「知見」ってどんな意味?
知見とは一体どのような意味を持つのでしょうか。ビジネスシーンにおいては、知見が非常に重要な役割を果たしています。知見とは、知識や経験を通じて得られた深い理解や洞察のことです。本章では、知見の意味とビジネスシーンにおけるその重要性について詳しく解説していきます。知見の意味を正しく理解して、日常で使っていきましょう。
■知見の意味
そもそも知見の意味は以下のとおりです。
1. 実際に見て知ること。また、見聞して得た知識。「—を広める」
2.見解。見識。「—を異にする」
3.(智見)仏語。事物に対する正しい認識。また、知識によって得た見解。正智見。
〈小学館 デジタル大辞泉より〉
つまり知見とは、自ら見聞きして得た情報を意味します。また見解のように、自身の知識を活かしたうえでの考えといった意味でも使われる言葉です。
■ビジネスシーンにおける知見
ビジネスシーンで使われる、知見を表す和製英語に「ナレッジ」という言葉があります。ナレッジは通常、知識などを指す言葉です。しかしビジネスの場では、事例や有用な情報、付加価値のある知識や経験などを含んで使われることがよくあります。
一般的な文章で表現された情報だけでなく、経験から得たスキルや技術などもナレッジと呼ばれます。つまりナレッジは、企業の成長や生産性の向上に貢献する重要な要素です。
知見の使い方
実際に、知見という言葉は、どのように使われるのでしょうか。基本的に知見は、単語一つで使われるケースは少なく、「知見がある(ない)」や「知見を広げる」「知見を深める」といった使い方をします。それぞれについて本章で解説していくので、ぜひ参考にしてください。
■知見がある・ない
知見がある状態は、既に経験や学習によって得た知識を備えていることを指します。また、物事に対する考えや意見を持つことも含まれます。例えば、「あの人は化学について知見がある」と表現できます。彼らは現場で経験を積み、明確な意見を持っています。
一方、知識自体や自身の経験に基づく知見を持っていない状態を「知見がない」と言います。例えば「その分野に対する知見がないため、今後学習する必要がある」というように使われます。
■知見を広げる
知見の使い方としては「知見を深める」というものもあります。具体的には、知識や経験を広範に獲得することを「知見を広げる」と言います。これは、新たな事柄を自らの視野に取り入れ、学び続ける様子のことです。
例えば「海外研修で得た知見により、視野を広げた」と表現できます。同様の意味合いで「知見を深める」とも言えますが、これについては次で解説します。
■知見を深める
「知見を深める」とは、特定の領域において専門的な知識や経験を獲得していくことを指します。対象に対してより詳細な理解を深め、知識を豊かにすることを意味します。他の表現としては、熟知や精通などが当てはまります。以下に具体的な例文を示しているので、参考にしてください。
・知見を深めるには、ある程度の時間が必要だ
・日々、知見を深める努力を怠らない
知見の類語と違い
知見には、いくつかの類義語があります。しかし詳しく意味をみていくと、知見とは少しニュアンスが違う点もあるのです。例えば、知見と知識との違いは、知識は学習や教育から得た情報であり、知見は実践や経験から得た実践的な知識と洞察であることです。このように知見の類語4つと、知見との違いを本章で解説していきます。
■「知識」との違い
「知識」とは、知っていることや理解していることを指します。一方で「知見」は「見て知った知識」を意味する言葉です。自分の経験だけでなく、本や他人からの情報も知識に含まれますが、「知見」は個人が実際に目にしたり経験した知識を指します。つまり「知見」は広範な「知識」の一部と言えるのです。
■「経験」との違い
「経験」とは、実際に行ったことやそこから得た知識や技術を指します。「知見」もまた、「経験から得た知識」を意味する類似した言葉です。使い方の違いとしては、「経験」は具体的な行為に関して使用されることが一般的であり、「知見」は獲得した知識について話す場合によく使われます。行為そのものを表す点で、両者には違いがあります。
■「見識」との違い
「見識」とは、物事の本質を見抜く能力や優れた判断力を指す言葉です。ただし、本質を理解した上で得られた考えも含まれます。一方、「知見」は単に「目で見て知った知識」を指しますが、「見識」は本質を見抜き、判断し、考えを導き出す能力を指します。「見識」はより専門的で、卓越した力を持っている場合に使用される言葉です。
■「ノウハウ」との違い
「ノウハウ」とは、特定の行動や作業に必要な知識や技能を指します。「知見」とは異なる類語ではありますが、どちらも「知識」を表す言葉です。「ノウハウ」は、他人に伝えることでそのやり方が理解できるような知識を指し、一般的には体系的にまとめられた形で伝えられます。一方「知見」は主に目で見て得た知識のことです。
知見の対義語
知見の対義語としては、「疎い」と「無知」が挙げられます。これらはいずれも、知識や経験の不足を表す言葉です。「疎い」とは、あまり知識や経験がないことであり、「無知」とは、まったく知識を持っていないことを指します。両者の単語について、本章で詳しく解説します。知見と合わせて、ぜひ覚えておきましょう。
■疎い
「疎い」とは、特定の事柄に対して知識や理解が不十分な状態を表します。深く理解しておらず、十分に精通していないことを指す言葉。また「疎い」は、親しくない関係や疎遠な存在を指す言葉でもあるのです。事柄に関しては知識が不足していることを指す一方、人に対しては心が遠ざかっているニュアンスが含まれる点で、違いがあります。
■無知
「無知」とは、知らないことや知識がほとんどない状態を指す言葉。ある程度の知識があると思われる事柄について知らなかったり、物事を理解して適切に処理する知恵がなかったりする場合に使用されます。基本的に無知という単語自体に、ネガティブな意味合いはありません。しかし「無知が招いた失態」といったネガティブな表現で用いられます。
「知見」を正しく使いこなそう!
「知見」という言葉について、解説しました。知見の使い方としては「知見がある(ない)」「知見を広げる」「知見を深める」などが挙げられます。また類義語には知識や見識などがありますが、意味は同じでもニュアンスに違いがあるため、注意しなければなりません。本記事の内容を参考にして、知見を正しく使っていきましょう。
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