■アプローチ方法
パーソナリティに関連する学問へのアプローチ方法としては、“心理学”だけでなく、“社会学”や“教育学”などの分野も考えられます。人文科学の中においても「心理学」は、心の仕組みを分析する学問であり、パーソナリティを形成する心理的な過程に焦点を当てる学問です。個別の性格に応じたカウンセリング技法も学べるでしょう。
社会科学の一環としての「社会学」では、心やパーソナリティに関連する問題に取り組みます。そして「教育学」は、教育プロセスや成長、発達、能力向上などを分析する学問です。
■学問を身につけた人は?
パーソナリティにまつわる専門知識を身につけた人は、心の問題を解決するカウンセラーとして活躍できます。また他の職種では、個々の資質や能力を評価して、キャリアアップや転職のアドバイスを提供する、アドバイザーとしての道も考えられるでしょう。人材派遣業や人材開発分野、企業の人事や社員教育などで活躍できる学問です。
パーソナリティ障害とは?
パーソナリティに関連したものとして「パーソナリティ障害」という病気もあります。パーソナリティ障害は、個人のパーソナリティ特性が非常に際立ってしまうため、融通が利かず、職場や学業、人間関係にさまざまな問題をもたらす障害です。本章ではパーソナリティ障害について、種類や原因、症状、行動などを解説していきます。
■種類
パーソナリティ障害は、A〜Cという、3つのカテゴリに分類可能です。それぞれのカテゴリに含まれる障害は、共通のパーソナリティ特性を持っており、独自の特徴があります。
Aグループに分類されるパーソナリティ障害には、妄想性やシゾイド、統合失調型。
Bグループは感情的であり、反社会性・境界性・自己愛性が目立ちます。
Cグループは、回避性や依存性、強迫性が分類され、常に不安や恐怖を感じやすい傾向にあるそうです。
■原因
パーソナリティ障害の発生には、遺伝子と環境が互いに影響し合う複雑なプロセスが関与しています。つまり一部の人は、遺伝的にパーソナリティ障害のリスクを持って生まれており、そのリスクは環境要因によって増減する可能性があるということです。一般的に言えば、遺伝子と環境はほぼ同じ程度に、パーソナリティ障害の発症に寄与しているとされています。
■行動
パーソナリティや行動の変化は、一般的に以下のように区分できます。
1.錯乱またはせん妄の症状
2.妄想的な思考や信念
3.混乱した発言や行動
4.幻覚体験
5.極端な気分の変動(抑うつや躁病など)
ただし上記の分類は、それぞれ明確な病名があるわけではありません。医師が患者とのコミュニケーションの中で判断するものであり、治療を迅速にすべくカテゴリ分けをしているに過ぎません。そのため上記のうち、いくつかの症状が同時に現れているケースもあります。
多数の視点から「パーソナリティ」を知ろう!
同じパーソナリティという言葉であっても、流通用語・DBM用語・心理学用語、いずれに関連した言葉として使われているのかによって、意味合いが異なります。またパーソナリティ障害という疾病もあり、その種類や原因はさまざまです。
個人や性格など、やや抽象的な言葉であるパーソナリティ。本記事を参考にして、シーンごとに適切な使い方ができるようにしましょう。
▼あわせて読みたい