「温厚篤実」の基礎知識
「温厚篤実」の読み方は「おんこうとくじつ」です。「温厚篤実」とはその人物の性格を表す四字熟語であり、ビジネスシーンなどのかしこまった場でも使用できます。面接や履歴書の自己PRでも使える表現のため、正しく理解して自信を持って伝えられるようにするといいでしょう。
はじめに、「温厚篤実」という表現の詳しい意味や由来・語源、使い方・例文などについて、詳しくご紹介します。
「温厚篤実」とは穏やかでまじめなさま
【温厚(おん‐こう)ヲン‐】
(形動)(ナリ)穏やかで、優しくまじめなさま。「―な人柄」「―篤実」
<派生>おんこうさ(名)
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「温厚篤実」の温厚とは、「穏やかで優しくて温かみがありまじめなさま」というその人の性格を表す言葉です。また、篤実とは「情が深く親切で誠実なこと」や「そのさま」を表現しています。それぞれ、対象の人物についてどのような人柄なのか伝えるときに使われる言葉です。
なお、「温厚篤実」で使われている熟語の前後を反対にして「篤実温厚」と表現することもあります。この場合の読み方は「とくじつおんこう」で、意味は変わりません。
「温厚篤実」の由来・語源
「温厚篤実」の由来は、中国の昔の書物からきています。温厚の語源は気候が暖かく穏やかな様子を表現する「天地温厚の気」という言葉でした。その後、穏やかで優しい人物像を表すようになっていったのです。
また、篤実は障害をものともせず粘り強く丁寧に取り組むという意味の「剛健篤実」が語源の言葉です。「剛健篤実」は「ごうけんとくじつ」と読みます。もともとは内面を磨くという表現でしたが、時代が変わるにつれて今のように「情に厚く誠実なさま」などの人柄を表現する言葉になっていきました。
「温厚篤実」の使い方や例文
「温厚篤実」の使い方を例文でチェックしていきましょう。前提として、「温厚篤実」とは対象の人物の人柄や性格をポジティブに表現する際に使う言葉です。
相手を評価する際などに使う大変いい意味の言葉ですが、上司などに使う場合には目上の人を評価することに対して失礼に当たらないよう注意が必要です。「温厚篤実なお人柄で、ずっと尊敬していました」などのように使いましょう。
「温厚篤実」の例文は以下のとおりです。
・この度は大変お世話になりました。担当者様の【温厚篤実】な人柄に感銘を受けました。
・社長の【温厚篤実】な人柄に惹かれて、御社を志望いたしました。
面接の自己PRや座右の銘にもなる「温厚篤実」とは?
先述のとおり、「温厚篤実」とは面接や履歴書の自己PRでも使える表現ですが、座右の銘としても使われます。しかし、自身に対して使う場合には注意が必要な言葉でもあります。
人柄が優れていることを表現できる言葉ですが、自分で使うと自己評価が非常に高いかのようなニュアンスになってしまい、「温厚篤実」のイメージと離れてしまいかねません。面接の自己PRなどでは「温厚篤実を目標にしています」や「いつも温厚篤実な対応ができるよう心がけております」などと使いましょう。
それでは、「温厚篤実」な人の特徴と長所・短所をご紹介します。
「温厚篤実」な人の特徴
「温厚篤実」な人の特徴は、穏やかな性格でストレスをためにくく、イライラしにくいことです。周りの人たちに対して寛容で優しいため、ほかの人のことを悪くいうこともなく敵を作りにくい性格で、周りの人から好意的に思われやすいといわれています。
もしも誰かを注意することになっても、「温厚篤実」な人は感情的に怒ることはありません。穏やかな言い方のままで、伝えるべき内容を相手に伝えます。