【目次】
・「ご用命」の意味や読み方とは?
・「ご用命」の使い方は?例文でチェック
・「ご下命」「ご要望」との違いは?
・類語にはどのようなものがある?
・英語表現とは?
・最後に
「ご用命」の意味や読み方とは?
■意味と読み方
「ご用命」は「ごようめい」と読みます。「ご用命」は、「用命」という言葉の頭に接頭辞「ご」が付いた丁寧な言葉です。
「ご用命」は、「ご用を承る」という意味。受け身の立場でのみ使われる言葉で、「ご用命を承る」という使い方はされても、「用命する」「用命させてください」という使い方は存在しません。また、「用命」は商取引の場では商品を発注する意味としても使われます。

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■ビジネス等で使う時の注意点
使い慣れれば便利な「ご用命」という言葉。それだけに間違いのないようにしたいものですね。
「ご用命」は、たとえ「ご」と省いて「用命」だけにしても、自分や目下の人に対しては使いません。「ご用命」は、目上の人や取引先に対して使うということを覚えておきましょう。
「ご用命」の使い方は?例文でチェック
ビジネスシーンで使われる「ご用命」の使い方を、具体的に例文で見ていきましょう。

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1:「ご用命がございましたら、何なりとお申し付けください」
取引先などに使うことが多いフレーズです。自分には引き受ける意思があるという、積極的な姿勢を見せることができます。「ご用命がございましたら、何なりとお申し付けください」は、社内でも目上の人に対して使えます。「用事があれば、何でも言ってください」という意味です。
最近はフラットな職場が増えていますので、社内の会話で「ご用命がございましたら、何なりとお申し付けください」がそのまま登場する機会は少ないかもしれませんね。身近な上司や先輩に対してなら、先ほどの「用事があれば何でも言ってください」のほうが親しみがあって好印象かもしれません。
社内でもかしこまった場で使われますので、状況に応じて判断しましょう。「ご用命がございましたら、何なりとお申し付けください」は、秘書が担当役員に対しては日常的に使えるフレーズです。
2:「弊社の商品をご用命いただき、ありがとうございます」
この「ご用命」は、注文・発注・利用という意味で使われています。注文や発注をしてくれた取引先に対して、感謝の意を表しています。
3:「ご用命賜りまして、誠にありがとうございます」
「賜る」は「もらう」の謙譲語です。この場合は、目上の人や取引先に対してさらに丁寧に感謝を表しています。
「ご下命」「ご要望」との違いは?
「ご用命」と似たような言葉に「ご下命」「ご要望」があります。それぞれニュアンスが違いますので、「ご用命」との使い分けができるようにしておきましょう。

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■ご下命
「ご下命」は「ごかめい」と読み、「命令を下す」という意味があります。ビジネスの場では、「ご用命」と同様に「用件を申し受ける」「注文をうける」という意味で使えます。
「ご下命」はかなり格上の相手に対して使う丁寧な言葉なので、日常のビジネスシーンでは「ご用命」のほうが使う機会が多いと言えるでしょう。
■ご要望
「ご要望」は、「要望」という言葉に尊敬を表す接頭辞の「ご」をつけた言葉で、「ごようぼう」と読みます。取引先や目上の相手が何かを欲したり望んでいる時に使う言葉です。
「ご要望にお応えします」「ご要望を承ります」というように使用します。
類語にはどのようなものがある?
「ご用命」の類語も覚えて、状況にあわせて使い分けてみましょう。

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1:ご注文
「注文」は、 「希望の条件などを伝えて依頼する」という意味で、「ご注文」は「ご」を付けて丁寧な表現にしたものです。
ビジネスシーンでも使いますが、物販や飲食などの場で使われることが多い言葉です。
2:ご所望
「所望」は、「何かをしてほしいと望むこと」という意味で、「ご所望」は「ご」を付けて丁寧な表現にしたもの。「ごしょぼう」ではなく「ごしょもう」と読みます。
「ご所望」は希望するものの対象や目的が具体的な場合に使用します。
3:お申し付け
「お申し付け」は「おもうしつけ」と読み、「言う」の謙譲語「申す」に「お」をつけて丁寧にしたものです。
「お申し付けください」も「ご用命ください」と同じように、自分には引き受ける意思があるという前向きな姿勢を相手に伝えることができます。
英語表現とは?
「ご用命ください」は、ビジネス英語でも覚えておきたい表現。覚えやすいシンプルなものをご紹介します。

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英語で「ご用命」は「request」「order」で表すことができます。
We are ready to comply with your request.(何なりとご用命ください。)
We look forward to your next order.(次のご用命をお待ちしております。)
また、「ask anything」を使えばもっとシンプルです。
Please ask anything.(ご用命あれば何なりとどうぞ。)
最後に
積極的な意思を表すことに使え、営業では注文・発注をお願いするのにも使える便利な言葉「ご用命ください」。上手く使いこなせれば、ビジネスシーンにおいてはとても便利な言葉です。
「ご用命」は自分や目下に対しては使わない言葉だということさえ守れば、難しい言葉ではありません。「ご用命」に慣れてきたら、「ご要望」や「お申し付け」などを織り交ぜて、スマートな表現を身に付けましょう。
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