メリバとは?意味や由来を解説
「メリバ」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。由来と併せて「メリバ」の意味を紹介します。
受け手の解釈によって結末が変わる物語
「メリバ」は、映画を見たときや小説を読んだときに、受け手の解釈によって結末が変わるストーリーのことです。物語の主人公にとっては幸せな結末であっても、受け手の解釈によっては悲しかったり、後味が悪かったりするなど、結末が変わるケースもあります。
たとえば、現実世界で虐げられている主人公が、天国にいる愛する家族や恋人に会うために、命を絶ってしまうような物語です。読者にとってはモヤモヤが残るバッドエンドだと感じても、主人公にとってはハッピーエンドとなり得るストーリーが該当するといえます。
メリバの由来・語源
「メリバ」は「メリーバッドエンド」の略語で、映画・アニメ・小説などに用いられているネットスラングです。語源は「陽気な」という意味を持つ英語の「merry(メリー)」と、不幸な結末を意味する「バッドエンド」が組み合わさったカタカナ語とされています。
「メリバ」という言葉が知られるようになったのは、2012年頃にX(旧Twitter)上で使われたのが始まりのようです。
メリバのストーリー展開は昔から存在
「メリバ」という言葉自体は、近年使われるようになった新しい言葉ですが、メリバと呼ばれるストーリー展開は新しいものではありません。以前から映画・小説・童話・漫画などで用いられています。
たとえば、世界的にも有名な童話である「マッチ売りの少女」「フランダースの犬」「人魚姫」などが挙げられるでしょう。いずれも主人公が亡くなってしまう悲しい結末です。しかし別の見方をすれば、主人公は救われ、幸せだったとも考えられます。
後味が悪いなど、結末がすっきりせず、モヤッと感じる人が多い作品であるのも「メリバ」の特徴かもしれません。
メリバの使い方を例文でチェック
言葉を正しく使うためには、意味を理解するだけでなく、使い方もしっかり確認することが大切です。「メリバ」の使い方を分かりやすい例文とともに紹介します。状況に合わせてアレンジして使ってみましょう。
メリバを使った例文
「メリバ」は、主に映画や小説などの内容に対して使います。「メリバ」を使った例文は以下の通りです。
【例文】
・あの作家の小説にはメリバが多い
・いま話題になっている映画は、メリバで後味が悪い
・私はハッピーエンドが好きだから、メリバやバッドエンドは耐えられない
・メリバは解釈が人によって分かれるから、考察好きにはたまらない
・最近人気のアニメはメリバが多く、好みが分かれるようだ
このようにネットや日常会話など、カジュアルなシーンで使われることの多い言葉です。
メリバとセットで覚えたい言葉
ストーリーの結末を表す言葉は「メリバ」以外にもあります。覚えておくと役立つ言葉を三つ紹介するので、それぞれの意味や使い方を確認し、実際に使ってみましょう。
ハッピーエンド
ハッピーエンドは「幸せ」という意味を持つ英語の「happy」と、「終わり」という意味の「end」を組み合わせた和製英語です。英語では「happy ending」と表現します。
映画・小説・ゲームなど、ストーリーが全て好都合に展開し、幸せに終わる結末を指します。ストーリーがシンプルで分かりやすく、誰でも楽しめるファミリー向け映画などに多くみられる終わり方です。
【例文】
・ハッピーエンドな映画を見ると、元気が出るという人は多い
・子供たちに夢や希望を与えるようなハッピーエンドの物語を知りたい
バッドエンド
バッドエンドも和製英語で、「bad(悪い)」と「end」を組み合わせた言葉です。ハッピーエンド同様に映画・小説・ゲームなどの内容に対して使い、不幸な結末や悲しい結末を迎えるストーリーのことを指します。英語では、悲しい結末で終わった場合は「bad ending」「sad ending」と表現します。
【例文】
・あのアニメはバッドエンドなので、君にはおすすめしない
・昨日見た映画がバッドエンドで、涙が止まらなかったよ
バッドエンドは、ホラー映画などに多く使われる傾向にあるため、見終わった後に気分が沈む人もいるかもしれません。
トゥルーエンド
トゥルーエンドは「真の」「真実」という意味の英語「true」と「end」を組み合わせた和製英語です。「物語の真のエンディング」「本来あるべき終わり方」という意味で、主にエンディングが複数あるマルチエンディングのゲームなどで使われています。
あくまでも制作者サイドが考えた理想的な結末であり、必ずしもハッピーエンドになるというわけではありません。
【例文】
・このゲームのトゥルーエンドにたどり着くのに何度もプレイした
・新作ゲームのトゥルーエンドは、期待以上のハッピーエンドだった
例文の通り、トゥルーエンドは主にゲームに対してよく使われる言葉です。
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