切迫
「切迫」とは、期日などが間近に迫ること、あるいは緊張した状態になることを指す言葉です。「返済期限が切迫する」「経済情勢が切迫する」「脈が切迫する」のように幅広い状況に使われます。
事態が差し迫っているという点で、喫緊と同じです。しかし、喫緊には差し迫っていることに加えて「重要なこと」という意味があるのに対し、「切迫」にはそのような意味合いはありません。
(例文)
・納期までの期日が切迫しており、職場は騒然としていた
・大切な試合を前に、選手は切迫した表情になっている
火急
「火急」とは、火のついたように差し迫った状態にあるという意味です「火がついた」という内容でもわかるように、喫緊よりも緊急度合いの高い言葉です。「火急の用事」といわれたら、最優先で対応しなければなりません。
(例文)
・我が社の今後に関わる事態なので、この件は火急に対応してもらいたい
・火急の要件が発生し、休日に出勤することになった
喫緊の対義語
喫緊の対義語には、余裕(よゆう)、不急(ふきゅう)などがあります。
どちらも「ゆとりがある」「急がない」といった意味で、差し迫った事態を表す喫緊とは反対の言葉です。このほか、急がずのんびりしているという意味の「気楽(きらく)」や「気長(きなが)」も対義語としてあげられます。
ここでは、2つの対義語をご紹介します。
余裕
余裕とは、必要分以上に余りがあること、ゆったりと落ち着いていることを表す言葉です。
使う対象の幅は広く、容器や場所などの物理的なものだけでなく、時間や気持ちなどにも使われます。例えば、「時間の余裕がある」「周りを見る心の余裕もない」といった使い方です。
(例文)
・家を早く出てきたので、予定の時間までたっぷりと余裕がある
・まだ席には余裕があるため、あとでゆっくりと選ぶことにするよ
不急
不急とは、急いでする必要がないという意味です。差し迫っているという意味の喫緊とは、正反対の言葉です。「不急の用件」「不要不急」という使い方をします。「不要不急」とは、必要でもなく、急いでもいないという意味です。
(例文)
・不急の用事なので、時間のあるときにお願いします
・不要不急の外出は、しばらくお控えください
喫緊の意味を正しく覚えよう
喫緊とは、差し迫った事態という意味です。「緊急」よりも緊急度は低く、「近々」や「直近」よりは急がれる状況を指します。ほかに「火急」や「切迫」などの類義語もあるため、一緒に覚えておくと状況に応じた使い分けができます。
「余裕」や「不急」などの対義語も覚えておくと、語彙を増やして表現に幅ができるでしょう。
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