失敗が怖くチャレンジできない
一度つまづいた経験があると、「自分にできるかな」「次もまた失敗したらどうしよう」と考えてしまうのは、当然のこと。凹みやすい人は総じて、「自分に対して成功体験が少なく、承認欲求の満たされていない人に多いといえます」と話すのは、心理カウンセラーの吉野麻衣子さん。「自信がなくなっている状態では、脳に対して『自分はダメ』というマイナスの潜在意識が無意識に刷り込まれている可能性が高い」といいます。
なぜ豆腐メンタルになるの?原因とは
ここまで、凹みやすい人の特徴をあげながら考えてきましたが、その背景にある原因をもう少し深堀してみましょう。
自己肯定感が低い
メンタルの問題を考えるとき、心理カウンセラーの吉野麻衣子さんはこう考えると言います。
「多くの要因は、自己肯定感が低いことから生じているといえます」(心理カウンセラー・吉野麻衣子さん)
恋愛であれば「こんな自分を好きになってくれる人はいない」とあきらめる。仕事を任されても「自分にできるのかしら」「失敗したらおしまいだ」と極端に考えがち。そんな人たちに対し、心理カウンセラーの吉野麻衣子さんは、自己肯定感が復活するステップを以下のように説明します。
「1、否定(そんなはずない、認めたくない)→2、交渉(どうか悪夢でありますように、勘違いであれ、など)→3、怒り(あの人のせいだ、あの時こうしていれば、など)→4、容認(起きた事実を認識し、回復する)。誰もが通るステップなので、無理せずにひとつずつ、自分のペースで向き合えばいいんです」
じつは完璧主義だから
仕事にも家庭にも、完璧な自分でいたいために、それに反することが生じると、挫折感を味わってしまう…。デキる女性ほど多いこの現象、ひとつの例をご紹介します。
「私も元々は完璧主義でした。深夜になるまで、あれもこれもと仕事に手をつけ、終わらないとイライラしていたこともありました。それが、3年間のビジネススクール在学中に一気にこだわりを捨てました。
ビジネススクールでのMBA取得のような大きな挑戦をするには、これまでやってきた仕事への『完璧主義』をやめて、時間を確保する必要がありました。完璧じゃなくても70〜80%の完成度で、残りの時間を新しいことに費やせるのであれば、そのほうがずっと自分自身の成長につなげられると思います。
ひとつ新しい挑戦を自分に課してみて、その時間を捻出するための工夫を突破口にすれば、完璧主義から脱せざるを得なくなりますよ」(畑川 麻紀子さん/Jimokids代表)
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克服方法を実践してみよう
さまざまな例を紹介してきましたが、突破口は見えてきましたか? さらに日常で実践しやすいいくつかの「豆腐メンタル」克服方法をご紹介します。
ダメな自分を受け入れる
たとえば子育てで凹んだとき。子どもへの気持ちに揺れがあって、自分に自信がもてないとき。ワーママのお悩み相談回答が人気の芸人EXIT・兼近大樹さんは、こんなふうに答えていました。
「人間だって気持ちの波や感情の揺れがあって、あたりまえ」。「子どもをめっちゃ好きなときもあれば、そう思えないときもある。それが普通です。だから、自分をイヤになるんじゃなくて、そんな自分を認めてあげる」(EXIT・兼近大樹さん)
ダメな自分にOKを出してあげるだけで、気持ちはスッと軽くなる。なんだか、豆腐メンタルさえ愛おしくなる! そして次の段階で、心理カウンセラー・吉野麻衣子さんがすすめる方法を実践してみるのも、いいでしょう。
「自信のなさを解消するためには、小さなことでいいので、確実に成功すること、賞賛できることを自分に積み重ねてあげるのです。たとえば、過去にやったことのある勉強を繰り返しやって『できる』を実感したり(簡単すぎるものでOK!)。自信回復のきっかけをつくるのは自分、一歩前に進むのも自分。それができたらまた、自分で自分を褒めてあげましょう!」(吉野麻衣子さん)
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完璧さを自分に求めない
力んでいると感じたり、自分で自分を責めそうになったら、「『ま、いっか』と口に出してみる」
という方法をアドバイスするのは、漢方ライフクリエーターの樫出恒代さん。
「言葉の効果は大きくて、自分の耳から体に響いて、ユルめられるようになって気も巡ります。もうひとつ言葉でいうと、『頑張る』と言いそうになったとき、『自分を信じる』に言い換えてみる。完璧でなくても、自分はちゃんとやっていると自信が得られれば、責めることもなくなるはずです」(樫出恒代さん)
また、「寝る2時間前からスマホなどをやめて睡眠モードに切り替える」など、健康的なメンタルを保つための生活術は、ストレス社会を生き抜くための知恵ともえいそう。「心が疲れた…と感じたら?限界がくる前に試したい疲労を軽減する5つの対処方法」でも、さまざまな方法を紹介しているので、チェックしてみてください。
ポジティブ思考を目指す
最後に、豆腐メンタルに陥った自分をポジティブに転換させる、名言をご紹介。そのひとつが、哲学者・ゲーテの「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる」というセリフ。すぐに発想の転換はできなくても、何度も頭の中で言葉を繰り返すうち、自分のものになっていくはず!「【前向きな言葉でポジティブに】迷ったとき、悩んだときに知りたい言葉まとめ」では、さらに多くの名言が紹介されているので、できるものから取り入れてみて。
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