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2023.11.07

「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは?由来や使い方を例文でご紹介

飛ぶ鳥を落とす勢いとは、権力や威勢が盛んな様子のことです。どのような由来を持つ慣用句なのか、また、日常会話での使い方を例文でご紹介します。「向かうところ敵なし」や「昇竜の勢い」、「草木も靡く」などの類語表現も解説します。

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「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは“権力や威勢が盛んな様子”

「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは、飛んでいる鳥も圧倒されて落ちてくるほどの勢いのことで、権力や威勢が盛んな様子を示します。

鳥が降下する様子のイラスト

【飛ぶ鳥を落とす勢い】とぶとりをおとすいきおい
権力や威勢が盛んなようす。「―で出世する」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

・彼女の人気は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。彼女が身に付けたアイテムは、服でも靴でもすぐに完売してしまう。

・あの会社は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している。すぐに業界トップになるだろう。

・飛ぶ鳥を落とす勢いで業績が伸びているが、一体、いつまで続くのだろうか。

 

■「飛ぶ鳥も落とす勢い」と表現することもある

「飛ぶ鳥を落とす勢い」ではなく「飛ぶ鳥も落とす勢い」と表現することもあります。意味は同じで、権力や威勢が盛んな様子を示します。

・今年の〇チームは強いね。開幕戦から飛ぶ鳥も落とす勢いで勝ち続けているよ。

・来月のコンテストも彼が優勝するだろう。まさに飛ぶ鳥も落とす勢いの快進撃だ。

 

■「飛ぶ鳥を落とす勢い」の由来・語源は?

「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉に、由来や語源はとくにありません。勢いの激しさを比喩的に表している言葉で、飛んでいる鳥も落ちてくるほどの強い勢いのときに用いられます。

ただし、どの程度の勢いが「飛ぶ鳥を落とす勢い」に相当するかは人によって異なるため、ある人にとって「飛ぶ鳥を落とす勢い」であっても、他の人にとってはそれほどでもないことがあります。誰の目から見ても激しい勢いのときに使うほうが、その場にしっくりと来るかもしれません。

また、「飛ぶ鳥を落とす勢い」は、飛んでいる鳥が勢いに巻き込まれて自然に落ちてくるほどの勢いのことです。飛んでいる鳥を撃ち落とす勢いではない点に注意しましょう。

なお、似たような表現として「飛ぶ鳥も落ちる(とぶとりもおちる)」があります。こちらも「飛ぶ鳥を落とす勢い」と同じく、権勢が盛んな様子を示します。

飛ぶ鳥を落とす勢いの類語を例文でご紹介

「飛ぶ鳥を落とす勢い」のように激しい勢いを示す表現はいくつもあります。たとえば次の表現は、いずれも激しい勢いを示します。

それぞれの表現の違いやニュアンス、使い方を見ていきましょう。

女性とアイデアが浮かぶ様子のイラスト

「草木も靡く」

「草木も靡く(くさきもなびく)」とは、盛んな威勢に、すべてのものがなびき従うたとえです。激しい勢いを示しているのは「飛ぶ鳥を落とす勢い」と同じですが、すべてのものがなびいている状態でないと「草木も靡く」とは表現しない点に注意が必要です。

・多くの人が彼の派閥に入っている。まさに草木も靡く勢いだ。

・今まで彼女がすることに疑問を唱えていた人でさえ、彼女の一挙手一投足に称賛の言葉を送っている。草木も靡くとはこのことだ。

 

「破竹の勢い」

「破竹の勢い(はちくのいきおい)」とは、竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいことを表現する慣用句です。現状での勢いが激しいだけでなく、これからも快進撃が続くと思われるときに使うとしっくりと来るかもしれません。たとえば、次のように使ってみましょう。

・彼は破竹の勢いで勝ち続けている。優勝するのは彼で間違いないだろう。

・地区予選では辛勝ばかりが続いていたが、全国リーグに進んでからは破竹の勢いで勝ちを積み上げている。

「向かうところ敵なし」

「向かうところ敵なし(むかうところてきなし)」とは、非常に強くて、どのような相手にも負けない様子を示します。「飛ぶ鳥を落とす勢い」や「破竹の勢い」とは異なり、勢いがあるかどうかではなく、現状での強さに注目した表現です。

たとえば、明らかに乗りに乗っているような勢いがなくても、その業界や分野で王者として君臨しているなら「向かうところ敵なし」と表現できます。その一方で、勝ちが続いて勢いがあるときも、どのような相手にも負けない強さを感じられるなら「向かうところ敵なし」と表現してもよいでしょう。

・連戦連勝、まさに向かうところ敵なしだ。

・この業界で〇〇社は圧倒的な強さを誇る。新商品を各社が発表したが、〇〇社の一人勝ち状態だ。向かうところ敵なしとは、このことだろう。

 

「昇竜の勢い」

「昇竜の勢い(しょうりゅうのいきおい)」とは、竜が空に上っていくように、勢いのよい状態のことです。なお、「昇竜(しょうりゅう)」や「昇り竜(のぼりりゅう)」だけでも、勢いのよい状態を示す言葉として使われます。

・わずか3年前は地方の小さな洋品店だったが、今では誰も知らない人がいないような日本を代表する衣料メーカーになった。まさに昇竜の勢いといえるだろう。

・彼女が素晴らしい勢いで段位を駆け上がっているのは、昇り竜のようだ。

 

「日の出の勢い」

「日の出の勢い(ひのでのいきおい)」とは、朝日が昇るように盛んな勢いのことです。「昇竜の勢い」や「飛ぶ鳥を落とす勢い」と同様のシチュエーションで使われます。また、「旭日昇天の勢い(きょくじつしょうてんのいきおい)」とも表現されることがあります。

・業績好調で、まさに日の出の勢いだ。

・去年までの不振はどこへやら、旭日昇天の勢いで成長を続けている。

 

日の出と反対の言葉として、落日(らくじつ)があります。落日は沈もうとする太陽のことですが、物事の勢いが衰えることのたとえとしても使われます。

・かつて権勢を振るった〇〇社だが、落日と呼べる時期に差し掛かっているのかもしれない。

・街には活気がなく、まさに王国の落日といった風情だ。

 

類語表現も覚えて使いこなそう

ジャンプする男性 イラスト

「飛ぶ鳥を落とす勢い」は、勢いが激しいときに使う表現です。日常会話でも使われることがあるため、意味や状況を理解しておくことが大切です。

また、「昇竜の勢い」や「向かうところ敵なし」などの表現を使って、勢いの激しさを示せます。似たような言い回しにならないように、類語を使った表現も覚えておきましょう。

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