点として、近い過去のことを定義する際に使われる言葉です。「最近スマホを買い替えた」「最近は昭和レトロなものが流行っているらしい」などのように使うことができます。
現在からそう遠くない過去のことを定義するという点では、「直近」と共通している言葉です。しかし、「直近」は過去だけでなく未来のことに対しても使うことができますが、「最近」は未来のことに関しては定義することができません。
2:間近
「間近(まぢか)」とは、漢字の通り、間が近いことです。「試験日が間近に迫ってきた」「受付終了時間が間近になっていることに気がついた」などのように使うことができます。こちらは主に近い未来のことや、距離について定義する際に使われる言葉です。
3:先ほど
「先ほど」は、ちょっと前のことを表す言葉です。「先ほどはありがとうございました」「先ほどお電話いただいたようですが」などのように使うことができます。「直近」と同様、定義できる範囲については曖昧ですが、現在を起点としてほんの少し前のことを言っているというのがわかりますね。
「直近」の英語表現は?
「直近」は、「immediate(ごく近い、即時の)」「earliest(初期の、早い時期に)」などの英単語で表現することができるでしょう。
「immediate」は、期間や時間の近さだけでなく、距離の近さについても定義することができます。また、「earliest」は「early」の最上級の形を取り、「なるべく早く」「迅速に」などの意味合いが含まれる使われ方をすることがあります。
最後に
本記事では、「直近」の正しい意味や使い方、言い換え表現について紹介しました。ビジネスシーンでよく使われる「直近」。うっかり間違えて使ってしまわないように、正しい意味を把握しておきたいところ。先述の通り、直近が定義する期間や時間などの範囲は曖昧なので、使う際には注意する必要がありそうです。
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