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2024.02.17

【汚名返上】ってどんな意味? 正しい使い方や類義語、対義語を交えて解説【教員監修】

汚名返上とは、以前の失敗などで受けた不名誉を、自分の力で取り除くこと、という意味です。似たような言い回しがあり、知っているようで知らない言葉のひとつではないでしょうか? 当記事では汚名返上の意味や使い方、類義語、対義語を交えて解説します。

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汚名返上とは

「汚名返上」という言葉を耳にしたことがありますか? 「おめいへんじょう」と読みます。私たちの日常会話やメディアで頻繁に使用されるこの言葉には、実は深い歴史と意味が込められています。

汚名返上の語源

ここでいう「汚名」とは文字通り「汚れた名誉」を指し、「返上」は一度受けたものを返すこと。すなわち「名誉を回復する」ことを意味します。ただ単に名誉を回復すると言うことだけではなく、誤解や偏見に立ち向かい、自己の真価を証明する力強いプロセスを示唆しているのです。

武士が戦いで敗れた後、名誉を回復するために再び戦場に立つことなどが、汚名返上とされてきました。このような歴史的背景から、この言葉は「挫折や失敗からの再起」を象徴するようになったのです。

頑張る女性

(c)Adobe Stock

汚名返上の使い方

現代社会では、汚名返上という言葉は、日常生活や職場における個人の努力と成長の象徴となっています。特に、キャリアや人間関係において、何らかの誤解や偏見に直面した際、自分の行動と成果でそれを覆すことは、まさに汚名返上の精神を体現することです。以下に使い方の例文をあげます。

1:昨年の敗北から一転、今年のチャンピオンシップでの彼の勝利は、完璧な汚名返上だった。
2:不当な批判を受けた後、彼女の明確な説明と証拠の提示は、完全な汚名返上だった。
3:プロジェクト失敗後、新しい提案が大成功を収め、彼女は見事に汚名返上した。

このように、一般的には、挫折や誤解、失敗からの回復や名誉を回復する状況で用いられます。

汚名返上の類義語

汚名返上の類義語には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

失地回復(しっちかいふく)

失地回復とは、「失われた地位や評価を取り戻す」という意味元々、敗戦などによって失われた土地を取り戻すことを表す言葉でした。「汚名返上」と同様、失敗や挫折からの回復を意味しますが、特に失われた地位、権利、または状況を元に戻す際に使用されます。以下に例文をあげましょう。

1:彼は退職後、独立して新たな事業を立ち上げ、元のビジネス界での失地回復を果たした。
2:怪我から回復した後、彼は国際大会で優勝し、ランキングでの失地回復に成功した。
3:不当なスキャンダルに巻き込まれた彼は演技力で圧倒し、社会的な失地回復を遂げた。

名誉回復(めいよかいふく)

「名誉回復」とは、失われた名誉や尊厳、評判を取り戻すという意味で使われます。これは「汚名返上」と似ていますが、より具体的には名誉や社会的評価の回復に、重点を置いています。以下に例文をあげましょう。

1:彼は不正行為の嫌疑から無実が証明され、社会的な名誉回復を果たした。
2:長い間誤解されていたが、新たな研究によりその歴史的人物の名誉回復がなされた。
3:公開謝罪と法的措置を経て、彼女は個人としての名誉回復を達成した。

拳を合わせる男女

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名誉挽回(めいよばんかい)

名誉挽回とは、一度失われた名誉や良い評判、信用を取り戻すことを指します。これは「名誉回復」と似ていますが、「名誉挽回」は当事者が本人の名誉を取り戻すことに限って用いられますが、「名誉回復」は他人の名誉を元通りにすることにも用いられます。以下に例文をあげましょう。

1:大きな失敗から一年後、彼は新しい事業戦略で会社を成功に導き、名誉挽回に成功した。
2:誤った報道による名声の損失の後、彼女は訴訟を通じて自分の名誉挽回を図った。
3:前大会での敗退から立ち直り、今回の圧倒的な勝利で彼は完全に名誉挽回を果たした。

汚名挽回(おめいばんかい)は間違い?

「汚名挽回」は、「名誉挽回」と「汚名返上」が混同されてできた言葉だと言われているので、一般的に誤用とされています。「汚名」は「悪い評判」、「挽回」は「取り戻す」という意味なので、汚名挽回は「悪い評判を取り戻す」ということになってしまうので、間違っているという見方ができます。

一方で、「挽回」はそもそも「失ったものを取り戻すこと」という意味ですが、「元の良い状態を取り戻すために、巻き返しをはかること」という意味も載せている辞書もあります。後者の意味に照らせば、「悪い評判を払拭し、元の良い状態に戻す」という意味にもとれますので、必ずしも間違いではないのです。

汚名返上の対義語

汚名返上には、辞書的にそのものズバリの対義語はありませんが、反対の意味をもつ言葉を紹介します。

やる気を出す人

(c)Adobe Stock

名誉棄損(めいよきそん)

名誉棄損とは、他人の名誉や評判を傷つける行為や、他人の社会的評価を低下させることを意味します。「汚名返上」が名誉の回復を意味するのに対し、「名誉棄損」は名誉の損失や損害を与える行為を指します。以下に例文をあげましょう。

1:彼のSNSでの不当な投稿は彼女に大きなダメージを与え、明らかな名誉棄損となった。
2:新聞の誤報は、彼のキャリアに重大な影響を与え、名誉棄損で訴えられる結果となった。
3:彼女に関する根拠のない噂は、彼女のイメージに傷をつける名誉棄損となった。

失墜(しっつい)

失墜とは、信頼や評価、地位などが低下することを意味します。「汚名返上」が名誉の回復を意味するのに対し、「失墜」は名誉や評価の喪失を指します。以下に例文をあげましょう。

1:彼の繰り返される嘘により、彼は同僚たちの間での信頼を失墜させた。
2:不正な取引が発覚し、彼の社会的地位は急速に失墜した。
3:品質の低下が原因で、かつては高く評価されていたその製品の評判は失墜した。

最後に

汚名返上という言葉は、過去の失敗を乗り越え、新たな道を切り開くための強いメッセージを私たちに与えてくれます。この言葉を日々の生活やビジネスシーンで意識することで、私たちは常に前進し続ける力を得ることができるでしょう。

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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