「鬼電」とは?
電話は電話でも、「鬼電」とはどんな電話かわかりますか? 鬼という言葉が入ることから、なにやら恐い感じがしますね。本記事では、「鬼電」の意味や言葉の使い方、類語の表現などを紹介します。
「鬼電」の意味
「鬼電」とは、「相手が出るまで、何度もしつこく電話をかけること」です。そのまま「おにでん」と読みます。簡単に言うと「鬼のように電話をかける」ということですね。「鬼」がつくことからわかるように、程度が尋常ではないことを表しています。
「鬼電」の使い方を例文を用いて紹介
続いては、「鬼電」の具体的な使い方について紹介します。鬼電はどのような場面で行なわれるのかも、合わせて見ていきましょう。
1:「彼女はパートナーの浮気を疑い、夜中にひたすら鬼電をした」
パートナーに浮気の疑いがある場合、誰しも不安になるものです。中には、例文のように鬼電をしてしまいたくなる人もいるのではないでしょうか? しかし、鬼電をすると、相手のスマホに着信履歴が残ります。鬼電をする前に、一呼吸おきたいですね。
2:「もう鬼電にはうんざりだ。着信拒否したことで、かなりストレスが軽減された」
この例文は、相手からかかってくる鬼電に嫌気がさしていることを表した一文です。
このように、電話をかけられる側も「鬼電」を使って表現することができます。この場合は、「鬼電」という言葉にネガティブな含みが感じられますね。
3:「だめだってわかっていても、彼氏に鬼電しちゃうんだよね~」
会話のなかでも使うことができます。「鬼電」にはくだけた印象があるため、カジュアルな場面や気心が知れた相手に対して使うようにしましょう。ビジネスシーンなどのオフィシャルな場面にはそぐわない表現です。
4:「明日は絶対に朝7時に起きなければ、ライブの現場に間に合わないから、朝鬼電してくれない?」
むしろ、自分から「鬼電してほしい」と頼むケースもあります。これまで紹介してきた例文から分かるように、鬼電にはややネガティブなイメージがありますよね。ただし、必ずしもネガティブに使われるわけではありません。
例えば、この例文のように自力で朝起きる自信がない人は、友達から鬼電してもらい、その着信を目覚まし時計代わりにするのです。
いわゆるモーニングコールの現代バージョン。モーニングコール以外でも、例えば「何かあったら、私が気付くまで鬼電していいから」というようにあらかじめ断っておくパターンも。
何度も電話をかけるというのは、なかなか気が引ける行為です。しかし、このようにはじめに断ってもらえたら、鬼電する側も気が楽になりますね。
「鬼電」をビジネスシーンで言い換えるなら?
「鬼電」は、ビジネスシーンなどオフィシャルな場で使うには、カジュアルで違和感のある表現です。では、仕事で同じような意味を相手に伝えるには、どのような言い回しがいいのでしょうか? 一緒に考えてみましょう。
1:何度も電話する
例えば、取引先に「鬼電して大変申し訳ありません」と言うのは、ふさわしくありません。そんなときは、鬼電を「何度もお電話して」とシンプルに言い換えてみましょう。
さらに、「何度もお電話してしまい、大変申し訳ありません」など一言謝罪を付け加えると、丁寧な印象になります。
2:繰り返し(の)ご連絡
「繰り返し(の)ご連絡」も、鬼電の言い換えとして使うことができます。「繰り返しのご連絡となりますが…」や、「繰り返しご連絡してしまい、大変失礼いたしました」のような使い方が可能です。
3:度重なるお電話
「度重なる」と言い換えるのもおすすめです。「度重なる」には、「何度も」や「繰り返し」という意味があります。
例えば、「度重なるお電話、恐縮です」などと言い換えるのはいかがでしょうか? 「恐縮です」などの言葉を添えることで、相手に申し訳なく思う気持ちも伝えることができます。
電話に関する表現を紹介
ここからは、電話に関する表現を見ていきましょう。ビジネスシーンで使える表現と、親しい人との間で使える表現を紹介します。
1:架電
「架電」とは、「電話をかけること」。読み方は「かでん」で、電話をかける行為を丁寧にした表現です。主にビジネスシーンで使われます。
例えば、「先日架電した件について、改めてお話しさせていただきます」などといった使い方が可能です。
2:TEL
「TEL」は、「telphone(電話)」を省略した言葉。したがって、「TELする」は「電話をする」という意味で使うことができます。「テル」と読んで「今夜TEL(テル)するね~」、「TEL(テル)しよう」などというように、カジュアルな使い方が可能です。
3:コール
「コール」は、「呼ぶ」や「電話をする」という意味です。英語の「call」からきています。「必要なときはコールします」「遠慮なくコールしてね」というように使うことができますよ。
また、電話の呼び出し音は「ワンコール」、「ツーコール」と数えます。例えば、「上司は、ワンコール目で私の電話に出てくれた」などといった使い方が可能ですよ。
最後に
鬼電は、過度に電話をかけることだとわかりました。鬼電したくなるほど、不安な気持ちなどがあるのかもしれませんが、“過ぎたるは及ばざるが如し“とも言います。相手の気持ちも考えて、連絡するようにしたいですね。
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