「天」の音・訓読みの名残は全くありません!
【天晴れ】という言葉、どこかで見聞きしたことがある人はいるかと思います。
文字を見て「あまはれ」と読みたくなるところですが、「あまはれ」ではありません!
お殿様が家来の功績を称えるときや、良い成果が出たときなどに「天晴れじゃ!」なんてシーン、どこかで見たことがあるのでは?
【晴れ】の部分は「はれ」の名残があります。
さらに大ヒント!
文字数は全部で4文字。「〇〇ぱれ」です!
分かりましたでしょうか?
正解は…
【あっぱれ】
でした!
【天晴(れ)・遖:あっぱれ】
《「あわ(哀)れ」の音変化》
[1]
驚くほどりっぱであるさま。みごとなさま。
「敵ながら―な働き」
[2]
1.ほめたたえる気持ちを表すときに発する語。すばらしい。みごとである。
「―、よくやった」
2.すっかり感心したり、強く驚いたりしたときに発する語。
〔補説〕「天晴れ」は当て字。「遖」は国字。
「国字」って何のこと?
【天晴れ】の言葉の解説で“「遖」は国字„、という言葉が出てきましたが、「国字」とはいったいどんな言葉のことなのでしょうか?
“漢字の字体にならって日本で作られた文字„のこと
【国字:こくじ】
1.その国の言語を表記するものとして通用もしくは正式に認可されている文字。
2.漢字に対して仮名をいう。
3.漢字の字体にならって日本で作られた文字。ふつう訓だけで音読みがない。
「峠」「辻」「躾」の類。
そのほかの国字1:「峠」
【峠:とうげ】
《「たむ(手向)け」の音変化。頂上で通行者が道祖神に手向けをしたことからいう》
1.山道をのぼりつめて、下りにかかる所。山の上り下りの境目。
「―道」
2.物事の勢いの最も盛んな時。絶頂。
「病気は今夜が―だ」「選挙戦が―にさしかかる」
〔補説〕「峠」は国字。
そのほかの国字2:「辻」
【辻:つじ】
《「つむじ(辻)」の音変化》
1.道路が十字形に交わる所。四つ辻。十字路。
2.人が往来する道筋。街頭。
3.「辻総」の略。
〔補説〕「辻」は国字。
そのほかの国字3:「躾(仕付け)」
【仕付け:しつけ】
1.《動詞「しつける」の連用形から。「躾」とも書く。「躾」は国字》
礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと。また、その礼儀作法。
「家庭の―がよい」「―が厳しい」
2.裁縫で、縫い目や折り目を正しく整えるために仮にざっとあらく縫うこと。また、その糸。
「―を掛ける」
3.田畑に作物を植え付けること。
4.作りつけること。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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