Z世代とは?
Z世代(ゼットせだい)という言葉を聞いたことはありませんか? SNSやテレビ、雑誌などでしばしば登場するワードです。Z世代は具体的に何年生まれを指すのか、Z世代の「Z」はどこから来ているのか、Z世代の特徴などについて紹介します。また、ほかの世代の表し方についても見てみましょう。
Z世代は何年生まれ?
「Z世代」の年代の定義には諸説あります。ここでは3つの説をご紹介します。
1:「1990年代中盤から2000年代までに生まれた世代」という説
2:「1990年代後半から2000年代頃に生まれた世代」という説
3:「1990年代後半から2010年代前半までに生まれた世代」という説
出典:1・『デジタル大辞泉』(小学館)/2・『日経ワード2023-2024』(日経HR)/3・『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
Z世代の語源とは?
そもそも、この年代に生まれた世代のことをなぜZ世代と呼ぶのでしょうか? ここでは、Z世代という言葉の語源についても迫ってみましょう。
一説によると、アルファベットによる世代区分が広まったきっかけは、ひとつの小説にあるようです。『日本大百科全書(ニッポニカ)』では、以下のように紹介されています。
カナダのダグラス・クープランドDouglas Coupland(1961– )のベストセラー小説『ジェネレーションXGeneration X』に登場するX世代(1960年代半ば~1970年代半ば生まれ)や、次のY世代(1980~1990年代半ば生まれ)に続く世代という意味で、Z世代とよばれる。
出典:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
X世代からはじまり、アルファベット順にY世代、Z世代と名付けられたようです。Z世代のほかにもスマホ世代などと呼ばれることもあります。
参考:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)・『現代用語の基礎知識(2021年度版)』(自由国民社)
Z世代の特徴を紹介
ここまで、Z世代の年代や語源などを見てきました。では、Z世代の特徴にはどのようなものが挙げられるのでしょうか? もともとアルファベットによる世代区分はアメリカを中心に使われはじめたものであり、必ずしも日本にそのまま当てはめられるとは限りませんが、ここでは一般的によく挙げられる傾向を紹介します。
1:インターネットを上手に活用する
スマホ世代やデジタルネイティブなどと呼ばれることからもわかるように、インターネットが普及し、SNSなどを活用してインフルエンサーとして収入を得る若者も登場しています。
インフルエンサーに限らず、Z世代の人の多くはSNSで友達とのやり取りを楽しむのが当たり前になっているといえるでしょう。
2:ネットリテラシーを身につけている
インターネットの存在が日常生活で当たり前となっていく中で、ネットリテラシーも重要視されるようになってきました。ネットリテラシーについて学校の授業で習うZ世代は、ネット詐欺やプライバシーの問題などを理解している人が比較的多い世代ともいえます。
インターネット特有の文化やネットスラングなども駆使して、国内外のさまざまな人たちとの交流を楽しむ人もいます。
3:多様な物事の見方ができる
Z世代が育ってきた時代の社会情勢においては、グローバルであり多様性を尊重する社会が目指されています。これも、インターネットが関係している部分があるのかもしれません。インターネット上では、国や年齢、立場を超えてさまざまな人と交流することができるため、お互いの価値観を共有する機会が増えました。
これらの交流によって、Z世代の中には多様な物事の見方ができるようになった人も多いと考えられます。
4:「自立」を大切にする
多様性が尊重され、「自分らしさ」が注目されるようになったZ世代は、自立を意識している人が多い傾向も見られます。たとえば、親から「こうしなさい」「こういう職業につきなさい」と言われたとおりにするのではなく、「私はこうしたい」「自分はこんな人物になりたい」という自分の意思や個性を大切にしようとしている人が多いようです。
そういう意味で、精神的な自立を目指すのがZ世代の特徴と言えるでしょう。
5:現実主義
Z世代は、社会や社会問題への関心が強い傾向にあるようです。リーマンショックなど、不景気とともに成長してきた世代であるため、慎重で現実的な思考を重視しているともいわれています。
また、Z世代の働き方のポイントは「ワークライフバランス」。仕事だけでなく、プライベートの時間をしっかりと充実させることを大切にします。
6:タイムパフォーマンスの高さを重視する
「時間対効果」という言葉もZ世代の注目ワード。「タイムパフォーマンス」、略して「タイパ」といったりもします。限られた時間を、いかに有効活用できるかに重きを置いているZ世代が多いようです。
Z世代以外にはどんな世代がある?
Z世代以外のアルファベットを用いた世代の名称についても紹介します。これらも、もともとはアメリカを中心に使われはじめた言葉です。
X世代
「X世代」の年代の定義にも諸説あります。ここではふたつの説をご紹介します。
1:「1960年代から1980年代初頭までに生まれた世代」
2:「1965年から1980年代頃に生まれた世代」
アナログからデジタルへの移行期を経験している人も多いのではないでしょうか? テレビゲームなどが普及し、マンガや音楽などの娯楽が幅広くたくさん登場した時代でもあります。
参考:1・『デジタル大辞泉』(小学館)/2・『プログレッシブ ビジネス英語辞典』(小学館)
Y世代
これまで紹介してきた世代の線引きは曖昧であるため、Y世代とZ世代の時代が重複することもありますが、『デジタル大辞泉』によるとY世代は、「1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代」を指します。ポスト団塊ジュニア世代、ミレニアル世代など呼び名もさまざま。
また、ミレニアル世代の「ミレニアル」とは「千年紀」の意味で、2000年代に成人・社会人になった世代を指しています。
最後に
本記事では、Z世代とその周辺の世代について見てきました。世代を分ける上で、明確な定義やはっきりとした区分があるわけではないようです。また、世代の名称はあくまで傾向を示すものであり、当然のことながら実際には1人1人考え方や感覚は異なるということも忘れたくないところです。
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