聞き上手とは? 特徴をチェック
はじめに、聞き上手の意味を確認しましょう。
きき‐じょうず〔‐ジヤウズ〕【聞(き)上手】
相手にうまく応答して、気分よく十分に話をさせること。また、その人。聞き巧者 (ごうしゃ) 。⇔聞き下手 (べた) 。
小学館 『デジタル大辞泉より』引用
デジタル大辞泉によると、聞き上手とはリアクションや合いの手を駆使して「相手に気持ちよく話をさせること」、そして、それができる人を指すとのこと。〝それができる人〟とは、いったいどんな人なのでしょうか? ということで、具体例とともに聞き上手な人の特徴を紹介します。意外と近くに同じ特徴を持つ人がいるかもしれませんね。
7割くらい相手の話を聞く
聞き上手の人は、相手によく話をさせる傾向があります。具体的には相手が話す量が7割方で、自分が話す量は3割程度と言われています。
話の途中では自分の意見を主張せず、考えを求められたときだけ控えめに返します。相手が言葉に詰まったなら、話しやすいように様子を見ながら「それから、どうなったの?」と続きを促すでしょう。
会話が終わったあと、相手は話し切ったことに安心し「また話を聞いてもらいたい」と感じます。一回きりではなく何度も相談相手となり、頼りにされることも少なくありません。
話の腰を折らない
途中で話の腰を折らず『聞き役』に徹することができる人は、聞き上手といえます。「本当はもっと話したいことがあったけれど我慢しよう」と相手に思わせることがありません。
人がまだ話している途中で「実は、私もこういうことがあって…」と自分の話を始めてしまえば、相手は〝話を遮られた〟と感じる可能性があります。
そうなると相手としては、本当は聞いてもらいたいことがあっても、どうにも切り出しづらい雰囲気になってしまうでしょう。「相手が話したがっていることは何なのか」に集中しながら聞くと、途中で話の腰を折らずに済みます。
相手を理解し共感しようと努める
どんな話であっても親身になって聞ける人は、聞き上手です。本心ではないのにやたらと同調したり、上辺だけ関心がある振りをしたりしません。
自分の主義に反する話を振られたとしても「相手の立場」になってものを考え、理解し共感しようとします。話をする人は、一生懸命話を聞いてくれていると感じるでしょう。
相手に「話を聞き流されている」と思われるようでは、聞き上手とはいえません。真剣に聞いてくれるからこそ、あの人に話したいと求められるのです。
【100人に聞いた】ほかにも「聞き上手はこんな人」との意見が
「聞き上手」の特徴を日本全国100人のワーキングマザーに質問しました。先に述べたもの以外にも、さまざまな意見が寄せられています。
※アンケートは30〜49歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数119名。
優しい
「雰囲気が柔らかい」(30代・東京都)
「優しい。相手に対して思いやりがある」(40代・新潟県)
相槌を打つ
「相槌をしっかり打ってくれる」(30代・茨城県)
「相槌がうまい」(40代・東京都)
「相槌のタイミングがいい」(40代・大分県)
でしゃばらない
「自分のことを話さない」(30代・大阪府)
「でしゃばらない」(40代・静岡県)
「喋りすぎない」(40代・京都府)
目を見る
「相手の目を見て、話を遮らずに聞いてくれる」(40代・愛知県)
「目を見てしっかり聞いてくれてる」(30代・愛知県)
進行が上手い
「話の進め方がうまい」(40代・静岡県)
「上手く質問してくれる」(40代・兵庫県)
興味を持つ
「興味の幅が広い」(30代・大阪府)
「相手に興味を持っている」(40代・北海道)
【100人に聞いた】聞き上手な人に好感を持ちやすいと感じますか?
聞き上手な人に好感を持ちやすいと感じるか、日本全国100人のワーキングマザーにアンケートを実施しました。
結果は「はい」が89.1%となり、ほとんどの人が好感を持つと回答しています。その理由や実体験もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
※アンケートは30〜49歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数119名。
話しやすい
「話しやすい雰囲気を作り出すのがうまい」(40代・愛媛県)
「話していて楽しい気分になるから」(40代・茨城県)
「聞いてもらえるだけでスッキリすることもあるから」(40代・岩手県)
居心地がいい
「自分を受け入れられている感じがする」(30代・茨城県)
「話を聞いてくれると気持ちがいいから」(30代・福島県)
「受け入れられている印象を受けるから」(40代・熊本県)
落ち着く
「悩みや愚痴を聞いてくれると気分が落ち着くから」(40代・福岡県)
「話を聞いてくれると安心する」(30代・愛知県)
助けられる
「相手に話しをすることで、ストレス発散にもなるから」(30代・富山県)
「助かったことがある」(40代・長野県)
「悩みを聞いてくれる同僚がいて、いつも助けられているから」(40代・青森県)
感じが良い
「人の話をきいていれば、感じがよく思われる」(30代・大阪府)
「聞き上手な人ほどコミュニケーション能力があると思うから。自分の話ばかりする人は、一方的でコミュニケーションが取れていないと思う」(30代・三重県)
聞き上手にはどんなメリットがある?
相手の話をただ聞くことを退屈だと感じる人もいますが、人間関係を円滑にしたいならば聞き上手になって損はありません。どんなメリットがあるのかを紹介します。
好感を持たれやすい
話を聞くことがうまい人の周囲には、自然と多くの人が集まります。人から好感を持たれやすく、親しみやすい人物だと思ってもらえることがメリットです。
反対に、自分の話が中心で相手の話を聞かない人は、身勝手な印象を与えます。本人は楽しく話しているつもりでも、周囲に気を遣わせていることがあるでしょう。
人の話を一生懸命聞く人は、「相手の気持ちに寄り添った行動を取れる人」だと評価されることも多いようです。無理に聞き役になる必要はありませんが、ここぞというときには人の話にしっかりと耳を傾けられる姿勢を持ちましょう。
仕事など、さまざまなシーンで信頼される
人から信頼されることも、聞き上手になるメリットです。話し上手な人は仕事で評価されると思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
聞き上手な人は、職場でもプライベートでも頼りにされます。何か困った事態になったとき「どんな人に話を聞いてもらいたいか」を考えると、聞き上手な人が信頼される理由がわかります。
人は親身になって話を聞いてくれる人と、心を通じ合わせます。どんなに話が上手でも、信用するに足りない人だと思われていては心を開いてもらえません。相手に信頼されるには、相手の話をよく聞くことが必要です。
色々な情報を得やすい
人から相談を持ち掛けられることが多い聞き上手な人ほど、さまざまな情報を入手できます。たくさんの人と会話すれば、思いもよらない話や知らない分野の話を聞く機会も増え、視野も広がるでしょう。
これまで取り組まなかったことに興味を持つきっかけにもなり、知識を身に付けられます。人の話を深く聞こうとすればするほど、自分を成長させることにもつながるのです。
自分の身に困ったことが起きたときも、人から得た情報と経験を活用してうまく解決法を見つけられるかもしれません。
聞き上手になるには?
聞き上手になると、たくさんのメリットがあることがわかりました。しかし、実践するにはどうすればよいのでしょう。ここでは聞き上手になるためのポイントを紹介します。
まずは相手の目を見る
「聞いているときの態度」は重要なポイントです。じっとして、聞いているのかいないのかわからないような態度では、相手は話す気がなくなってしまいます。
真剣に聞いている様子を態度で示すには、話し手の目を見つめると効果的です。目は感情が表れやすい部位なので、何も言わなかったとしても、目つきから気持ちが伝わってきます。
人は目をじっと見られているとき、注目されているという意識が高まるでしょう。話を聞くときに相手の目を見てうなずいているだけでも、真剣度を伝えられるのです。