自分を大きく見せたいから
自分を大きく見せたい人も、すぐ怒る傾向にあります。周りからバカにされたり、低く評価されたりするのが過剰に我慢ならないのです。
大きな声で怒る、体をそり返して少しでも大きく見せる、こういった行動や態度は自分を大きく見せるための演出ともいえます。本当は小心者で、周りからの印象を非常に気にしているからこそ。このような人は、自分より強い人や立場が上の人に怒ることはないでしょう。
「怒り」から生じるメリットとは
怒ることは、デメリットばかりではありません。怒ることで生じるメリットもあります。ここでは、怒りから生じるメリットを2つご紹介しましょう。
より高みを目指すモチベーションになる
怒りは、より高みを目指すモチベーションになりえます。たとえば、試合に負けたスポーツ選手が怒りをバネにして練習に励み、プロになったりオリンピックで金メダルを獲得したりといったパターンです。
怒りの対象は、ライバルだけでなく自分の不甲斐なさも含まれるでしょう。「勝ちたい、優勝したい」という欲求と「次はあいつに負けるもんか」という怒りは、ほぼ同じようなモチベーションといえます。
漫画や映画、小説の世界でも、怒りはなにかを生み出すエネルギーとして、また時代や体制を変えるエネルギーとして描かれることが多いもの。「喜怒哀楽」の4つの感情のなかで、最も大きなエネルギーを生み出し、また高みを目指すモチベーションになりえるのは「怒」の感情といえるのではないでしょうか。
自分の本気度が伝わる
怒ることで、自分の本気度が伝わることがあります。たとえば、危険な遊びをしている自分の子どもに対して、親は真剣に怒るでしょう。本気で怒らないと「危ない、命にかかわる」ということが子どもに通じないからです。
対人関係において、通常は、本気の怒りをぶつけることもぶつけられることも少ないため、誰かが本気で怒っているとその人の本気度が伝わります。そもそも本気でなければ、怒りは湧いてこないでしょう。
怒りのエネルギーは相当なもの。もちろん、怒られる人は嫌な思いをしますが、怒るほうも自分の気持ちに振り回されてエネルギーを消費します。それでも本気になって相手になにかを伝えようとするとき、人は真剣に怒るのです。
「怒り」から生じるデメリットとは
次に、怒りから生じるデメリットを2つご紹介しましょう。
人間関係が悪くなる
怒ることで生じる一番のデメリットは、人間関係が悪くなることです。周りにすぐ怒る人がいると、一気に場の雰囲気が悪くなります。せっかく穏やかに話していたミーティングも、ひとりが怒りの感情を出してしまうことで台無しになってしまう、ということも。
また、その人自身にとってもデメリットは大きいでしょう。「怒りっぽい人」「自分の感情をコントロールできない未熟な人」と評価されます。通常、そのような怒りっぽい人と仲良くなりたいという人はいないはず。「怖い人」と烙印を押され、距離を取られてしまいます。
エネルギーを使うので無駄に疲れる
先ほども説明しましたが、怒りのエネルギーは相当なもので、無駄に自分を疲れさせます。ストレス発散のように怒りを爆発させる人もいますが、怒りがヒートアップすると心拍数も上がり、体にも心にも負荷がかかります。
怒ることでストレス発散しているつもりでも、実は逆効果なのです。