「懸念」とは、気にして不安に思うこと
「懸念」とは、「けねん」と読み、物事を気にして不安に思うことを意味する言葉です。懸念の「懸」にはひきかかる、つり下げるという意味があり、「念」は心のなかで思っていることをあらわします。
心のなかで常にひっかかっていることから転じて、気にして不安に思うという意味で使われるようになったと推測できます。
気になっていることが心から離れない状態もあらわすため、執着の意味で使われることもありますが、不安を抱える状態に対して使うことが一般的です。
懸念の「懸」は「けん」と読むこともあるため、誤って「けんねん」と読まないように注意しましょう。
■主にビジネスシーンで使用する
懸念は、ビジネスシーンなどで使われることが多いです。頭に「ご」をつけて、「ご懸念されていると推察します」あるいは「ご懸念を抱かせてしまい申し訳ない」といったように、目上の人や上司に使うこともできます。
逆に、友人や同僚などに対して日常会話のなかで使用すると、場違いな印象を与える可能性が高いでしょう。
【例文付き】「懸念」の使い方
懸念は、動詞や名詞と組み合わせて使うことがほとんどです。懸念という言葉を実際にどのように使うのか、例文とあわせてご紹介していきます。
■動詞と組み合わせて使う
懸念は、「懸念する」のように、動詞と組み合わせて使うことが多いです。実際に使う際は、以下の例文を参考にしてください。
・その会社は将来性が懸念される
・事態の悪化を懸念する
・悪天候が懸念されるため、その地域イベントは延期が決まった
名詞と組み合わせて使う
懸念は、「懸念事項」や「懸念材料」など、名詞と組み合わせた使い方も一般的です。
・まずは現時点での懸念事項を洗い出しておく必要がある
・国内市場の懸念材料は、将来的に予測されるユーザー数の減少です
・ご懸念点などございましたら、ご連絡ください
「懸念」の類語と意味の違い
懸念には、似たような意味で使われる類語がいくつかあります。ここからは、懸念の類語である「懸案」「危惧」「心配」「杞憂」と、懸念との意味の違いを解説していきます。
■「懸案」と「懸念」の違い
懸案とは、以前から問題として挙げられているものの、解決されていない事柄を指す言葉です。「けあん」ではなく、「けんあん」と読むことに注意しましょう。
懸念が気にすることや不安に思うことをあらわすのに対し、懸案は、解決されておらず気がかりな事柄を指します。つまり懸念する具体的な事柄を、懸案と言い換えることが可能です。
■「危惧」と「懸念」の違い
危惧は「きぐ」と読み、悪い結果にならないか心配し恐れることを意味します。懸念も、まだ起きていないことを気にして不安に思うという意味で使いますが、危惧のほうが心配の内容が具体的で、やや深刻なニュアンスを含むといえるでしょう。
■「心配」と「懸念」の違い
心配も、懸念と同じように物事の先行きを気にするという意味で使う言葉です。ただし、「なんだか心配だ」というのに対し、「なんとなく懸念する」とはいわないことから、心配のほうが懸念よりも、漠然とした不安をあらわすことがわかります。
懸念は「〇〇が懸念事項だ」というように、ある程度、不安に感じる対象が具体的であることが特徴です。
また、懸念は経済や政情などの大きな事柄に対して使われることが多いのに対し、心配は身近な事項に対して使用する傾向にある点をおさえておくと、使い分けがしやすいでしょう。
■「杞憂」と「懸念」の違い
「杞憂」は「きゆう」と読み、しなくていい心配をすることや、取り越し苦労を意味する表現です。「杞憂に終わった」、というように使います。
懸念は、ある程度根拠のある心配をすることを意味するため、必要のない心配をすることをあらわす杞憂とは、ニュアンスが異なる点を意識して使い分けましょう。
「懸念」の対義語
懸念の対義語としては、以下の3つが挙げられます。それぞれの言葉の意味や、使い方をみていきましょう。
■安堵
「安堵」は「あんど」と読み、気がかりなことが解消されて、ほっとすることをあらわします。懸念は、これから起きるかもしれないことに対して、気にして不安に思うことを意味する言葉であるため、反対の意味で使われる言葉です。
「安堵する」「安堵の胸をなで下ろす」などと使います。
■確信
「確信」の読み方は「かくしん」で、固く信じて疑わないことを意味する言葉です。一切の疑いを持たず、完全に信じている状況で使います。
懸念は、これから起きるかもしれないことを気にしたり、不安に感じたりすることをあらわすため、反対の意味の言葉であることがわかるでしょう。
■放念
「放念」は「ほうねん」と読み、相手の行為に対して気にしないこと、心配しないことを意味します。放念の敬語表現である「ご放念ください」とは、気にしないでください、忘れてくださいといった意味で、ビジネスメールで使われることが多い言葉です。
相手への配慮を込めた表現であるため、覚えておくと役立つ場面があるかもしれません。
「懸念」の意味を知りビジネスで使いこなそう
懸念とは、これから起きるかもしれない物事を気にしたり、不安に思ったりすることを意味する言葉です。読み方は「けねん」です。「けんねん」と読んでしまうことがないように、気をつけてください。
ビジネスシーンで使用することが多く、頭に「ご」をつけ「ご懸念」とし、上司や目上の人に使うこともできます。動詞と組み合わせて「懸念する」というように使うほか、名詞とセットにして「懸念材料」「懸念事項」などと使いましょう。
類語には、「懸案」や「危惧」「心配」などが挙げられます。懸念とそれぞれの言葉の意味の違いを理解し、使い分けられると、表現の幅が広がります。懸念の意味を知り、ビジネスシーンでさりげなく使いこなしましょう。
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