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2025.02.10

サテライトオフィスとは?テレワークとの違いやメリット・デメリットを解説

働き方の多様化が進む中、サテライトオフィスやテレワークという言葉をよく耳にするようになりました。両者には似ている部分もある一方で、違いもあります。本記事では、サテライトオフィスの性質や種類、メリットとデメリットについて解説します。

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サテライトオフィスとは?

サテライトオフィスとテレワーク・リモートワークは、どちらも柔軟な働き方を実現する手段です。サテライトオフィスの特徴や、テレワーク・リモートワークとの違いを解説します。

企業本社から離れた場所にあるオフィス

サテライトオフィスとは、企業が開設する業務スペースの一種で、業務の本拠地とは別につくられたオフィスのこと。従業員が柔軟な働き方を実現できるように、必要最低限の仕事環境を提供する場所です。

企業が独自に設置する自社専用型と、複数の企業が共同で利用するシェアオフィスやコワーキングスペースなどの共用型に分けられます。

サテライト‐オフィス【satellite office】 
本社から離れた場所に設置される小規模のオフィス。本社とは、パソコンやインターネットなどの情報通信技術を活用して連携する。職住近接などを目的とする。
小学館『デジタル大辞泉』より引用

支社や事業所との大きな違いは、サテライトオフィスが組織としての機能を持たないことです。支社は業務遂行のための組織ですが、サテライトオフィスは業務用スペースにすぎません。

テレワーク・リモートワークとの違い

テレワークは「情報通信技術(ICT))を活用した、時間・場所にとらわれない働き方」を指します。テレワークには、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィスが含まれます。一方、リモートワークは、遠隔地で働く形態全般を指し、テレワークよりも広い概念です。

サテライトオフィスはテレワークの一種ですが、企業が管理する専用のスペースであるという点で、自宅やカフェスペースでの作業とは区別されます。自社専用のスペースであればセキュリティ面に優れ、機密情報を扱う業務にも適しています。

つまりは、テレワークやリモートワークの利点を生かしつつ、より安全に管理された環境で働ける方法なのです。

サテライトオフィスが注目されている理由

サテライトオフィスが注目される背景にあるのは、社会構造と企業のニーズの変化です。

少子高齢化による労働力不足や働き方改革の推進により、企業は柔軟な労働環境を求められるようになりました。サテライトオフィスを導入すれば働く環境に幅ができ、従業員は自分に合った働き方を選べるようになります。

さらにネットワーク技術の発展により、遠隔地でも本社と変わらない業務環境を整備できるようになったことも、サテライトオフィスの普及を後押ししています。

サテライトオフィスは大別すると3種類

日本各地のオフィスで働く人々を描いたイラスト

(c)Adobe Stock

サテライトオフィスはどの場所に開設するかで、都市型・地方型・郊外型に分けられます。それぞれのタイプがどう違うのか、目的や効果を紹介します。

都市型のサテライトオフィス

都市型は、地方に本社のある会社が都市部の拠点として開設することが多いタイプです。あるいは、都市部に本社があっても業務効率化を狙って、営業先近くに別のオフィスを持つケースもあります。

このタイプのサテライトオフィスは、地方企業の都市部での事業展開を促進します。大手顧客にアプローチしやすくなるほか、都市部の人材を採用し地方本社とのブリッジ役として活用することも可能です。

都市部の情報や人脈を取り込みつつ、地方の強みを生かすビジネスモデルの構築に貢献します。

地方型のサテライトオフィス

地方型は、主に都市部に本社のある会社が活用するタイプです。都市部では得られない豊かな自然に囲まれたサテライトオフィスは、社員のストレス軽減やクリエイティビティの向上につながります。

また、地方の低コストな土地や建物を利用することで、企業の経費削減も期待できます。新たな人材獲得や事業拡大の機会をもたらすだけでなく、地方の雇用創出にもつながるでしょう。

郊外型のサテライトオフィス

郊外型のサテライトオフィスは、主にベッドタウンや郊外の住宅地に設置され、近隣に住む従業員の通勤時間削減や育児・介護との両立支援を目的としたタイプです。

働きやすい環境の整備は、優秀な人材の獲得や離職率低下につながります。また、従業員の通勤時間が短くなれば、その分を生活や家族と過ごす時間に使えるため、ワークライフバランスの改善にもなります。

サテライトオフィスのメリット

熱をだした赤ちゃんを抱く保育士と迎えに来たスーツ姿の母親の写真

(c)Adobe Stock

サテライトオフィスは単なる遠隔スペースというだけではありません。業務・生産性の向上や人材確保など、企業にとって重要な効果があります。どのようなメリットがあるかを詳しく見ていきます。

業務・生産性の向上

サテライトオフィスは、企業の業務・生産性向上にも役立つものです。距離のある営業先や従業員の住居近くにオフィスを設置すれば、仕事に必要な移動時間が大幅に短くなります。

長時間通勤などによる従業員の疲労が軽減され、心身ともにリフレッシュした状態で業務に臨めるため、職場の生産性も自然とアップするのです。

また、通勤距離の短縮によって、手当などのコスト削減も可能です。企業は、この削減された費用をほかの分野に投資できるため、さらなる生産性向上の機会が生まれます。

人材確保につながる

人材確保の観点からもメリットがあります。地方にサテライトオフィスを設置することは、都市部以外に住む優秀な人材を獲得できる可能性を広げるためです。

また、育児や介護中の従業員にとって自宅近くのオフィスは、急な事態にも対応しやすい環境となり得ます。

上記のようにサテライトオフィスは、優秀な人材の獲得や離職防止にもつながり、企業にとって大きなメリットのある施設です。地方での雇用創出によって地域経済の活性化にも貢献できれば、企業イメージもアップします。

条件が合えば支援制度を活用できる

サテライトオフィスの導入にあたって、企業が活用できる支援制度があるため、条件がそろえば低コストでの運営も可能です。

厚生労働省の「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」は、サテライトオフィスを含めたテレワークを導入・拡大しようとしている中小企業を支援する内容です。テレワークに必要な通信機器・外部コンサルティング・研修などの費用が助成対象となります。

ほかにも、総務省の「おためしサテライトオフィス」など、地方自治体の活性化を目的とした支援制度や補助金があります。うまく利用すれば、導入・拡大コストを抑えることが可能です。

参照:
人材確保等支援助成金(テレワークコース)|厚生労働省
おためしサテライトオフィス|総務省

サテライトオフィスのデメリット

夜遅くの仕事場、ノートパソコンの前でつらそうに目頭を押さえる女性の写真

(c)Adobe Stock

何事にもメリットがあればデメリットもあります。問題対策のためにも、コミュニケーション不足や社員管理といったサテライトオフィスのデメリットを把握しておきましょう。

サテライトオフィスのデメリットは?
  1. コミュニケーション不足
  2. 社員の管理が難しくなる恐れがある

コミュニケーション不足

サテライトオフィスの利用には、コミュニケーション不足という課題がつきまといます。上司や同僚との直接対話が減ることで、業務連携の低下を招く恐れがあります。

また、オンラインツールは対面でのコミュニケーションに比べて、微妙なニュアンスや感情の伝達が難しいのが特徴です。これにより、チームワークの低下や社員の孤立感が強まるといった事態も予想されます。

対策として、定期的なオンラインミーティングや、必要に応じた対面での交流会開催などが考えられます。チャットツールを活用し、日常的なコミュニケーションを活性化させることも重要です。

社員の管理が難しくなる恐れがある

管理面での課題としては、サテライトオフィスにおける情報セキュリティや、勤務時間の把握が挙げられます。本社から離れた場所での業務は、十分な監督が難しいためです。

特に共用型のサテライトオフィスでは、パソコン画面ののぞき見や会話の盗み聞き、インターネット環境を通じた情報流出の危険性があります。従業員へのセキュリティ教育の徹底やVPNの導入、通信の暗号化などが対策として効果的です。また、リモートワークに適した勤怠管理システムも導入しておく必要があります。

適切な対策を実施すれば、サテライトオフィスのメリットを活用しつつ、管理リスクを最小限に抑えられるはずです。

メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock

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