「尊敬の念」の読み方や正しい意味
「尊敬の念」の読み方は、そのまま「そんけいのねん」です。 「相手を尊び敬う気持ち」を意味します。この意味を言葉の成り立ちからも確認してみましょう。
「尊敬」は「相手の人格を尊び敬う」または「相手の行為や業績を認めて敬う」などの意味があります。一方、「念」は「思い」や「気持ち」を表す言葉です。2つの言葉の意味からもわかるとおり、「尊敬の念」は対象者を「敬う気持ち」や「尊ぶ思い」を表したいときに使われます。
間違いやすい「畏敬の念」との使い分け
「尊敬の念」と「畏敬の念」は混同しやすいですが、明確に異なるのは言葉の対象です。「尊敬の念」は前述したとおり、「相手」を敬う気持ちを表します。つまり言葉の対象となるのは人物です。
一方、「畏敬の念」が対象とする範囲は広く、人物だけでなく固有名詞に対しても使えます。具体例をご紹介すると、対象を「会社」とした場合は「尊敬の念」は使えないということです。その場合は「常々、御社のご活躍には畏敬の念を抱いております」と言い換えるとよいでしょう。
また「畏敬の念」は「つつしみを持って敬う気持ち」という意味があり、主に神や仏に対して使われる言葉です。そのため、むやみやたらに使うのではなく自分より地位のはるかに高い人や、力のある人に使う方法が適切と言えます。
「尊敬の念」の使い方8つ!例文もご紹介
「尊敬の念」はあとに続く言葉により、若干使い方や表現が異なってきます。ここでは「尊敬の念を示す」「尊敬の念を込めて」など代表的な8つの使い方を解説しながら、いくつかの例文もご紹介します。
シーンに合わせて正しく使い分けられれば、相手に不快な思いもさせません。ビジネスの場でも一目置かれるはずですよ。
1.「尊敬の念を示す」
「尊敬の念を示す」は「敬う気持ちを持つ」または「尊敬する気持ちが相手にわかるように表現する」という意味で使う言葉です。「示す」という言葉には「相手によくわかるよう何かをしてみせる」や「考えや気持ちが相手に伝わるよう何かの方法で表す」などの意味があります。
例文は以下を参考にしてみてください。
・彼女の成し遂げた功績に尊敬の念を示す
・彼の仕事に対するひたむきな姿勢に尊敬の念を示したい
2.「尊敬の念を込めて」
「尊敬の念を込めて」には「相手を敬う気持ちを自身の行動や言葉に含ませる」という意味があります。「込める」の意味は「感情や気持ちを注ぐ」や「十分に含める」などです。
以下で例文をご紹介します。
・長年お世話になった先輩に尊敬の念を込めて手紙をしたためた
・尊敬の念を込めて、その企画をまとめ上げたリーダーを表彰した
3.「尊敬の念が深まる」
「尊敬の念が深まる」は「尊敬の念を示す」と同じく、相手を敬う気持ちを持った際に使用する言い回しです。意味合いはほとんど同じなので、場面や前後に使う言葉のバランスを見て使い分けましょう。
「深まる」は「程度が進む」という意味があるため、尊敬する気持ちが高まったときや徐々に気持ちが変化する場面で使う方法がよさそうです。
例文をご紹介します。
・上司に対してますます尊敬の念が深まった
・尊敬の念が深まるよう、後輩に社長の功績を伝えた
4.「尊敬の念を抱く」
「尊敬の念を抱く」は「そんけいのねんをいだく」と読み、意味は「敬う気持ちを持つ」です。先にご紹介した「尊敬の念を込めて」「尊敬の念が深まる」と同様のニュアンスと考えて構いません。ちなみに「抱く」は「ある感情や考えを持つ」という意味がある言葉です。
以下の例文を参考にしてみましょう。
・数々の業績を作ってきた〇〇さんに尊敬の念を抱いた
・御社の○○氏に尊敬の念を抱いておりますので、ぜひこのプロジェクトに参加したい