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WORK 挨拶・マナー

2025.08.12

【申し伝える】を正しく使えてる? 社内外やメールなどシーン別に解説

関係性の近い人に伝える

「申し伝える」という表現は、基本的に社外の人に対して使うことが多いでしょう。一方、部署間のやりとりなど関係性の近い社内でも使えます

たとえば他部署の先輩社員から自分の部署の社員に伝言を受けた場合、その先輩社員に対して「申し伝えます」と表現します。なお、伝言をお願いしたい場合に「山田さんに申し伝えてください」という使い方をするのは間違いです。伝言を依頼するなら「山田さんにもお伝えください」と表現します。

働く女性

こちらが伝言を依頼する場合に「申し伝えてください」というのは間違いです。依頼する側は「お伝えください」を使いましょう 。

「申し伝える」の類語や言い換え表現

「申し伝える」は、相手に何かを伝える際に使われる丁寧な言葉です。しかし、状況によっては、より適切だったり、異なるニュアンスを持つ表現を選びたい場合もあるでしょう。ここでは、「申し伝える」の類語や言い換え表現をご紹介します。

木漏れ日のなかスマホで通話するスーツの女性
(C)Shutterstock.com

「言う」の謙譲語「申し上げる」

「申し上げる」は「言う」の謙譲語で、目上の人に伝える場合に使う言葉です。「申し伝える」が複数人の間に立って伝言することを指すのに対し、「申し上げる」は単に言葉を発することを意味し、自分の意見を伝える場合にも使うことが可能です。そのほか、語尾に用いると丁寧な印象を与えることができるため、ビジネスシーンでよく使用される言葉です。

「伝える」の謙譲表現となる「伝え申す」

「伝え申す」は「伝える」の謙譲表現です。「申し伝える」と似た意味合いですが、「申し伝える」の「申す」は「言う」の謙譲語であるのに対し「伝え申す」の「申す」は補助動詞で動詞本来の意味はありません。ですので、「相手に伝える」という意味がより明確なのは「申し伝える」でしょう。一般的に広く使われていることからも「申し伝える」のほうが相手に意図が伝わりやすいです。

異なる意味を持つ「申し付ける」

「申し付ける」は「申し伝える」と言葉の意味が異なりますので、間違って使用しないよう注意しましょう。「申し伝える」が「取り次ぐ」「伝言する」の意味に対して、「申し付ける」は「言い渡す」「命令する」という意味を表します。現代では本来の「命令する」という強い意味よりも、何かあれば遠慮なく言ってくださいとのニュアンスで「お申し付けください」などと使用されることが多いです。

申し伝えるの言い換え表現の「申し送る」

「申し送る」は、主に業務の引き継ぎや、後任者への情報共有の際に使われる言葉です。「確実に情報を受け継がせる」という意味合いを含みます。「担当者に申し送ります」「引継ぎ事項として、来週の会議内容を申し送りました」といったように使うことができます。

「申し伝える」の反対語は?

「申し伝える」は、誰かからの伝言を別の人へ伝えることを意味する謙譲語です。そのため、反対の意味を持つ言葉としては、「伝えられる側」「情報を受け取る側」 の立場を示す言葉が挙げられます。

「申し伝える」の反対語
  1. 「拝聴する」
  2. 「拝受する」

「拝聴する」

拝聴(はいちょう)する」は、「つつしんで聞く」という意味の謙譲語です。相手が何かを「申し伝える」のに対し、自分がその内容を「聞く」立場を表します。

「拝受する」

拝受(はいじゅ)する」は、「つつしんで受け取る」という意味の謙譲語です。情報や伝言、物品などを「受け取る」行為に対して使われます。「申し伝える」が情報を発信する側なら、「拝受する」はそれを受け取る側という対比になります。

「申し伝える」の英語表現はさまざま

「申し伝える」をそのまま意味する英単語はないため「知らせる」や「伝言を取りつぐ」といった、さまざまなフレーズで表現するのが一般的です。

例文

・I’ll let him/her know about this
(私は彼/彼女にこれについて知らせます)

・I’ll let him/her know about the schedule
(私は彼/彼女にスケジュールをお知らせします)

・I’ll make sure he/she gets the message
(私は彼/彼女がメッセージを受け取ることを確認します)

・I’ll pass the message to him/her
(私は彼/彼女にメッセージを伝えておきます)

カフェでスマホ通話する女性
(C)Shutterstock.com

「申し伝える」に関するよくある質問

「申し伝える」はビジネスシーンで頻繁に使われる言葉ですが、その正しい使い方や類語との違いについて疑問を持つ人もいるでしょう。ここでは、よくある質問にお答えします。

Q. 「申し伝えさせていただきます」は正しい敬語ですか?

記事の最初のほうでも解説しましたが、結論から言うと「申し伝えさせていただきます」は過剰な敬語表現、いわゆる二重敬語に近い不適切な表現とされる場合があります。

「申し伝える」自体が既に「(目上の人に対して)伝える」という意味の謙譲語です。これに「〜させていただく」という「させてもらう」の謙譲表現を重ねることで、過剰な丁寧さとなり、回りくどい印象を与えかねません。また、前述のとおり「いただく」の謙譲語を付け加えることで、依頼してきた人ではなく言い伝える相手に敬意を示すことになり、矛盾が生まれてしまいます。

さらに「〜させていただきます」は相手に許可を得て、自分が恩恵を受ける場合に使うのが適切であり、単に情報を伝える行為には馴染まないことが多いのです。

Q. 「申し伝える」と「申し送る」の違いは?

「申し伝える」と「申し送る」は、どちらも情報を伝える言葉ですが、目的が異なります。「申し伝える」は、第三者からの伝言などをその場で別の人に中継して伝える際に使われます。

たとえば、電話の要件を上司に伝える場合などですね。一方、「申し送る」は、今後の業務遂行のため、後任者などへ確実に情報を引き継ぐ際に用います。異動時の業務引継ぎなどがこれにあたります。

「申し伝える」を正しく理解して使おう

  1. 「申し伝える」は「言い伝える」の謙譲語で、第三者への伝言を取り次ぐことを意味する
  2. 「申し伝えさせていただきます」は過剰な敬語のため使用には注意が必要
  3. 「申し伝える」はその場での伝達、「申し送る」は今後の業務引き継ぎという点で使い分けが必要

「申し伝える」は「言い伝える」の丁重語に該当し、自分の動作をへりくだることで相手を立てる言葉です。話し相手を敬意を示すために使用し、伝言する相手を立てる言葉ではありません。似たような言葉も含めて意味を理解しておくと、多くのビジネスシーンのやりとりで役立ち、相手にも好印象を与えます。この記事を読んで、正しい「申し伝える」の使い方を身につけましょう。

トップ画像・アイキャッチ/(c)Adobe Stock

Domani編集部

Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/

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