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2025.03.02

プロパーとは。基本的な意味と業界ごとに異なる意味を解説

ビジネスパーソンとして働いていると、どこかのシーンで「プロパー」という言葉を耳にした経験があるはずです。この片仮名語はビジネスシーンで頻繁に使われるので、社会人なら意味や使い方を知っておいた方がよいでしょう。プロパーの意味や関連語を解説します。

プロパーとは

ビジネスシーンで使われる片仮名語をボキャブラリーの中に加えるには、対象となる言葉が持つ正しい意味を理解している必要があります。ぼんやりとした理解のままに使用するのは危険です。プロパーの意味と語源を解説します。

PC作業

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「正規の」という意味

プロパーは基本的に「正規の」「本来の」や「正しいもの」「特有のもの」などの意味を持つ言葉です。「プロパー社員」をはじめ、「プロパー製品」「プロパー融資」「プロパーカード」など、「プロパー〇〇」の形で使われるのが一般的です。このような言い回しを使うことで、「〇〇」に当てはまる言葉の特徴を言い表すことができます。

プロパー(proper)
[名・形動]
1 固有であること。特に、その方面に専門であること。また、そのさま。「数学プロパーの問題」「人事部門のプロパー」
2 得意先を回って、自社製品の宣伝・売り込みを行う販売員。「製薬メーカーのプロパー」
3 服飾・流通業界で、正札しょうふだであること。値引きしない商品。正価。「プロパーの値段で買う」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

プロパーはビジネスシーンで使われることが多い言葉です。所属する業界によって意味合いが変わるため、使うときには注意が必要です。相手が自分と同じ認識を持っているかどうか、よく見極めてから使う必要があるといえるでしょう。

語源は英語の「proper」

プロパーの語源は英語の「proper」です。「proper」は「適した」「正しい」「本物の」などの意味を持つ形容詞です。「proper」を使った例文には下記のようなものがあります。

・proper behavior:礼儀正しい態度
・proper grammar:適切な文法
・proper language:正しい言葉遣い

英語の「proper」の語源は、ラテン語「proprius」といわれています。「proprius」は「自分の」「特有の」「独自の」などの意味を持つ言葉でした。「proprius」が古フランス語の「propre(適切な)」となり、現代英語の「proper」になったといわれています。

「プロパー社員」3つの意味

ビジネスシーンでよく使われるのが「プロパー社員」という言い回しです。しかしこの言葉は、使われる企業によって微妙に意味合いが異なるため、注意が必要です。「プロパー社員」が持つ意味を解説します。

社員

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「プロパー社員」3つの意味
  1. 新卒入社した社員
  2. 正社員
  3. 自社雇用の社員

新卒入社した社員

ビジネスシーンでは、一般的に新卒で会社に入った社員を「プロパー社員」と呼びます。

古くから日本で採用されている終身雇用制度・年功序列制度では、新卒入社の社員と中途採用(経験者採用)の社員とで、待遇の差ができやすい環境がありました。その企業で長く働いてきた新卒入社の社員の方が、昇給や昇進を着実に積み上げている分、高待遇になりやすかったのです。

このような実情を受け、新卒入社の社員と中途採用の社員とを区別するために生まれたのが、「プロパー社員」という言い回しでした。「新卒入社の社員」の意味合いで使われるプロパー社員の対義語は、「中途採用の社員」です。

正社員

派遣社員や契約社員に代表されるような非正規雇用の社員がたくさん活躍している企業では、正社員を「プロパー社員」と呼ぶ場合があります。「正社員」の意味合いで使われる「プロパー社員」は、その人が新卒入社か中途採用かに関係なく使われます。

このような使われ方において、プロパー社員とプロパー以外の社員の違いは「雇用される期間」です。プロパー社員は「無期雇用」で雇用期間に定めはありませんが、プロパー以外の社員は「有期雇用」で雇用期間が決まっています。

両者の社員は待遇も異なります。プロパー社員は給与や福利厚生の面で高待遇ですが、プロパー以外の社員は待遇が制限されている場合がほとんどです。

自社雇用の社員

自社で雇っている社員と協力会社やグループ会社から来ている社員とを区別する目的で、自社雇用の社員を「プロパー社員」と呼ぶ場合もあります。

「自社雇用の社員」という意味合いで使われる「プロパー社員」には、さまざまな人が含まれます。中途採用の社員はもちろん、自社雇用であれば契約社員やパート社員も「プロパー社員」に含まれるのです。

この意味において、プロパー社員とプロパー以外の社員の違いは「決定権を持っているかどうか」にあります。業務に関する決定権は、プロパー社員が担うケースが多いといえるでしょう。

業界ごとに異なるプロパーの意味

プロパーという言葉は、さまざまな言葉と一緒に用いて「プロパー〇〇」という形でいろいろな業界で使われています。各業界で用いられる「プロパー〇〇」を知ることで、その業界の実像を垣間見ることが可能です。さまざまな業界で活用されている「プロパー〇〇」を紹介します。

辞書

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業界ごとに異なるプロパーの意味
  1. 流通業界
  2. 金融業界
  3. 学術業界
  4. 信販業界

流通業界

流通業界ではよく「プロパー商品」という言葉が使われます。「プロパー商品」は、同じ流通業界でもさまざまな意味合いを持つ言葉として使われるため、注意しましょう。

表現できる意味合いの一つが「正規ルートで仕入れが行われた商品」です。公式ショップや公式ネットショップなどで販売されている商品を指します。

また企業によっては、「そのブランドが独自で作ったオリジナル商品」を表すこともあれば、「値引きされていない定番商品」を指す場合もあります。「値引きされていない商品」の意味で使われるときには、「プロパー価格」と表現することも可能です。

金融業界

金融業界で活用されているのが「プロパー融資」という言葉です。

プロパー融資とは銀行から直接行われる融資を指します。「信用保証協会の保証が付いた融資」の対義語として用いられる言葉です。プロパー融資においては、銀行から直接借り入れを行い、返済するときも直接銀行に対して行います。もし返済できなかったときは、銀行がダメージを受ける仕組みです。

一方信用保証協会の保証付き融資では、貸し倒れが起こったときに信用保証協会が残債の一部を銀行に支払います。借り入れを行った企業は、信用保証協会に対して返済を続けることになります。

学術業界

学術業界においては、「〇〇学プロパー」の形で使うのが一般的です。例えば「天文学プロパー」という表現を使えば、「天文学を専攻している人」や「天文学本来の」などの意味合いを表すことが可能です。

「〇〇学プロパー」という言い回しは、使う場面によって意味が微妙に異なります。人に対して使うと、相手が教授や研究員だった場合には「〇〇学の専門家」を、大学生だった場合には「〇〇学専攻の人」を表すことができます。

また出来事に対して「〇〇学プロパーの課題だ」というように表現すると、「〇〇学が抱える独自の課題である」との意味合いを表すことが可能です。

信販業界

信販業界では、国際ブランドが発行するクレジットカードのことを「プロパーカード」と呼びます。5大国際ブランド(JCB・Visa・Mastercard・American Express・Diners Club)のうち、JCB・American Express・Diners Clubが発行しているカードのことです。なおVisaとMastercardではプロパーカードを作っていません。

プロパーカードの対義語となるのが、パートナー企業が発行する「提携カード」です。両者の違いはステータス性にあります。プロパーカードは提携カードよりもステータス性が高い傾向があります。提携カードのステータス性は、提携先の企業によってまちまちです。

プロパーという言葉はさまざまな業界で使われている

ビジネスのイメージ

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プロパーという言葉を理解するには、この片仮名語が単体で持っている意味を知るだけでは不十分といえます。「プロパー社員」や「プロパー融資」など、ビジネスシーンで実際に使われている言葉の意味を理解できて初めて、「プロパーという言葉を知った」といえます。関連語をたくさん知って、確かなボキャブラリーを手に入れましょう。

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