実家暮らしの事情は人それぞれ
実家暮らしをする事情は人それぞれですが、長く実家暮らしをしていると、周囲からはどう見られるのかが気になるところです。
また、実家暮らしでは、家に入れる生活費についても考えなければなりません。実家暮らしを卒業するタイミングはいつなのか考えることもあるでしょう。ここでは、実家暮らしの事情についてご紹介します。
実家暮らしは何歳まで許される?
実家暮らしは親が家事をしてくれたり、生活費も節約できるなど、メリットがたくさんあります。独身のうちは実家暮らしをしていたいと考える人も多いでしょう。しかし、実家暮らしも長く続くと、周囲からの目が気になってきます。
実家暮らしが何歳まで許されるか、特に決まりはありません。「社会人になるまで」「30歳まで」という意見もありますが、実家にいる理由も千差万別です。親が高齢で、介護などのためにずっと実家暮らしをする人もいます。あくまでも自分や家族の事情で実家暮らしを決めるべきで、外野の意見はあまり気にしない方がいいでしょう。
実家に入れる生活費はどのくらい?
実家暮らしをしながら働いている場合は、生活費を家に入れることも考えなければなりません。統計では、20代〜30代で実家暮らしをしている人の約65%が実家に生活費を入れています。金額の平均は約3万円で、目安としては「収入の約10%を入れる」と考えておけばよいでしょう。
実家に生活費を入れることで親の経済状況を助けられるとともに、お金を管理する感覚も身につきます。
事情により異なる
生活費を入れるかどうか、いくら入れるかはそれぞれの事情によって異なります。独身で働いている人とシングルマザーでは、必要になる生活費も違ってくるでしょう。
シングルマザーの場合は子どもの年齢にもよりますが、就学していれば給食費など学校関係の費用や教育費がかかり、医療費も考えなければなりません。収入と必要になる生活費を検討し、親とも相談しながら家に入れる金額を決めましょう。
実家暮らしを卒業するタイミング
独身でずっと実家暮らしをしている場合、離れて一人暮らしをするタイミングを考えることもあるかと思います。就職が決まったときに勤務地に通いやすい場所で一人暮らしを始めるか、あるいは収入が入るようになってから、自立したいと考えるケースもあるでしょう。
地方住まいの場合は、都心の大学に通うために一人暮らしをする場合もあります。ただし、この場合は、大学卒業と同時に実家に帰るケースもあるでしょう。
ほかにも、結婚や転勤などで実家を離れることもあり、実家暮らしを卒業する契機はさまざまです。特にきっかけはなくても、自立したいと思い立って卒業する人もいます。
実家暮らしのメリット4つ
家暮らしには経済的な負担があまりなく、家事もしてもらえることが多いなど、いくつものメリットがあります。
特に、シングルマザーの場合は子どもの面倒を見てもらえる、一人で子育てするストレスが減るなど、メリットは大きいでしょう。親と同居することで、親孝行ができるのも嬉しいポイントです。
ここでは、実家暮らしのメリットについて、シングルマザーの視点も交えながら紹介します。
1.生活費の負担が軽くなる
実家暮らしの大きなメリットは、生活費の負担が軽くなることです。家賃や光熱費、食費の負担がなくなることで、かなり生活が楽になるでしょう。独身であれば、給与のほとんどを自由に使えます。
子どもに多くの費用がかかるシングルマザーにとっても実家暮らしの金銭的なメリットは大きく、それを主な目的にして実家暮らしをする人も少なくありません。
2.子どもの面倒を見てもらえる
特にシングルマザーにとっては、親に子どもの面倒を見てもらえるのがメリットです。保育園のお迎えに間に合わないときは代わりに迎えに行ってもらえたり、熱を出して保育園に預けられないときでも面倒を見てもらえたりするのは大きなメリットでしょう。子育てで悩んだら、母親に相談することもできます。
両親に子どもの面倒を見てもらうことができたら、時短ではなくフルタイムで働くことも可能になり、収入の面で実家を支えることができるかもしれませんね。
3.ストレスが減る
シングルマザーは子育てや家事、仕事を一人でこなさなければなりません。子どもが小さいうちは長い時間働けず、金銭面での不安もあります。
実家暮らしをすることにより一人で抱え込むことの不安や心配が消えるなど、精神的なメリットは大きいでしょう。母親のストレスが減ることは、子どもにもいい影響を与えます。一人になって子育てに悩んでいる人は、実家暮らしで救われることも多いはずです。
4.親孝行ができる
実家暮らしにより、自分が親を助けることもできます。何より、親にとって子どもがそばにいることは嬉しく、孫と暮らせることが親孝行になるでしょう。シングルマザーは実家暮らしによりストレスが減りますが、親にとっても娘がそばにいることが精神的な支えになります。
また、高齢の両親の場合、そばにいることでいつ何があってもすぐに手助けができるというのも、大きなメリットといえるでしょう。
実家暮らしのデメリット4つ
メリットの多い実家暮らしですが、デメリットもあります。親といると、どうしても自分の中の子どもの面が出てしまい、甘えがちになる人もいるかもしれません。
また、子どもの教育に干渉されることもあるでしょう。また、実の親だからといって必ずうまくいくとは限らず、人間関係がこじれる場合もあります。金銭面では、手当など公的補助が受けられなくなる可能性があることも把握しておきましょう。
実家暮らしのデメリットを4つ紹介します。
1.親に甘えがちになる
実家暮らしをすると、親に対して子どもとしての気持ちがよみがえることもあるでしょう。特に、長く一人で頑張ってきたシングルマザーほど、親と同居することでほっとします。
親に甘えがちになり、わがままを言うことがあるかもしれません。子どもを育てる親としては甘えてばかりいるわけにもいかず、親としての自覚を持つことが必要になります。
2.子どもの教育に干渉される場合がある
実家暮らしにありがちなのが、子どもの教育への干渉です。子どもへの教育にこだわりがある場合は、親の考えと合わずに意見が衝突する可能性もあるでしょう。
親の考えが古い場合は話し合い、現代的な考えややり方を説明することも必要です。ただし、自分のこだわりを通そうとすると、衝突する場合もあります。ある程度は譲歩して、受け入れていくことも必要です。
3.人間関係がこじれる場合も
実の親だからといって、いつも仲良くしていられるとは限りません。一緒に過ごす時間が長くなれば、衝突することもあります。
また、両親だけでなく兄弟の夫婦と同居するケースもあるでしょう。親戚ではあるけれど、血はつながっていない他人と暮らすわけですから、いろいろと気遣う点も出てきます。義理の姉、妹との関係がこじれれば、肉親よりも修復が難しくなる可能性もあるでしょう。
誰と暮らす場合にも、お互いを尊重しながら上手に付き合っていく必要があります。
4.公的補助が打ち切られる可能性がある
実家暮らしは金銭面でのデメリットもあることを把握しておきましょう。
通常、母子家庭で一定の収入に満たない場合、児童手当など各種手当を受け取ることができますが、実家暮らしをすることでこれらの手当が打ち切られる可能性があります。
実家暮らしにより、手当の支給を判断する基準となる収入に、両親の収入も加味される場合があるからです。収入が一定以上あるとみなされれば、手当は打ち切られるでしょう。
実家暮らしでするべきこと
実家暮らしをしているときは、今後のためにするべきことがあります。金銭感覚を身につけるために家計簿をつける、家事を親任せにせず手伝うということです。いつ実家暮らしから卒業してもいいように準備をしておきましょう。
また、シングルマザーの場合は実家暮らしをする前によく話し合うことが大切です。実家暮らしでするべきことについて、3つ紹介します。
家計簿をつけ貯金をする
実家暮らしをしているときでも、家計簿をつけて金銭感覚を身につけましょう。家計簿をつけることで月にどれくらいの生活費がかかっているのかがわかり、独立したときの金銭管理に役立ちます。また、一人で生活するときのために貯金をすることも大切です。
シングルマザーの場合も、ずっと実家暮らしができるとは限りません。金銭管理は親任せにせず、家計簿をつけながら貯金も行いましょう。
家事を手伝う
実家暮らしでは親が料理を作り、掃除・洗濯などの家事も任せてしまうことも多いでしょう。しかしすべて任せきりでは、親の負担も大きいですし、いざ独立したときに慣れないことが多く大変です。
普段から家事を手伝いながら、一人になってもスムーズな生活ができるようにしておきましょう。手伝いながら、家事のコツなどを教えてもらうようにしてみてください。
事前によく話し合う
シングルマザーの場合、実家暮らしを決めたら、実際に住む前に両親とよく話し合うことをおすすめします。特に、兄弟夫婦と一緒に住む場合は同居後の生活について確認が必要です。事前に問題点などを洗い出しておきましょう。
家にいくら入れるか、子育てについてはどうするかなど、あらかじめ相談しておいてください。補助金についても確認しながら、お互いにとって最適な選択を行いましょう。
実家暮らしはデメリットも把握しておこう
実家暮らしは生活費の負担があまりなく、料理も作ってもらえるなど多くのメリットがあります。シングルマザーの場合は精神的にも楽になり、子育てを手伝ってもらえるのもありがたい点です。ただし、メリットな部分ばかりを見るのではなく、デメリットもあることを把握しておかなければなりません。事前によく話し合い、うまく生活していけるのかを確認しておくことが同居生活がうまくいくかどうかの分かれ道になります。
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