「表題」に話の内容を揃える
「表題の件につきまして」を使用する際は、後に続く内容を「表題」に揃えるのが基本です。例えば、表題が「会議の日程」であれば、日時に関する記述が必要になります。
これは、メールに「表題」を付ける際にも気を付けたいポイントです。「表題」があやふやだと、「表題の件」としたときに内容が端的に伝わりません。
具体的には「プロジェクトの日程について」「〇月分請求書」のように表題を具体化するのがおすすめです。何について伝えたいのか、相談したいのかを明確にすることで「表題の件」を使った際も内容がスムーズに伝わります。
「表題の件」は便利な表現ですが、使い方を間違えることでかえって意味が曖昧になってしまわないように気を付けましょう。
TPOにあわせて使用する
「表題の件につきまして」は、すべてのシーンに適しているわけではないため注意が必要です。
「表題の件」とまとめられると、受け取った側は表題について改めて確認しなくてはいけません。人によっては、これを「不親切」だと受け取るケースもあります。
「表題の件につきまして」は、ビジネス上では目上の人にも使える表現です。ただし、場合によっては上記の理由から失礼な印象を与えかねません。
判断に迷うときは社内の人に相談するか、「表題の件」を使わずに伝える方法を検討しましょう。
「表題」の類語や言い換え表現
「表題」には、いくつかの類語や言い換え表現があります。似た意味の語句を知っておくと、言葉の幅が広がりメールや文書を作成する際に便利です。
ここでは、表現の類語や言い換え表現にあたる「題名」と「肩書」についてご紹介します。具体的な意味とともに、それぞれの使用例も確認しておきましょう。
題名
「題名」は、書物や作品に付けられる標題のことです。標題は「表題」と同じ意味合いを持ちます。そのため、「題名」と「表題」はとても似た関係にある言葉です。
「題名」が付けられる作品には、芸術活動によるものを中心にさまざまな制作物が該当します。ビジネスだけでなく、日常生活でも目にする機会の多い言葉といえるでしょう。主な使用例は以下のとおりです。
・先月鑑賞した映画の題名が思い出せない。
・題名を目にしてからずっと気になっていた作品です。
・彼の作品は、内容はもちろん題名のセンスも素晴らしい。
・読者を惹きつけられるような、インパクトのある題名を考えている。
肩書
「肩書(かたがき)」とは、その人を特徴づける社会的な地位、称号などのことです。また、名刺や印刷物を制作する際、氏名に官位や職名を添える行為そのものを意味します。
さらに、「肩書」には前科や悪名などの意味合いもあります。身分や資格などを表す称号とともに、ネガティブな要素を持ち合わせていることも覚えておきましょう。
・プロフィールを紹介するにあたり、肩書を教えてください。
・彼には取締役社長という肩書がある。
・専任の肩書を名乗るだけの実力を持ち合わせている。
・肩書だけでは人を判断できない。
「表題」や「表題の件」をビジネスで正しく活用しよう
「表題」は、ビジネスメールで用いることの多い表現です。「表題の件」とすることで、物事をより端的に伝えられます。
「標題」と同じ意味合いをもつものの、ビジネスでは「表題」を使うのが一般的です。場合によっては不親切な印象を与えてしまうため、使用時はTPOを判断する必要があります。正しい意味や例文などをもとに、「表題」や「表題の件」を正しく活用していきましょう。
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