毎回“女・妻・母としてのご自身を自己分析してください”という共通のお題に答えていただくこのコーナー。寺川綾さんがセルフモニタリングする3つの顔とは…?
寺川さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜
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寺川綾さん
ミズノ(株)スイムチームコーチ、スポーツキャスター・39歳
元競泳日本代表、女子競泳ロンドン五輪銅メダリスト
仕事をしているときの私は“選手”
「仕事のときの私は、ピンでバッターボックスに立ち真っ向勝負をしているような“選手”のイメージ。たぶん妻や母をしているときはどこかで“ちゃんとやらなきゃ”と、自分を律しながらミッションを果たしているところがあるのです。でも唯一、素の自分で自分の人生をハンドリングできるのが仕事のとき。だから仕事をなくしてしまうと私自身が成り立たない。仕事時間の私が本当の寺川綾。結婚しても何してても“寺川綾である時間”は大事にしたいですね」
妻のときの私は夫に干渉しすぎない“トレーナー”
「妻の私は“トレーナー”かもしれません。夫が毎日元気に稼動できているか、ケガをしないか、目配り気配りはしますが干渉はしない。仕事時間の私が気持ち的に自由度高くいさせてもらっているぶん、妻としてのミッションはちゃんと果たそうと。たとえば疲れて時間がなくとも、夫に食べてもらう料理づくりは自分をピッと律してできる範囲でがんばっています!」
母のときの私は娘たちの“監督”
「母としての私は娘たちにとって“監督”のようなイメージかもしれません。ずっと選手として生きてきたので、時間や規律は守るなどの人として目指すべき確固たるものさしが自分の中にあるのです。それを娘たちにもなるべく同じように守ってほしいと考えていて。でも、いつもいつも監督モードばかりではないんですよ。たとえば一緒にディズニーランドへ行くと私がいちばんはしゃいでたりする。その振り幅が大きすぎて娘たちに“ママ、今日やばい”と笑われることもあります(笑)」
人生の分岐点には必ず自分にとってのキーパーソンがいる
「昔から“一期一会”という言葉が好きで大切にしています。やっぱり人生って“出会い”ですごく大きく変わるじゃないですか。振り返れば私は人生の分岐点で、自分にとって強力なキーパーソンとなる方たちと出会えているような気がするんです。家族や仲間もそうですし、ミズノへの入社や報道番組に声をかけてくださった方々も同じです。迷ったり困ったときには必ず助けようとしてくださる。その助言の言葉を受け止めることで、悪い方向へ向かったことは一度もないんですよ。たぶんみなさんなくしては、今の私はここにいないと思います。
人との出会いって自分では選べないところもあるじゃないですか。いい方たちに出会えていることがまずラッキーだと思いますし、だからこそご縁には常に敏感に、大切につなぐ心をもっていたいです」(寺川さん)
〈取材現場より〉
仕事をもつ女性の中にある「3つの顔」をフォーカスする『Web Domani』の連載「女の時間割。」。寺川さんの談話から、ご自身の感情や感覚に非常に素直で率直な方であり、その清々しいまでのまっすぐさがよいご縁を運んでくるのではないかと受けとめました。気になる撮影ビハインドはDomani公式インスタグラムにて公開されますのでご期待ください!
Profile
寺川 綾
てらかわ・あや/1984年、大阪府生まれ。ミズノ株式会社所属。3歳から水泳を始め、高校2年生で2001年世界水泳選手権に初出場。翌2002年パンパシフィック水泳選手権女子200m背泳ぎで銀メダルに輝く。アテネオリンピックでは200m背泳ぎ8位、ロンドンオリンピックでは100m背泳ぎと4×100mメドレーリレーの2種目で銅メダルを獲得。50m背泳ぎ、100m背泳ぎの日本記録保持者となる。ロンドン五輪は2大会連続出場、世界選手権は福岡、上海、バルセロナの3大会に出場。2013年12月に競技からの卒業を宣言。29歳で結婚。現在は二児の母。スイムチームコーチ、スポーツキャスター、水着の監修など多方面で活躍中。インスタグラム : @terakawaaya_official
写真/WEB Domani編集部
取材・文
谷畑まゆみ
フリーランスエディター・ライター・キャリアアドバイザー
働く女性のインタビュー企画がライフワーク。2016年よりDomaniで「働くいい女」「女の時間割。」連載を担当。共著『わかる!伝える!視線の心理術』(造事務所編・メディアパル刊)。
私の生き方