情弱とは
職場や同僚との話の中で「情弱」と言われたことに対して、どんな意味だろうと感じたことはありませんか。また、よくわからないまま「情弱だね」と言ってしまっているかもしれません。まずは「情弱」についての言葉の意味についてチェックしてみましょう。
情報感度が低い人の総称
情弱とは、印刷物やインターネット、音声コンテンツなど身近で情報を取り入れられる方法が少なく、また、調べたものもうまく活用できていない人を指します。「情報弱者」の略で、「情弱民」などと呼ばれることもあります。
情弱は、情報が取得しやすくなっている現代社会で、得られる情報の質や量に対して満足な機会を持たない人に使われる言葉です。
ただ、ネット上では、自己流の解釈で話したり、情報が合っていなかったりなど、正しく情報を使いこなせていない人を見下す際に利用されることも。相手に直接言うとネガティブな言葉として受け取られる可能性があるため、避けた方が無難です。
情弱を利用する場面
情弱はネガティブなニュアンスを含む言葉であり、会話の中では慎重に使用したいもの。情弱が使われるのはどのようなシーンでしょうか? 例文を見ていきましょう。
相手の知識がないことを揶揄する場面
相手の知識がないことを揶揄し馬鹿にする場面で「情弱」という言葉はよく使われます。よくインターネットの掲示板などで「情弱乙(おつ)」などの言葉も同様の使用例の一つです。
●例文1:そんなことも知らないなんて君は情弱だなぁ
また、情弱は情報を持たない人を指す場合があります。相手と自分の情報格差がありインターネットなどを調べれば直ちにわかるようなことを聞いてくる人に対して呆れる際も、情弱という言葉を使うケースがあります。
●例文2:こんな調べればすぐにわかることも質問してくるとは情弱だね
自分の知識のなさに対して卑下する場面
情弱は相手に対してのみ使える、というわけではありません。自身の知識のなさを卑下する場面でも「情弱」という言葉が使われます。
●例文:恥ではありますが、私はその分野に関して情弱なので
何かを聞かれて答えられなかったときなどに、「素人同然で」のような意味合いで使うケースも。
ただ、自分から「情弱です」とは使わないのがおすすめです。情弱は自分を下げるニュアンスがあり、話し相手から見下される可能性があるためです。
情弱の類義語と対義語
情弱の類義語と対義語を挙げて、意味を解説します。
【類義語】情報難民、情報(ネット)リテラシーが低い
類義語には「情報難民」や「情報(ネット)リテラシーが低い」といった言葉が見受けられます。「情報難民」は、日本で名の知れた学者の1人である内田樹氏が作った造語です。
【情報難民】
マスメディアに対して批判的で、インターネット上の情報は無批判に受け入れてしまう、情報リテラシーの低い人。マスメディアの言説を拒絶することで自分に批判力があると思い込み、インターネット上に流れる情報、特にマスメディアの言説に対しては否定的な情報については、その信憑性を吟味することなく受け入れてしまう。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
「情報難民」と呼んだのは、原子化されたせいで、自分が所有している情報を吟味する「公共的な言論の場」から切り離されてしまった人々のことである。
出典:情報リテラシーについて – 内田樹の研究室
情報難民は情報弱者を馬鹿にする表現ではなく、危機感を募らせるために作られた用語です。
「リテラシー」は、情報に対して自分がどのように受け止め行動するかを判断する能力のこと。情報リテラシーが低いのは、インターネットなどの媒体から発信する情報を活かせていないことを示唆しています。
【対義語】情強、情報(ネット)リテラシーが高い
情弱の対義語として上がるのが「情強」や「ネットリテラシーが高い」です。「情強」とは情報強者の略語であり、文字通り情報を集めることやそれを活用して生活を豊かにできる人のことを指します。
「ネットリテラシーが高い」は「情報リテラシーが低い」とは逆で、入ってきた情報を活かす能力に長けている人を指して使われます。
情弱にならないための心がけとは?
「情弱」は、お金を搾取されるなど不利な人生になることもあります。現代社会では普段から、情報に対して感度を高めておくことが必要です。情弱にならないために必要な心がけについて解説します。
信頼できるソースか確認する
情報が正しいかどうかを確認するのは、私生活はもちろんビジネスにおいても重要です。信頼できる情報かどうかを確認するには「発信元の確認」が必須です。
情報は官公庁や著者、企業等の本人発信である「一次情報」、ニュースなど一次ソースの情報を基に発信された「二次情報」、ソースがない「三次情報」の3種類に分かれており、信頼性の高い一次情報を元にすることが重要です。
さらに、一次情報の確認に加えて複数媒体の二次情報を比較検討すると、一次ソースのみではわからなかった背景や多角的な考え方を得られることがあります。ただし、二次ソースに関しては情報の公平性や正確性などを自ら調べて判断する癖をつけましょう。
職場の研修への参加や資格取得
情弱にならないためには、職場への研修の積極的な参加や、携わっている業務に関する資格取得なども検討しましょう。
一部の会社では社員のスキル向上のために研修を実施している場合があります。より知識を積み上げられるため、参加するのがおすすめです。また、情報に関する資格も国家・民間問わず存在します。知見を高めるためにも勉強して、試験に挑んでみるのも一つの手です。
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