年齢と反比例的に時間が早く感じる?
こんにちは。ブランディングコーチの大島文子です。6月末を迎え、今年もあと半分が過ぎ去ろうとしています。時の経つ速さについて、私だけではなく多くの人が同じように感じているようです。
「時間が過ぎるのが早い」という話が出ると、時より話題になる「ジャネーの法則」。
「ジャネーの法則」は、19世紀フランスの哲学者が発案した法則です。この法則によれば、時間の経過を主観的に感じる長さは、年齢によって異なるとされています。年少者ほど時間がゆっくりと感じられ、年長者ほど時間が速く感じられる傾向があります。例えば、50歳の人にとって1年は人生の50分の1に相当しますが、5歳の人にとっては5分の1に相当します。つまり、年齢が上がるほど単位時間が短く感じられ、同じ期間を過ごしても年長者にとってはより短く感じられるということです。
確かに一日はあっという間に過ぎるけど、5歳児の10倍の速さで過ぎているかは測れるものでもないですよね。色々と調べているうちに「時間学」研究者・千葉大学教授一川誠先生の著書『仕事の量も期日も変えられないけど、体感時間は変えられる』という本に出会いました。
時間を長く感じられる方法
この本によると私たちは物理的な時計によって計測できる時間とは別に、もう一つの時間「心理的な時間」を持っているそうです。この「心理的な時間」はさまざまな要因で伸びたり縮んだりする。たとえばスマホを見ていると時間があっという間に過ぎたり、退屈な会議が長く感じたり(深く同意!)そして大人になると子供のころより1年が早く感じるのも、この心理的な時間が原因のようです。
ではどうしたら時間を長く感じられるのか?大きく分けて2つのポイントがありました。
✔身体の代謝が高いとき
✔量が多いという情報があるとき(空間・明るさ・音・イベントなど)
身体の代謝が激しいときに「心理的な時計」は速く進み、速くなった心理的な時計の進み方に対して、物理的な時間は変わらずに進む為、時間が長く感じられるとのこと。
量が多いとは、空間や明るさ、音だけでなく、「体験する出来事の数」も含まれます。子どものころ通った道が今は狭く感じるように、オトナより身体的に広く感じる子どもの方が時間を長く感じることになり、音が大きく聴こてくることで情報量として時間の感じ方に影響するそう。そしてイベント=新しく体験する出来事、これは圧倒的に子どもたちの量が多いですよね。年を重ねると共に時間の経過を速く感じる理由には、これらのいくつかが複合的に関係していると考えられているそうです。
時間を大切に過ごす為にできること
振り返ってみると旅行で一日中歩き回った日はあっという間に思えてたくさんの記憶が残っていたり、運動した日は代謝が上がっていたからか、多くの案件を片付ける時間があったと感じたりします。
またイベントでは子どもたちの毎日が初めてのイベント尽くしであるように、私たちオトナもイベントを作ることで、時間を大切に出来るということ。
「夏野菜を食べる夕飯」とか「朝ごはんにホットケーキ焼く日」なんてイベント化することも時間を倍増させる(早送りさせない!)手立てです。量的といえば、広い空間に大音量で大勢の演者が煌めく舞台鑑賞はイベント×量の充実で効果的だと大納得。観劇回数がますます増えそうです。
誰もが限られた1日24時間を過ごす世界で、心理的な時間の充実を心がけるだけで毎日が楽しくなると思います。2023 年もあと半年。自分の時間そして家族の時間を大切に過ごしたいですね。
ブランディング コーチ
大島文子
ファッションや百貨店、化粧品、ライフスタイル雑貨などのブランディング支援、PRや販促を中心に活動している。6年前に(株)ブルーム&グローという会社を起業。
Oggi.jpにて連載していた「ブランディング仕事術」はこちら
あわせて読みたい