【目次】
・皮下脂肪とは?内臓脂肪と何が違う?
・皮下脂肪を効果的に落とす方法
・皮下脂肪を落とすおすすめの食事メニュー
皮下脂肪とは?内臓脂肪と何が違う?
皮下脂肪とは「皮膚の下の脂肪」
皮下脂肪とは一般的に、皮膚のすぐ下の脂肪のことを言います。
比較的男性よりも女性の方がつきやすいと言われていて、皮膚の上からでもつまめるという特徴があるようです。
内臓脂肪は「内臓の周りにつく脂肪」
一方内臓脂肪は、胃や腸、肝臓など内臓の周りにつく脂肪のことを言います。
こちらは比較的男性の方がつきやすく、皮下脂肪と違って皮膚の上からつまむことができないと言われています。
脂肪は食べ過ぎや偏った食生活、また運動不足などによってつくと言われていて、皮下脂肪も内臓脂肪も、食生活や運動で落とすことができますが、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が比較的落としやすいのだそう。
皮下脂肪を効果的に落とす方法
脂肪を燃焼する「有酸素運動」を行う
有酸素運動とは、ウォーキングやランニング、水泳やサイクリングなど、酸素の力で糖質や脂肪を燃焼する運動のことを言います。
手軽にできる脂肪燃焼運動なので、ダイエットしたい人はぜひ取り入れてみると良いでしょう。
この有酸素運動は脂肪燃焼だけでなく、呼吸循環器系機能の向上も見込めます。さまざまな生活習慣病の原因を予防したり改善したりする効果も期待できるので、持久力をつけたい人や、ダイエット目的でない人にもおすすめです。
「無酸素運動」を組み合わせるとさらに効果的
脂肪燃焼には有酸素運動が効果的ですが、実は「無酸素運動」を組み合わせることで、さらに効率的に脂肪を燃やせる、と言われています。
無酸素運動とは腹筋やスクワットなどの筋トレ、短距離走などの短い時間で大きな力を発揮する強度の高い運動のこと。酸素を使用せずに糖をエネルギー源として利用する、筋力アップに効果的な運動です。
相当ハードなトレーニングでない限り、消費カロリーはそれほど多くありませんが、筋肉を鍛えることは脂肪を燃焼させるためには非常に効果的なようです。
全身の筋肉量がアップすると基礎代謝量が上がり、結果的に脂肪が燃焼しやすくなります。さらに筋肉量が増えることでボディラインにもメリハリができ、脂肪を落とした後もリバウンドしにくい体づくりが可能だと言われています。
有酸素運動が脂肪燃焼には効果的ですが、無酸素運動も取り入れた方がより効率的に皮下脂肪が落とせるのです。
運動だけではダメ!カロリーコントロールも必要
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基本的に摂取カロリーが消費カロリーよりも多いと、体内で脂肪として蓄積されるので、どんなに運動をしても、それを超えるカロリーを摂ってしまっては皮下脂肪は落ちないと言われています。
そのため皮下脂肪を落としたいのなら、運動だけでなく食事面でのカロリーコントロールが必要なのだそう。
年代や体重、身長などによって、1日に必要な摂取カロリーは人それぞれ異なりますが、一般的に「身長(m)×身長(m)×22」に25~30をかけた数字が、1日に摂取可能なカロリーだと言われています。
過度な食事制限は脂肪が増える?
皮下脂肪を落とすにはカロリーコントロールが必要とは言え、過度な食事制限は禁物です。
いき過ぎた食事制限は、リバウンドや体脂肪が逆に増えてしまうリスクが高まってしまいます。こうした食事制限で最初に減っていくのは水分や筋肉。栄養障害で体がしぼみ、結果的に体が脂肪を蓄えようとして体脂肪が増えてしまうと言われているのです。
皮下脂肪を減らすために摂取カロリーを抑えることは大切ですが、無理な食事制限には注意しましょう。
皮下脂肪を落とすおすすめの食事メニュー
朝は卵とごはんで代謝を上げる
管理栄養士・健康運動指導士の小島美和子さんによると、朝は代謝をアップさせる卵とごはんを食べるのがおすすめなんだそう。
「朝は体内時計を1日のスタートに合わせてリセットする時間。体内時計には脳と体の2種類あって、メイン時計である脳は朝の光を浴びることでスイッチがオンに。サブ時計の体は朝食を食べると動き出す。そのふたつがずれると時差ボケ状態で不調の原因になるので、起床後、できるだけ早く朝食を食べることが大切。必ずとりたいのは血糖値を上げる糖質と体温や代謝をアップさせるたんぱく質。丸一日代謝がよく、お腹もひっこみやすい体に。」(小島さん)
また、時間がないときは手軽に食べられる納豆ごはんや卵かけごはんだけでも良いそう。逆にシリアルやスムージーだけ、という朝食の摂り方はおすすめしないそう。
「シリアルは牛乳をかけても糖質もたんぱく質も足りません。また、砂糖たっぷりのものも多く、急激に血糖値を上げ、脂肪がつきやすかったり食後に眠くなることも。食べるときは原材料と栄養表示を確認し、砂糖無添加で脂質が少ないものにフルーツを加えましょう」(小島さん)
「きちんと食事をとったうえでスムージーを飲むのならよいのですが、スムージーだけでは栄養素もエネルギーも足りません。さらに、冷たいスムージーは体を冷やしてしまうため代謝もダウン。その結果、便秘になりお腹ポッコリ、という人も多い。スムージーを飲む場合、常温のフルーツを使い、しょうがなどを入れるとなお◎」(小島さん)
昼は栄養価の高い食事メニューに
小島さんによると、昼は代謝が良く太りにくい時間なので、カロリーは気にしなくて良いそう。できるだけ量をしっかり、たくさんの食材を使ったバランスのいいメニューを選んで、必要な栄養素を吸収するのがおすすめだと言います。
またサラダだけの食事や、時間がないからとおにぎりと野菜ジュースだけで済ませるような食事は避けたほうがいいと言います。
「糖質は体に貯えられる量に限りがあるため、食事のたびに補給が必要。野菜中心の食生活をすると確かに一時的に体重は落ちるかもしれませんが、筋肉が減ってお腹に脂肪がたまりやすく、ボディラインもたるんで老けた印象になってしまいます。リバウンドしやすく、増えたぶんの体重は脂肪になって返ってくるという残念な結果に…」(小島さん)
「そもそも、野菜ジュースとおにぎりだけではエネルギーも栄養素も足りていないので×。さらに、仕事をしながら食事をするのもNGです。というのも、仕事モードのまま交感神経が優位になった状態で食事をすると、消化酵素がきちんと出ず栄養も吸収されにくいから。10分間でも食事に集中してリラックスすることが大事」(小島さん)
夜は食物繊維が豊富なメニューを中心に
小島さんによれば、夜は食物繊維豊富なメニューを20時までに食べ終えるのが良いのだそう。
「夜は体内時計が休息モードになり、脂肪をため込みやすい時間帯。代謝が落ち、消化酵素の働きも悪い状態に。大切なのは、その影響を少なくするためにできるだけ早く夕食を食べること。朝7時くらいに起きる人であれば、20時には食べ終わるのが理想です。起床時間が遅い人はそのぶん後ろ倒しになってもOK。夕食は、血糖値を急激に上げず、脂肪がつきにくい食品を選ぶこと。主菜は肉より魚や大豆製品を、食物繊維もしっかりとるよう心がけて。」(小島さん)
また、ダイエット中に不足しがちなタンパク質ですが、夜にお肉をガッツリと食べるのはおすすめしないそう。
「確かにお肌や筋肉のためにたんぱく質は必要ですが、夜は高脂肪のステーキやハンバーグ、しょうが焼きなどは控えるのが正解。肉なら夜は脂肪に変わりにくい豚ヒレ肉や牛モモ肉、鶏ムネ肉などを選びましょう。高脂肪の生クリームやチーズなども避けたい食品です。脂分の多いお肉を食べたいときは次の日のランチの楽しみにしては?」(小島さん)
逆にお刺身など魚の脂は代謝アップにおすすめだと言います。
「肉の脂は代謝を悪くしますが、魚の脂はむしろ代謝をアップしてくれます。そのまま食べられるお刺身は調理の油も必要なくてイチ推し。ただ、調理にバターやチーズを使ってしまうと高脂肪に。野菜と一緒に煮るだけで一品完成する魚の缶詰も時短に便利です」(小島さん)
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