冬至にはどんな意味があるの?
そもそも冬至とはどのような日か知っていますか? 暦の上での意味と、伝統的な東洋思想における考え方、冬至に込められた意味を見ていきます。

1年で最も日が短くなる節目
「冬至(とうじ)」は、1年を24区分に分けて表した「二十四節気」の一つで、12月22日~1月5日ごろをいいます。二十四節気は太陽の動きから季節を定めているので、暦の日にちと季節が対応しやすいのが特徴。春分や大寒も二十四節気の一つです。
また、冬至は1年で最も日が短く夜が長くなる日のことでもあります。地球は自転軸が傾いたまま太陽の周りを公転しているため、季節によって太陽の当たり方が変わり、日の長さも変化します。
この場合の冬至は、例年12月21日または22日で、2025年は12月22日になります。
とう‐じ【冬至】
二十四節気の一。太陽の黄経が270度に達する日をいい、太陽暦で12月22日ごろ。太陽の中心が冬至点を通過する。北半球では一年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日。この日にはゆず湯に入ったり、地方によってはカボチャを食べたりする風習がある。《季 冬》「山国の虚空日わたる―かな/蛇笏」⇔夏至げし。
引用:小学館 デジタル大辞泉
陰が陽に転じる「春の始まり」の日
伝統的な東洋思想では、世界は陰と陽のバランスでできており、最も夜が長い冬至は「陰が極まる日」と考えられているようです。
同時に、冬至から後は日中が長くなり始めるので、冬至を「冬の終わり・春の始まり」とみなすこともできるといえるでしょう。
冬至の別名「一陽来復(いちようらいふく)」は、冬が終わり春が訪れることや、悪いことが去って良いことがめぐってくることを意味します。転じて、悪いことが続いた後に良いことがやってくるという意味にもなります。
悪いものが集まりやすいこの日を無事に過ごし新しい年を豊かにするため、冬至には運を呼び込み無病息災を願う風習が生まれたようです。
冬至にやってはいけないことって?
冬至に行うには避けたいとされていることは、冬至の由来と関係しているとか。冬至は1年で最も陰の気が高まる日とみなされます。寒く体調を崩しやすいこの季節は、心と体を休めて新しい年を迎える準備の時期ともいえるのです。

体を冷やすこと
冬至は日が短くなり体が冷えやすい頃です。年末も近くなり忙しさで体調を崩しやすい時期でもあり、冬至は「体を冷やしてはいけない」といわれています。
たとえば、次のような体を冷やす食べ物は避けるのが無難かもしれません。一般的に、夏が旬の食材や暖かい地域の食材は体を冷やすといわれています。
●ナス
●トマト
●キュウリ
●バナナ
薄着や長く夜風に当たるなど、体を冷やす行動も避けて温かく過ごすことが大切です。
ネガティブな言動
冬至は陰の気が強いとされ、気分が沈みやすい時期といわれます。また、冬至は春の始まりといわれるように新しいサイクルの始まりなので、この日にネガティブな気持ちを抱えると新しい年にまで引きずりやすいとも考えられているそう。
冬至の日にやってはいけないことの二つ目は「ネガティブな言動」です。ただでさえ寒く滅入りやすい時期に喧嘩をしたり悪口を言ったりすれば、さらにネガティブな気持ちになってしまいます。
気分が落ち込んだら「冬至にやった方がいいこと」を参考に、自分をいたわってみましょう。
大掃除をすること
意外に思うかもしれませんが、冬至に避けた方がいいとされることの三つ目は「大掃除」です。
年末に近い時期なので、冬至の頃に大掃除をやりたい人もいるかもしれません。ただし、冬至は陰から陽の気に転じる日とされ、家の中を掃除すると「幸運を掃き出してしまう」といわれています。
陰の気が強い冬至の日は、心も体もゆっくり休ませてエネルギーをためる時期でもあります。エネルギーを使う大掃除は、できるだけ冬至の前に済ませておくのがおすすめです。
新しいことを実行に移す
最も陰の気が高まる冬至は、新しい活動を始めるのにふさわしくないタイミングと考えられています。
新しい活動に必要な外向きのエネルギーよりも、内側に向かうエネルギーが高まるとされるからです。むしろ、気を整えエネルギーを蓄えるのがふさわしい時期といえるでしょう。
たとえば、今年にあったことを振り返って自分の内面と向き合うのに適しています。新しい年の目標や計画を立てて準備するにはぴったりの時期です。立てた計画を実行に移すのは、冬至より後にしてみましょう。
冬至にやった方がいいことは?
冬至の行事には、寒く気がめいりやすい時期を乗り越えるための生活の知恵が詰まっているといえるでしょう。ゆず湯など、冬至にするといいとされていることやその意味を紹介します。

ゆず湯に入って温まる
冬至といえばゆず湯を思い浮かべる人は多いかもしれません。冬至にお風呂に入るのは、身を清める風習に通じているという説もあります。
ゆずは邪気を払う生命力の強い植物とされてきました。ゆず湯には新年に向けて身を清め、邪気を払う意味があるとされていたようです。
ゆずは保湿、血行促進、リラックスなどの効果が期待できるといわれています。寒い季節に体を温め、健康を願うにはぴったりでしょう。
小豆やかぼちゃを食べてパワーをもらう
昔から、冬至には「運をつける」縁起物として「ん」のつくものを食べる慣習がありました。
かぼちゃは、別名「なんきん」といって冬至によく食べられる食材です。冬に不足しがちなβ-カロテンやビタミンCを補うのに役立つ栄養が含まれます。
「ん」のつく冬至の行事食には、かぼちゃのほか次のようなものがあります。
●れんこん
●にんじん
●ぎんなん
●きんかん
●かんてん
●うどん
まとめ
- 冬至は1年で最も夜が長く陰の気が高まる
- 冬至にはネガティブな発言や行動を避ける
- 大掃除はできるだけ冬至の前に済ませる
また、小豆も古くからある冬至の行事食です。赤い色は魔除けの象徴とされ、邪気を払う意味があります。小豆がゆや、小豆とかぼちゃを甘く煮た「いとこ煮」を食べると体が温まるでしょう。
メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock
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Domani編集部
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