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LIFESTYLE インタビュー

2024.03.12

近藤千尋さん「お受験のためにあれこれ考え抜いた時間のぶんだけ娘への愛が深まって。ともに奮闘してくれた夫にも愛情を感じました」

1日のもち時間は誰でも等しく24時間。時間の使い方から見えてくるその人のコアな部分にフォーカスする「女の時間割。」では働く女性の中の女・妻・母の3つの顔に迫ります!

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6歳と4歳の子どもをもつ近藤さんは、仕事も子育ても全方位全力投球で取り組むのがマイスタンス。そんな彼女が昨年後半さらに心を込めて取りくんだのは“お受験”に挑んだ長女のサポートでした。近藤さんはどのようなマインドでその時間にむきあったのか。「母時間」についてお聞きしました。

近藤さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜 
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜 ←この記事
スピンオフトーク

近藤千尋さん
モデル、タレント・34歳

近藤さんの「母」時間をClose up 10:00@Park
子どもたちと散歩に行くときは親子で“出合う景色”も楽しみながら

「今は子どもたちもYouTubeをすごくたくさん視聴する時代じゃないですか。でもせっかく外に出るならタブレットから目を離して外の景色を観察することで、好奇心や五感を刺激してあげられるんじゃないかなと思っています。散歩に行くときはゲーム感覚で“じゃあ、今から目に見えたものの名前を口に出しながらいくよ”というあそびをよくやります。電柱とか家とか何でもいいのですが、それだけでいつもの道にも新しい発見があるんです。たとえばお散歩中の小犬と出合ったら“あのワンちゃんかわいいね。男の子かな?女の子かな?”などと公園をハシゴしながら2時間くらいかけて、心も体も動かせながら楽しみます」

近藤千尋さん

「母」時間 近藤さんのとある休日

この連載では“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。近藤さんの「母」時間を紹介します。

7:00  起床、家族それぞれの希望の朝食メニューをつくる
7:30  朝食
8:30  洗濯ものをたたみ、アイロンがけ
10:00  子どもたちと散歩へ出発、公園をハシゴする
12:00  昼食後、帰宅
18:00  夕食準備
18:15  子どもたちに夕食を食べさせる
18:45  子どもたちと一緒に入浴
19:30  子どもたちを寝かしつけたら、翌日の準備や家事など
21:00  就寝

子どもの未来について夫婦で語り尽くせた“とてもいい時間”

朝は子どもたちを始め家族4人が“それぞれ食べたい朝ごはん”をいただくというユニークな太田家。気分やお腹と相談しながら“今食べたいもの”を自分で決めて近藤さんにリクエストする。

「うちはちょっと変わっていて、たとえばけさの朝ごはんは長女はお餅、次女はチョコサンド、私はピザトースト、ひーぼぉくん(夫のジャングルポケット太田博久さんの愛称)は納豆ご飯を食べました。バラバラですがどれも簡単なので、15分くらいでぱぱっと用意しています。でもみんな結局はほかの人が食べているものも気になってしまうので(笑)、“ちょっとひと口ちょうだい”と言ってお皿をぐるぐる回して朝からわいわいにぎやかにやっています」

朝食から会話が弾む仲良し一家の太田家は昨年末、長女のお受験という一大イベントを一致団結して乗り越えた。正解のわからない道なき道を切り開くような日々を経験して近藤さんが“お受験に踏み切ってみてよかった”と感じたこととは…。

「よかったことのひとつは、子どもの未来について夫婦でじっくり話し合う時間がもてたことですね。“この学校に行ってみたい”と、自分からお受験を希望した長女をサポートするために、願書に書くべき彼女の性格や興味関心がありそうなものについて、夫と晩酌しながら悩んだり話し合ったりした時間が思いのほか“いい時間”になったのです。子どもに将来どうなってほしいのか、なぜこの学校なのか、どうして行かせたいのか、この学校と子どもにどんな共通点があるから決めたのかということを真剣に考える中で見えてくるものがたくさんありました。

時間のやりくりが難しい状況でのお教室の送り迎えや、塾の先生のお話をお聞きする時間の確保は大変でしたが、私が難しいときには夫にも参加してもらいました。子どもが頑張る姿を夫婦それぞれが実際にまのあたりにすることで子どもを思う気持ちもとても大きくなりましたし、夫婦力もすごく培われました。ここは本当に頑張ってよかったなと思う点ですね。真剣に考え尽くした時間のぶんだけ学校への愛も深まって、娘への愛も深まって、私が願書を書くとき一生懸命寝ずに横で起きてくれていたひーぼぉくんにも愛情を感じました。願書って本当に夫婦ふたりでつくりあげるものなんですね。自分のことではこんな頑張れないなと思いました」

心がけていた“濃密で丁寧な日常”から長女が感じとってくれたもの

「いざ親子面接にのぞんだとき、校長先生に“本当に温かいご家庭なんですね”とおっしゃっていただけて。社交辞令かもしれないですが、その言葉をとてもうれしくお聞きしたんです。“これはもう、落ちても受かってもどちらでもいい!”と思ってしまったほど。まったくの初対面の方にそんなふうに見ていただけるってすごく幸せなことじゃないですか。“頑張りましたね”と言われた気分になりましたね。

長女自身も頑張りました。その中のひとつは“人の話をちゃんと聞く”こと。超初歩的なことですが小学校受験には大切なことだと考えていたので、ふだんから“人の話を聞かないって、相手にめちゃくちゃ失礼だよ”と言って聞かせていました。たとえば“相手の目を見てしゃべる子と、よそみしながら話す子、どちらとしゃべりたい? 絶対相手の目を見たほうが、うれしい気持ちも、悲しい気持ちも、嫌な気持ちも全部伝わるから。ちゃんと相手の目を見てね”と話すうちに、人の気持ちを考えて行動することの大切さもわかってくれたのかなと思います。

ひとつ印象的だったことがありました。お受験期間は決してまったく辛くなかったとはとても言えない日々だったのですが、それでも彼女がお受験の準備を楽しんでいたことです。問題が解けるようになって点数が上がるたびに、“見てこれ!”とうれしそうで、私も“ねえ、これ天才だよ〜!”とめちゃくちゃオーバーにほめていたんです。 間違っても“もう、なんでこんなのができないの”という言葉だけは絶対に口にしないようにしていました。“私は親バカになる。絶対けなしちゃダメ”と心に決めて。

準備が進むにつれて、そんな長女を全力で支えてあげたい私の気持ちも高まってゆき、親子面接の前にお家でゆっくりリラックスできる時間をつくってあげたいと、一緒にパンづくりをしたことがあったんですよ。長女はパンが大好きなので、ホームベーカリーでウインナーパンとかハート型のパンをつくったのですが、彼女はそれがすごく楽しかったみたいで。面接で「おうちではお母さんとよく何をしていますか?」と聞かれたときにごく自然に、「パンをつくっています」と答えたんですね。毎日子どもたちと一緒にいる時間をできるだけ濃密に丁寧に過ごすように心がけていたのですが、それが校長先生のお言葉につながったのかもしれないなと思っています。

振り返ればお受験の日々は本当に過酷で大変でしたけれど、でもいちばん大変だったことはなんでしたか?と聞かれても何も思い出せないんですよ。なんだろう、出産と一緒かもしれません。 妊娠中はすごく大変ですが、いざ生まれてきてくれた瞬間からパッと幸せな気持ちになるような。私にとってはお受験もそんな感じで、長女の制服姿にほっこり癒されました。長女はものづくりが大好きで、ダンボールでパソコンをつくったりするのが好きな子なんです。小学校では彼女の個性を発揮しながら、好きなことを自由に楽しむ6年間を過ごしてほしいですね」

近藤千尋さん

娘たちが将来“ひとりの女性である自分を諦めなくてもいい世の中”を願って

「最近、子どもたちが“いつかママみたいになりたい!”と言ってくれることがあるんですよ。私自身仕事をしている自分が大好きですし、ママが楽しそうに仕事しているのがちゃんと伝わっているんだと思うと、その言葉がなおさらうれしく感じられます。何か今の子どもたちって、仕事や働くことに対してあまりいいイメージをもてていない子どもが多いような印象があるので。

これからは女性もバリバリ働く社会になっていくんだよということを娘たちにもわかってほしいですし、本人が希望するならひとりの女性である自分を諦めずに結婚後も胸を張って仕事をしてほしいなと思っているのです。必ずしもママだけが頑張らなくてもいいように、お父さんとお母さんが平等に育児に参加してもらえる世界になってくれたらと願っていますし、そのためにはシッターさんや自分の母親に頼ることがあってもいいと思いますし、友人などの周囲を巻き込む“巻き込み育児”も素敵だなと思うんです。次世代の子どもたちにとって何かしらのロールモデルとなるような女性に、いつか自分もなれたらな…と思っていたりします。

とはいえ、もちろん忙しさのあまりについイライラしてしまうときや、めっちゃ怒ってしまうダメなときもたくさんあります。でもそうなったらなるべくすぐに切り換えるようにしているんです。ママが笑顔でいられる家庭って旦那さんや子どもたちともいい関係を築くことができることに、つい最近気づいたからです。太田家では寝る前に“今日ママ怒りすぎちゃってごめんね”と謝ると、長女も“ママ、私も今日ごめんね”と誤ってきたり、次女がお姉ちゃんに“リモコン取っちゃってやだったよね”とごめんねの連鎖が始まって、みんなちゃんと反省してから寝るみたいなかわいいサイクルができているのはうれしいことです。

これから娘たちふたりがさらに成長していくにつれて、徐々に自主性を尊重してあげなければならないときがいつか来るだろうなと考えていますし、でももちろん求められたらいつでもちゃんと助けて支えてあげられるように見守りたいとも思っています。なんでも言い合えるような友達のような関係性をずっと続けていけたらいいですね」


〈取材現場より〉
お受験の日まで日常をできるだけ丁寧にすごすように頑張ってきた近藤さんとご家族たち。それはたとえるなら、教科書の何ページから何ページまでの勉強をわかるまで手取り足取り教えてあげるのとはまた別の大変さに満ちていることが伝わってくるようなお話でした。次回スピンオフでは、近藤さんによる自己分析をお届けしますのでお楽しみに。

Profile

近藤千尋

こんどう・ちひろ/1989年、岡山県生まれ。モデル・タレントとして、Domaniをはじめとする多数の雑誌・メディアで活躍。SNS総フォロワー数は360万人超。大学時代にスカウトを受け、モデルになる。雑誌『S Cawaii!』の専属モデル時代にカリスマモデルとして注目を集め、テレビや映画にも出演して活躍の場を広げる。25歳でお笑い芸人ジャングルポケット太田博久さんと結婚。27歳で長女、29歳で次女を出産。2020年に東京都の結婚支援ポータルサイトにて夫婦で「TOKYOふたりサポーター」に就任する。2021年からはライフアイデア発見バラエティ『ラヴィット!』(TBS系)の金曜レギュラーとして夫婦で出演中。現在はファッション誌からママ雑誌まで幅広く活躍し、商品の企画開発プロデュースなども手がける。“ちぴ”の愛称で親しまれている。
Instagram: @chipichan.1215
YouTube:近藤千尋のちぴちゅーぶ

撮影/眞板由起 スタイリスト/渡辺智佳 ヘア&メーク/神戸春美 構成/谷畑まゆみ

カーディガン¥49,500(マルティニーク ルミネ横浜<レリタージュ マルティニーク>) Tシャツ¥16,500(サードマガジン<FLAN>) デニムパンツ¥20,900(ゲストリスト<アッパーハイツ>) 帽子¥5,280(マイカ アンド ディール 恵比寿店<マイカ アンド ディール>) ピアス¥22,000(ロードス<クジャク>) ネックレス¥74,800(マリハ) バッグ¥37,400(メアリ オル ターナ) 靴¥38,500(ティースクエア プレスルーム<デイト>))

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