毎回“女・妻・母としての自分を自己分析してください”という共通質問に答えていただくこのコーナー。今回は伊東さんからメールで回答をいただきました。
伊東さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜
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伊東美咲さん
タレント、モデル、女優・45歳
仕事のときの自分は『ゴールド』
仕事をしているときの自分は、色でたとえるならゴールド。今までの人生で学んできたことを最大限に表現できる場所は、私にとって光輝ける色を放っていると感じています。ふだん、子育て中心の生活でなかなか自分時間を優先できない中での“表現を謳歌できるステージ”は、私にとってはかけがえのない大切な存在です。
妻のときの自分は『白』
妻としての自分を色でたとえるならば、白。夫とお互いを尊重しあいながらリラックスできる時間は、日々の喧騒から解き放たれる瞬間でもあります。何色にも染まらない素の自分でいられるひとときは、自分の核となるものと向き合えているような気がしています。
母のときの自分は『虹色』
母としての自分を色でたとえるならば、虹色。3人の子どもたちの個性や才能をどうやったらもっと光り輝かせることができるだろうかと考えると、それは色とりどりで、無限大。その時々の状況を判断して成長をサポートしていくことは、自分自身の成長にもつながっていて、たくさんの夢や目標を抱かせてくれています。
美しさを保つ秘訣は、5年先10年先を意識しておく未来志向
「いつも“九転び十起”の精神を大切にしています。明治時代の女性実業家・広岡朝子さんの“八転び九起”という言葉があるのですが、20 代の最も仕事が忙しい時期にその言葉に出合い、広岡さんが八転びだったら、私は“九転び十起”くらいの気持ちで頑張ろうと思ったんですね。当時、乗り越えなくてはいけない壁に何度も突き当たったのですが、それで転んでもまた起き上がればいいのだと。現在もその延長です。20代のさまざまな経験が本当に今の私の基盤になっています。
女優の仕事を通して培ってきたことは、将来子どもたちにも伝えていければいいなと思っています。たとえばドラマなら、自分の役のキャラクターを1話から最終話までやり遂げる責任感や精神力が必要ですし、一方でチームとして作品をつくりあげるマインドも大切です。自分ひとりではどうしようもないことで落ち込みそうになったときにも、スタッフさんと一緒にワンチームで乗り越えることができる。日々のさまざまなシチュエーションに活かされています。
40代に入って心理学を学んでからは、セルフコーチングやメンタルのセルフケアも心理学の理論と紐付けて、気分転換できるようになりました。悩みの場所から一歩抜け出してみるだけで、心のバランスもずっと保ちやすくなると思います。
どちらかというと、過去よりもこれから先のことに関心があるんです。未来志向の人間かもしれません。いつの時代も凛とした姿で過ごすこと、常に5年先、10年先を見据えてビジョンをたてて、未来を創造していくことが大切だと考えています。20代のときは30代、30代のときは40代と、これまでも10年スパンで“いくつかのやるべき夢”を目標としてきました。ひとつではなく複数の選択肢をもつことがポイントなんです。どこに転んだとしてもそれは失敗ではなく、全部成功になるようなマインドで過ごすこと。いくつになっても自分を高く保ちながら磨くことができます」(伊東さん)
仕事をもつ女性の中にある「3つの顔」をキャッチアップする『Web Domani』の連載「女の時間割。」。伊東さんの帰国のタイミングでお話を伺いました。撮影のバックスステージは後日Web Domani公式インスタグラムにて公開されます。そちらもぜひチェックしてください!
Profile
伊東美咲
いとう・みさき/1977年、福島県生まれ。学生時代は大阪で過ごし、在学中に幼稚園教諭二種免許や社会福祉主事任用資格などを取得する。スカウトがきっかけで芸能の仕事を始め、女性誌『CanCam』専属モデルを経て、2000年に女優としてドラマデビュー。『ごくせん』(日本テレビ系)や『電車男』(フジテレビ系)など数々の話題作に出演。2004年に初主演した映画『海猫』で第28回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝く。32歳で結婚。33歳で長女、38歳で長男、40歳で次女を出産してハワイへの“教育移住”を選択。子育てに専念する30代を経て自分のペースで仕事に復帰。昨年から心理学の勉強も開始する。趣味は着付け、茶道、料理。着付けは準師範の資格ももっている。
インスタグラム : @misaki_ito_official
写真・取材・文
谷畑まゆみ
働く女性のインタビュー企画がライフワーク。2016年よりDomaniで「働くいい女」「女の時間割。」連載を担当。共著『わかる!伝える!視線の心理術』(造事務所編・メディアパル刊)。デジタルデザイナーの毎日をもっと楽しくするメディア『unprinted』では「デザインに役立つ心理学入門」を担当。認知心理学や行動経済学の知見をもとにしたコラムを展開中。
私の生き方