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2023.08.29

「机上の空論」とは?|意味・語源、使い方から気をつけたい誤用まで解説

 

机上の空論とは、頭の中だけで考えた役に立たない理論のことを意味する言葉です。ネガティブなニュアンスで使われることが多いため、適切に使えているか注意することが大切です。今回は、机上の空論の意味や類似表現、誤用表現などをご紹介します。

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「机上の空論」とは想像上の“役に立たない理論”のこと

机上の空論は「きじょうのくうろん」と読み、頭の中で考えただけの、役に立たない理論や意見などをあらわす言葉です。頭の中で考えているだけなので、実際に行う際には問題が露呈したり、無益であったりする可能性があります。「理想論」と言い換えることも可能です。ネガティブな意味で使われることが多いため、適切に使用できているかどうか、見極めることが大切です。

テーブルを囲んで話をしている男女4人 イラスト

■「机上の空論」の語源

机上の空論の「机上」は机の上という意味であり、「空論」の「空」には空回りや空しいといった意味があることから、根拠がなく役に立たない議論や理論のことを指します。つまり、現場から離れた場所で考える、実際には役に立たない理論や計画のことを意味します。

■【例文付き】「机上の空論」の使い方

机上の空論は、ビジネスシーンでも使われる言葉です。実際に使う際には、以下に挙げる例文を参考にしてください。

・彼の話はもっともらしく聞こえるが、結局は机上の空論に過ぎない

・机上の空論を唱えていても、仕方がない。とにかく現場に向かおう

・その考察は机上の空論の可能性もあるから、検証が必要だ

 

「机上の空論」の誤用表現

机上の空論には、間違えやすい表現がいくつかあります。それぞれの表現について解説します。

さまざまな吹き出し イラスト

・「卓上の空論」

有名アーティストの曲の中に、卓上の空論という言葉が出てきますが、机上の空論から作られた造語です。実際にありそうな言葉ですが、あくまでも曲中にのみ存在することに注意しましょう。

・「机上の楼閣」

机上の楼閣は、砂上の楼閣(さじょうのろうかく)と机上の空論が混ざった言葉で、存在しない言葉です。詳しくは後述しますが、砂上の楼閣も机上の空論も、実現が困難なことを意味するため、混同しやすいといえるでしょう。

・「砂上の空論」

砂上の空論も、机上の楼閣と同様に、砂上の楼閣と机上の空論が混同して生まれた言葉です。それぞれの言葉をなんとなく覚えていると、誤用しやすいため、正しく理解することが大切です。

「机上の空論」の類似・言い換え表現

机上の空論の類似・言い換え表現は、以下のとおりです。各表現の意味を解説します。

女性と男性が会話をしている様子 イラスト

・「絵に描いた餅」

絵に描いた餅とは、綺麗だったりもっともらしいものであったりしても、実際には何の役にも立たないものを意味します。たとえ美味しそうな餅が描かれていたとしても、それが絵である以上、食べることはできません。このように、実際に手に取って食べられないものであれば、値打ちがなく役に立たないという意味です。

・「砂上の楼閣」

砂上の楼閣は、実現が困難なことのたとえです。「楼閣」とは、高い建物を意味する言葉です。砂の上に立てられた高い建物は、一見立派に見えても、建物の土台が崩れやすいため長くは維持できません。

そこから転じて、実現が不可能なことを意味する言葉として使われます。机上の空論と混同して、机上の楼閣や砂上の空論などと間違えてしまうことがありますが、これらは誤用です。

・「とらぬ狸の皮算用」

とらぬ狸の皮算用は、手に入るかわからないことについて利益を計算しても、意味がないことをあらわすことわざです。まだ捕まえてもいない狸の皮を売って得られる利益を計算しても意味がないように、不確かなものに期待をかけて計画を練ることのたとえとして用いられます。

とらぬ狸の皮算用は、実現する可能性が低いことに対して使用するのが特徴です。そのため、たとえば「給料が入ったら欲しかった本を買おう」「使わなくなった鞄を売ったお金で外食しよう」など、実現しそうなことには使いません。

・「空理空論」

空理空論とは「くうりくうろん」と読み、実際に役に立たない、現実からかけ離れた考えや観念的な理論を指します。もとは仏教の言葉で、世の中のものはすべて因縁によって起こる仮のものであり、実体のないものという意味から転じて使われるようになりました。「空理」「空論」はいずれも、現実離れしていて役に立たないことのたとえであり、それらを重ねて強調しています。

・「非現実的」

非現実的とは、現実には起こりえないことを指す言葉です。「非現実的な対策」「非現実的な考え」など、日常会話で使われることが多いといえるでしょう。

「机上の空論」の反対の意味の表現

机上の空論の反対の意味の表現としては、以下のようなものが挙げられます。それぞれの意味を確認しましょう。

本が階段になっているものを登ろうとしている人たちのイメージ イラスト

・「案ずるより生むが易し」

案ずるより生むが易しは「あんずるよりうむがやすし」と読み、物事は始める前に心配していたほど難しくないことのたとえです。机上の空論を持ち出して実際の行動を避けている人には、「あれこれ考えるよりも、案ずるより生むが易しだよ」と行動を促せるでしょう。

・「不言実行」

不言実行は「ふげんじっこう」と読み、あれこれ不要なことを言わずに、やるべきことを黙って実行することを指します。「不言」は何も言わないことを意味し、「不言実行の精神が求められる」などと使います。

・「言い勝ち功名」

言い勝ち功名とは「いいがちこうみょう」と読み、多少筋が通っていない話でも、まくしたてて話した者が勝つことをたとえた言葉です。机上の空論は、頭の中だけで考えた役に立たない考えであるのに対し、言い勝ち功名は深く考えていないことをまくしたてて強引に実行することを意味します。いずれも批判の対象になる可能性が高いものの、ある意味対極の行動といえるでしょう。

「机上の空論」を正しく使いこなそう

机上の空論とは、頭の中で考えただけの、役に立たない理論や意見などのたとえです。頭の中で考えているだけなので、実際に行う際には問題が露呈したり、無益であったりする可能性が高いといえます。ネガティブな意味で使われることが多いため、意味を正しく理解し、適切に使いこなしましょう。

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