【目次】
10代から何十年も付き合うことになる「生理のお悩み」
女性の人生で何十年も付き合うことになる生理。重い生理痛や生理前の不調に悩まされ、仕事や家事もままならなくなる人も少なくありません。
また子供世代にとっても、「生理の悩み」は時に深刻なもの。試合や受験など、大切な日に生理が重なり、本領発揮ができないことを心配する10代女性は多いようです。
受験勉強中の高校2年生に行った調査（※）では、89.9%が受験日と生理が重なることに対して不安を感じることが「ある」と回答しています。さらに受験勉強中に生理による影響を感じたことが「ある」と回答した人も63.1%と過半数を占め、子供世代も日頃から生理の悩みを感じていることが伺えます。
（C）Adobe Stock
そんな生理にまつわるさまざまな悩みに、母も娘も試してみたいのが「ピル」という選択肢。でも、なにやらたくさん種類もあってよくわからない…。そこでオンラインピル処方「メデリピル」を展開するmederiの坂梨さんと産婦人科医の郡先生にお話を聞きました。ピル初心者の30代ライターが、さまざまな疑問をぶつけます！
※2023年mederi調べ
お話を伺ったのは…
mederi代表取締役 坂梨 亜里咲さん
産婦人科医 郡 詩織先生
ピルはPMSや生理トラブルに悩む女性をサポート
ピル＝避妊薬のイメージが強かったのもひと昔前のお話。「メデリピル」ユーザーの利用目的でもっとも多いのは、PMS対策だそう。
ピルには女性ホルモンが配合されており、大きく分けると低用量ピル・超低用量ピル、中用量ピル、緊急避妊ピルに分類できますが、生理トラブル対策に活躍するのが低用量ピルと超低用量ピルです。ここからは、とくに記載のない場合はピル＝「低用量ピル・超低用量ピル」として話を進めていきます。
坂梨さん（以下、敬称略）：実際のところ、生理トラブルケアのために服用している女性が非常に多いです。メデリピルでは、30代のママが10代の受験生のお子さんと一緒に使っているケースも。
▲mederi代表取締役 坂梨 亜里咲さん
ピル服用にはこんなメリットが！
・生理周期を整えて、生理日をコントロールできる
・生理痛の緩和、経血量の減少
・PMSの緩和
・子宮内膜症の予防
・にきび予防や体毛を薄くする効果があるものも
ピルを服用することでいつ生理が来るか事前にわかるため、先々の予定が立てやすくなります。これだけでも忙しい毎日のQOLが大きく上がりそう。PMSや生理痛が軽減されるだけでなく経血量も減るとのこと。期間中何度もトイレに立つわずらわしさも解消されますね。
なお超低用量ピルは使い方次第で、最大120日間生理を起こさせないこともできるそうです。生理の回数が減るということは、それだけPMSや生理痛に悩まされるタイミングが減るということ。
▲産婦人科医 郡 詩織先生 メデリピルのオンライン診療も担当しています
郡先生（以下、敬称略）：生理の回数が減るとその分重くなるのでは…？と考える方も多いですが、ピルでコントロールして数か月に1回になったほうが、生理痛や経血量も少ないというデータも出ています。また、世界的には「妊娠を望まない間はなるべく生理を止めておく」という考え方が強くなりつつあり、研究が進められています。
──生理トラブル対策も、日々進化しているのですね。
郡：旅行など、単発の予定のために生理をずらしたい場合は中用量ピルが向いています。生理予定日の約1週間前から服用することで、生理日を遅らせたり、早めたりできます。ただ、たとえば受験生のように通年で管理が必要なケースは、早めに低用量ピルで慣れておいたほうがいいでしょう。また、副作用が出やすいのがデメリットでもあります。
「低用量ピル」にもさまざまな種類があります。お悩みにあわせて選んで！
▲含まれるホルモン量が一定の「1相性」タイプはPMSやにきび対策におすすめ
郡：ピルの種類によって、生理痛緩和に向いているもの、メンタルの落ち込みに効果的なものなど、得意分野も変わってきます。メデリピルではオンライン診察で患者さんそれぞれのお悩みを聞きながら、処方する種類を決めていきます。
▲周期ごとに含まれるホルモン量に差がある「3層性」タイプは不正出血対策に強みを持ちます
坂梨：最近は“インフルエンサーがおすすめしていた種類を服用したい”と、自身の希望を伝えてくださる患者さんも増えているんですよ。
──若い世代が上手に使いこなしているのがうかがえます。一方でデメリットとして、低用量ピルにも副作用が出る可能性があることは念頭に置いておくことも必要ですね。
郡：代表的な副作用は吐き気やむくみなど。ただ副作用は飲み始めのころに出やすく、服用して2〜3か月で感じなくなることも多いです。それ以降も副作用が続くようであればピルの種類を変えたり、吐き気止め・むくみ止めといった副作用緩和薬を用意することもできます。効き方には個人差があるので、しっくりこない場合は種類を変えるだけで変わることもよくあります。
ピルのオンライン処方ってどんな感じ？
「メデリピル」は、オンラインで産婦人科医の問診を受け、ピル処方ができるサービスです。LINEで予約→スマホで受診→最短翌日にはポストにピルが届くという仕組み。その後は定期便で毎月ピルが届きます。ピルに興味はあるけれど、まずは産婦人科に行くハードルが高い…という人にも、手が出やすい便利さ。通院につきものの待ち時間がないというのもなんともありがたいところ！
▲こんなパッケージで届きます
──お仕事の昼休み中など、スキマ時間にスマホから診察を受けるユーザーも多いそうですね。
坂梨：診察にかかる時間はユーザーさんのご希望によってカスタマイズしています。すでにピルを使い慣れた方であれば5分程度で終わることもありますし、初めての方であれば、医師が15分ほど時間をかけて丁寧に説明するようにしています。
──本当にオンラインの問診だけで大丈夫なのでしょうか。
郡：基本的には内診や血液検査は必須ではなく、問診と血圧の値だけでピルは処方できます。まずは気軽にご相談だけでもしていただけるとうれしいです。何に不安を感じているのか、どんなお悩みがあるのか、じっくりと聞かせていただけたらと思います。ただし、2週間以上不正出血が続いている場合や、3か月以上生理が来ていない場合は、一度対面で産婦人科の検査を受けてください。生理周期の乱れが原因ではなく、別の病気が隠れている可能性もあるためです。
坂梨：メデリピルでは副作用などに困ったときには、無料で再診が可能。チャット相談は24時間365日受け付けています。
──何かあったときも気軽に相談できるのは、安心できるポイントですね。
子どもの生理の悩みには？ 服用を始めるタイミングは？
（C）Adobe Stock
郡：ピルは初潮を迎えていれば服用できます。メデリピルでは18歳未満は保護者の同意が必要、15歳未満は保護者同席のもと診察することで処方が可能です。
坂梨：メデリピルでは、お父様が同席されるケースも多くみられますね。
郡：服用を検討するタイミングとしては、本人が悩みを感じ始めたらだと思います。お医者さんとお話する前に、保護者の方からピルとはどんなものなのか、簡単に説明できるといいですね。お子さんが生理に関してどんなお悩みを持っているのか、普段から話しあっておけると理想的です。副作用の可能性もありますので、服用中の様子も保護者の方が気にかけてあげてください。親子で生理の悩みをフラットに話し合える関係性を築けるのがベストです。
──お母さん側も、生理が重くて辛いときには、我慢せずに子供に伝えてみるのもいいかもしれませんね。
辛いときに頼れる選択があることを知ってほしい
2019年の国連の調査によると、日本のピル服用率は2.9%。その後上がってきていると言われていますが、それでも数%だそう。海外では服用率が30％を越す国もあり、その差は歴然。
坂梨：海外と比べて日本ではピルの導入が40年遅れているということもあって、世代間の認識ギャップを感じます。「昔は薬に頼らずやってきたのだから、辛くても我慢すべき」という考えも根強くありますよね。一方で、冒頭でお話したようにメデリピルでは親子で受診してくださるユーザーも増えていて、少しずつ認識が変わっているのも感じます。お子さんと一緒に学んでいくのも、いいですよね。
郡：私も3歳の息子がいますが、「ママは今、生理中でつらいんだ」という話もするようにしています。男女関係なく、自分の体調についてコミュニケーションをとることは大切。そして辛いときは我慢せず、ピルという選択肢があることを知っておいてほしいです。
mederiによる2023年の調査では、「メデリピル」ユーザーの82.5％が「もっと早く飲んでおけばよかった」と回答しています。あなたの生理の悩みも、ピルで解消できるかもしれませんよ。長い付き合いになるからこそ、上手に対策していきたいところです。
取材協力／mederi 取材・文／徳永留依子 メイン・アイキャッチ画像／（C）Adobe Stock
▼あわせて読みたい
