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髪が傷む原因とは?
髪内部の水分量の減少
大人になってからの髪のうねりは、先天的な「くせ毛」とは異なります。その原因は、髪の水分量が減ってしまったから。本来、髪の水分は髪内部にあるコルテックスに溜め込まれています。しかし、加齢やストレス、ホルモンバランスの乱れなどによってコルテックスの細胞構造に偏りが生じると、均一に行き渡るべき水分にも偏りが発生。水分の少ない部分は収縮し、水分を吸った部分は膨らむため、髪がうねってしまうのです。
【毛幹の3層構造】
髪の毛は3層構造になっており、その85〜90%を占めるのがコルテックス。コルテックスの主成分はタンパク質で、パーマやカラー、紫外線などでキューティクルが破損すると、コルテックスの水分やタンパク質が流出し内部がスカスカになってしまう。
熱によるダメージ
「alotta KICHIJOJI」店長・逢坂俊也さんにお聞きしました。
「髪がパサついたりゴワついたりする大きな原因は乾燥。髪が乾かないようにするためには、熱から守ってあげることが大切です。今日からできる髪の乾燥対策のひとつが38度以上のお湯で髪を洗わないこと。熱いお湯が乾燥肌の原因になるように、髪の毛もパサパサに乾燥しやすくなりますので注意しましょう。またヘアアイロンの温度設定においても高温にしすぎるのはNG。ヘアアイロンは140度くらいが髪を傷ませないためにはベストです」(逢坂さん)
髪を濡れたまま放置
銀座にある人気ヘアサロン「GARDEN Tokyo」のトップスタイリスト、本木亜美さんに聞きました。
「髪が濡れているときはキューティクルが開いている状態なので、そこからどんどん水分や栄養分が抜けていきます。乾いているときに比べて強度も低下しているため、摩擦や引っ張りに弱くなっています。濡れたままの頭皮は、必要な水分が奪われ乾燥してトラブルの原因に。雑菌も繁殖しやすいので、髪を洗ったら一刻もはやく乾かすことが大事です」(本木さん)
自宅で髪の毛をつやつやにする方法
正しい方法でシャンプーする
肌はもちろん髪だって、ちょっと手をかけてあげるだけで変わります。シャンプーする前にいつもよりほんの少し手間をプラスすれば、頭皮がスッキリしたり、シャンプーの泡立ちが最高によくなってリラックスできたり。なにより、頭皮と髪が健やかになること間違いなしなんです! ということで、今回そんなテクを教えてくれたのは、「GARDEN Tokyo」のトップスタイリスト、本木亜美さん。
「シャンプー前に、このふたつを心がけてください。毎日のシャンプーが、より有意義なものになりますよ」(本木さん)
1:乾いている状態でのブラッシング
2:シャンプー前の予洗い
それではひとつひとつ、教えてもらいましょう!
1:乾いている状態でのブラッシング
「髪のほつれをとり、頭皮の汚れを浮き上がらせる目的。これをしておくことで、シャンプー時に髪と頭皮の汚れが抜群に落ちやすくなります。ブラッシングには、弾力のあるクッションブラシやパドルブラシを使うのがおすすめ。頭皮に優しく当たるので、とかすだけで頭皮マッサージもできちゃいます。コームは頭皮を傷めてしまうため、避けてくださいね」(本木さん)
2:しっかり予洗い(湯洗い)する
「予洗いは、湯シャンとも言いますね。お湯だけで洗うことです。髪をただ濡らすだけでなく、指をしっかり開いて、頭皮に指の腹を当て、頭皮をもむように洗います。シャワーのお湯はややぬるめの36℃〜38℃にし、1〜2分かけて丁寧に洗うと、7〜8割の汚れを落とすことができるんですよ」(本木さん)
3:髪を洗うのは夜!
「洗髪は夜にすることが鉄則。1日の活動で出た皮脂が酸化して、毛穴を詰まらせてしまうことがあるためです。また、髪のアンチエイジングにも関わる成長ホルモンは22時〜2時に多く分泌されると言われていますので、そのときに頭皮が清潔になっていると髪の健やかな成長につながることも考えられます。朝の洗髪で必要な皮脂を落としてしまうと、日中、頭皮への紫外線によるダメージが増えるという観点からも、できるだけ夜に!」(本木さん)
4:シャンプーの量は髪の長さに合わせて調整
「ショート〜ボブは1プッシュ、ミディアムは2プッシュ、ロングは3プッシュが基本。髪の多さや硬さで、半プッシュ程度ずつ調整してください。シャンプー前のお湯洗いをしっかりしておくと汚れが半減しているため、シャンプーの量が少なめでも泡立ちがよくなります。シャンプーを多く使うと泡立ちはいいですが、すすぎ残しが出てくるので注意してくださいね」(本木さん)
5:髪というより頭皮を意識して洗う
「シャンプーの目的は、頭皮の洗浄です。頭皮にたまった老廃物や皮脂汚れを落とすためと考えてください。まずシャンプー液を手のひらになじませてから、髪でなく頭皮につけます。前髪の生えぎわから頭頂部、耳の後ろから後頭部、襟足の3つのブロックを、順番に3回洗います。パーツごとに洗うことで、洗い残しを防ぎます。洗い方は、指先で頭皮をしっかりとらえて揉むように。何度も言いますが、頭皮を意識して洗ってください」(本木さん)
6:すすぎはシャンプーの倍の時間をかける
「洗うときよりも長く時間をとります。例えば2分かけてシャンプーしたら、すすぎには4分かける。すすぎ残しがあると髪や頭皮の負担になり、頭皮の炎症の原因になることも。完全にぬめりがなくなるまで、よーくすすいで。すすぐ前に、髪についている泡を手で落としておくとすすぎ残しが減ります」(本木さん)
7:トリートメントをつけたらコーミング
「髪に悩みを抱えている場合は、トリートメントがおすすめです。すすいだあとの髪の水分をギュギュッと絞ったら、トリートメントを毛先→中間の順につけます。油分の多いトリートメントは、残ると頭皮トラブルの原因になるので頭皮にはなるべくつかないように注意を。なじませたあとは目の粗いコームでザッととかすと、液が全体に行き渡るのでおすすめです。目の細かいコームを使うと髪に力がかかりすぎてダメージにつながる場合があるため、避けて。そのまま、湯船に入りながら5〜10分ほど放置します」(本木さん)
8:最後のすすぎはぬめりがなくなるまでしっかりと!
「トリートメントの油分のぬめりがなくなるまで、丁寧にすすぎます。毛先には少しトリートメント成分が残っている方がいい?と聞かれることもありますが、絶対によくありません。頭皮から毛先まで、十分にすすいでください」(本木さん)
シャンプーに頭皮マッサージを取り入れる
シャンプーの前に
シャンプーの前に、まずは髪の状態をすっきりと整えましょう。
髪や頭皮を痛めないよう、まずは程よい力で手ぐしや櫛で髪を梳かし、その後丁寧にシャワーで髪と頭皮を流します(約1分)。
【Step0】塗布場所
まずは、クレンズ シャンプーを塗布します。額の生え際や耳の上、襟足、頭頂部付近を髪の根元から地肌に沿わせるようになじませます。指の腹で滑らせるようにするのがポイント!
【Step1】頭皮全体を洗う
次は、両手の指先で小さならせんを描くように動かします。頭皮を押し上げるように、地肌を動かしていくのがポイント。
目安としては、額〜頭頂部、こめかみ〜頭頂部、襟足〜頭頂部、これら3つの部分を3回ずつ。
【Step2】引き上げ
続いては、こめかみから頭頂部に向けて指先を地肌に沿わせつつ滑らせます。リフトアップを意識するとマッサージ効果UP!
【Step3】プッシュ
最後は、気持ちいいと感じる部分を指先で押していきます。目安としては、1ヶ所あたり3秒程度。地肌を傷つけないように爪を立てず、頭皮を軽く掴むようにするのがポイント。
ドライヤー前にアウトバストリートメントを使う
ダメージの少ない健康的な髪であっても、ドライヤーの熱から髪を守るアウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)はぜひ取り入れていただきたいアイテム。お風呂でのトリートメント(インバスケア)は髪内部の補修ケア効果、アウトバストリートメントは髪表面のキューティクルをコーティングし、髪を保護する役割があり、その働きは違うのです。そしてもうひとつ、お風呂上がりのヘアケアに加えてほしいのが、頭皮用化粧水(スキャルプ リペア エッセンス)です。ドライヤーの熱で水分が奪われるのは、お顔の肌も頭皮も同じなので、スキャルプ リペア エッセンスで頭皮にも水分を補給し保湿しましょう。
アウトバストリートメントは仕上がりのイメージに合わせて選ぶ
【オイルタイプ】
油分が多く含まれており、髪をコーティングする効果も高い。つけてすぐツヤ髪になれるので、スタイリングの仕上げにもおすすめ。
【ミルクタイプ】
サラッとしたテクスチャーで髪になじみやすく、しっとりとした仕上がりに。毛先に自然なまとまりが生まれます。
【ミストタイプ】
保水効果が高く、寝癖直しにも使えて便利。
さまざまなテクスチャーの製品がありますが、ツヤを与える、毛先をまとめるといった、自分の髪に欲しい要素に合わせて選ぶとよいでしょう。どのタイプのアウトバストリートメントも、頭皮につけるのではなく、毛先などダメージ部分を中心に。手に残った分は髪の表面になじませるようにしてください。カラーやパーマを施した大人の髪には、過保護なくらいのケアがちょうどよいです! お風呂上がりにお顔に化粧水や美容液を塗る感覚で、髪にはアウトバストリートメントやスキャルプ リペア エッセンスでしっかりケアしてくださいね。
正しい方法で髪を乾かす
「毎日のヘアドライも、絶対的なコツをつかめば手早くできるようになります。あと、ぜひやってほしいのがブロー。巻く前にもブローをしておくと、仕上がりが見違えますよ」と「Violet」代表 前原穂高さん。
1.根元の水分をしっかりタオルドライ
タオルをかぶり、シャンプーをする動きで根元の水分をタオルに含ませる。耳の後ろや襟足の根元には直接タオルを当て、しっかり拭く。
2.アウトバストリートメント(オイル)をつけてコーミング
根元は避け、中間から毛先になじませてから目の粗いコームでとかすと、全体にムラなくオイルが行き渡り、毛流れも整う。
3.根元がふんわりするよう分け目をつくらずに乾かす
根元から乾かすのは鉄則。前髪は全部下ろして根元をこすりながらドライし、手ぐしを通す。
後頭部は髪を分けて根元部分を出し、ドライヤーの風を当てる。根元がしっかり乾けばOK。
完全に根元が乾いてから、自分が分けたいところで分け目をつくると、根元が立ち上がる。
4.ロールブラシで髪に“テンション”をかける
髪を3段に分け、それを4割。中間からロールブラシをかませて、手首を返すように下へ引っ張りながらドライヤーの弱風を当てる。
髪悩みに特化したヘアアイロンやブラシを使う
Domani専属読者モデル&Domani Labのメンバー・鈴木まきさんが美髪のために新調したというヘアアイロン&ヘアブラシをご紹介します。
「最近自分のメンテナンスの時間がなかなか取れないので、自宅でできる簡単なケアから始めようと購入しました。信頼できる美容師さんのおすすめもあり、リファのアイテムに。黒はスタイリング剤などが付着すると目立ちやすいので、その分きれいに使えそうだなと思い、ヘアアイロンもヘアブラシも黒でそろえました」(鈴木さん)
Refa リファ ストレートアイロン プロ
プロのダメージ軽減をテクノロジーで再現した「カーボンレイヤープレート」がマイルドに熱を伝え、髪の水分を飛ばしすぎずに保持することで、サロン帰りのような毛先までしっとりまとまった仕上がりに。
「小さめのヘッドなので、ショートヘアの内巻きにも使いやすい! 軽くて操作も負担が少なく、ツヤのある仕上がりになります。使い始めてから切れ毛や枝毛が減ったように感じていて、ますますお気に入りになりました」(鈴木さん)
【Refa】リファ ハートブラシ
とかすだけでダメージを与えないやさしい“ほぐし”と髪の表面をなでるような“みがき”をかなえ、指通りなめらかなツヤ髪に。ピンは先端を丸く加工した仕様で、頭皮を心地よく刺激。
「友人へのプレゼントのために購入する際、せっかくだからと自分用にも購入。頭皮ケアに特化したブラシもありましたが、ブラッシングも頭皮ケアも両立できるタイプのブラシの方が使い勝手がよさそう! と思いこちらを選びました」
「最初はグリップ感や刺激具合など使いにくいかも…と感じていましたが、徐々に慣れてきました。使用後は頭皮のコリがほぐれているのか、フェイスラインが上がっている気も。メイク前などに最適のアイテムです」(鈴木さん)
週1回スペシャルケアを行う
リンスとコンディショナーは、髪の表面を油分でコーティングし、手触りをよくしてくれます。そのため、髪の水分の蒸発を抑えることはできますが、髪の内部にまでは成分が浸透しません。髪を油分でカバーする点はリンスもコンディショナーも同じですが、コンディショナーのほうがより髪の表面のコンディションを整える効果が高いとされています。一方、トリートメントやヘアマスクは、髪の内部にまで補修成分が浸透するので、髪のダメージを補修することができます。ですから、リンスやコンディショナーをベースに、スペシャルケアとして、週に1回ほどトリートメントをするのがおすすめです。
サロンで髪の毛をつやつやにする方法
髪質を理解してくれる美容師さんに相談する
表参道の人気サロン「Sui」の代表・冬木慎一さんに、髪のツヤを取り戻すための具体的なケアについて聞いてみました。
「髪内部の空洞を補修しながら、髪表面のダメージを最小限に抑えて毛流れを整えることが大事です。もちろん毎日のケアも重要なのですが、アラフォーになったらそれにプラスしてヘアサロンで手助けしてもらうのがおすすめ。例えば、栄養のみのトリートメントで補うのか、髪を還元(髪の形を変える作用)させて髪質を変えるのかなど、きちんと髪質を理解してくれる美容師さんに相談してみてください。年齢による変化なのか、ダメージによる変化なのかでケア方法も変わってくるんですよ」(冬木さん)