文化や考え方が異なるため
日本人がサードプレイスを持ちにくい理由の一つに、文化や考え方の違いが挙げられます。日本では、仕事と家庭の二極化が進んでおり、第三の居場所を持つ習慣がまだまだ根付いていないといえるようです。
欧米のようにカフェでゆっくり過ごしたり、コミュニティ活動に参加したりする習慣がまだ少ない傾向にあることも、サードプレイスの形成を難しくしているのかもしれません。
日本特有の空気を読む文化や、他人の目を気にする傾向なども、気軽に新しい場所や人間関係に飛び込むことを躊躇させる要因だと考えられています。
費用がかかることがあるため
サードプレイスを持つことの障壁として、費用の問題が挙げられます。自宅や職場以外で時間を過ごすには、カフェでの飲食代やコワーキングスペースの利用料など、継続的な支出が必要です。
また、趣味のサークルや習い事に参加する場合も、入会金や月謝が発生することがあります。特に若い世代や収入が限られている人々にとって、経済的な事情は無視できない問題です。
金銭面が問題の場合、公共図書館や公園など、無料で利用できる場所をうまく活用すれば、費用を抑えながら自分に合ったサードプレイスを見つけられるかもしれません。
サードプレイスを持つメリット
今の生活に満足している人の中には、サードプレイスの必要性を感じない人もいるかもしれません。
自宅や職場以外に居場所があることは、心身のメンテナンスや人間関係の構築によい効果をもたらすとされています。サードプレイスを持つメリットを、具体的に紹介します。

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リラックス・リフレッシュできる
利害関係が存在しないサードプレイスは、心身をリラックスさせる重要な役割を果たします。日々の仕事や家事に追われる中で、ストレスを解消し自分自身を取り戻す場所として機能するのです。
たとえば、お気に入りのカフェでゆったりとコーヒーを飲みながら読書をする時間は、心を落ち着かせ、新たな活力を与えてくれるでしょう。趣味の教室や地域のコミュニティ活動に参加すれば、日常の緊張から解放され、心地よい時間を過ごせるはずです。
サードプレイスでのリラックスタイムは、現代社会を生きる人々にとって、心の安らぎを得る貴重な機会となっているのです。
新しいアイデアを得られることも
サードプレイスは、新しいアイデアを生み出す源泉にもなり得ます。日常とは異なる環境に身を置くことで、固定観念から解放され柔軟な思考を持てるでしょう。
たとえば、カフェでの雑談が思わぬビジネスアイデアにつながったり、図書館での偶然の本との出会いが新たな発想を生んだりすることも。
また、多様な背景を持つ人々との交流は、異なる視点や知識を得る機会となり、創造性を刺激するでしょう。
サードプレイスは、仕事や生活に行き詰まりを感じたときの気分転換だけでなく、新たな発見や成長の場としても機能する可能性があるのです。
新しい人間関係ができる
サードプレイスは、新しい人間関係を築く貴重な機会につながります。自宅や職場とは異なる環境で、共通の興味や目的を持つ人々と出会えるところがメリットです。
たとえば、カフェで常連同士が自然に会話を交わしたり、コミュニティ活動を通じて地域の人々と関係を深めたりすることに期待ができます。気軽な人間関係は、日常生活のストレス解消に効果を発揮することもあるでしょう。
また、年齢や職業を超えた人々との出会いは、新鮮な刺激をもたらし、自己成長につながります。サードプレイスでの交流は、多様な価値観や経験に触れる機会となり、視野を広げる可能性があるのです。
自分のサードプレイスを見つける方法
サードプレイスが欲しくても、どのように見つけたらよいのか迷うこともあるかもしれません。理想的な場所を見つけるべく、日常生活の中で気軽に実践できる方法を紹介します。

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インターネット・SNSを活用する
インターネットやSNSは、現代のサードプレイスを探す強力なツールといえます。オンラインのコミュニティやフォーラムは、共通の興味を持つ人々が集まる場所です。
たとえば、趣味や関心事に関連するSNS上のグループに参加すれば、新しい交流の場を見つけられるでしょう。また、地元のイベントや集まりを探すことも可能です。
オンラインでの活動が、オフラインの交流につながるケースも。バーチャル空間での交流が現実世界でのつながりを補完し、新たな人間関係を築くきっかけになるかもしれません。
仕事帰りに寄り道をしてみる
仕事帰りの寄り道は、サードプレイスを見つける絶好の機会です。普段通らない道を歩いてみたり、気になっていたお店に立ち寄ったりすると、新たな発見があるかもしれません。
たとえば、静かな書店や落ち着いた雰囲気のバーなどは、サードプレイスになる可能性があります。また、仕事帰りのヨガ教室や、地域のコミュニティセンターでの活動に参加してみるのもよい方法です。
重要なのは、自分が心地よく感じる場所を見つけること。少しずつ探索範囲を広げていき、自分に合う場所を探してみましょう。
自分の興味・好きなことから見つける
自分の興味や好きなことも、理想のサードプレイスを見つけるヒントに。たとえば読書が趣味なら、静かな図書館や落ち着いて本を読めるカフェがお気に入りの場所になるかもしれません。
スポーツ好きなら、地域のスポーツクラブやジムなどもおすすめです。また、料理が好きな人は、料理教室や食事会イベントに参加すると、新たな交流の場を見つけられるでしょう。
うまく探すコツは、自分が楽しめる活動や環境を意識することです。そうすれば、自然とその場所に足を運びたくなり、長続きするサードプレイスとなるかもしれません。
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