3. 恐れ入ります
よろしくお願いいたしますの意味で「お手数おかけします」を使う場合や感謝の意味合いで「お手数おかけします」を使う場合は、「恐れ入ります」という言葉で置き換えることもできます。より相手にへりくだる意味合いをプラスしたいときには、「恐縮です」と表現することもできるでしょう。
・恐れ入りますが、明日までにこちらの資料をご確認いただいて、ご返信ください。
・わざわざご連絡いただき、恐れ入ります。
・隅々までご準備いただきまして、恐縮です。
4. お手間をおかけいたします
「お手数おかけします」とほぼ同義の言葉として、「お手間をおかけいたします」を挙げることができます。ただし、「お手数」よりは「お手間」のほうがより具体的な面倒や苦労を想起させるため、感謝というよりは相手の苦労をねぎらったり依頼したりする場面で使うことができるでしょう。
・お手間をおかけいたしますが、こちらに来ていただけませんか。
・こちらの文書は捺印してから白封筒に入れてください。お手間をおかけいたします。
・お手間をおかけいたしまして、申し訳ありません。今後はこのようなことがないように注意いたします。
5. ご迷惑をおかけいたします
相手に迷惑がかかるだろうなと思われる場面や、面倒な手間をかけると思われるときには、「お手数おかけします」の代わりに「ご迷惑をおかけいたします」と表現することができます。ただし、実際に相手の迷惑にはならない場面で使うと嫌みな印象を与えてしまうので、本当に相手にとって迷惑かどうか考えてから「ご迷惑をおかけいたします」と言うようにしましょう。
・ご迷惑をおかけいたしますが、明日はエレベーターではなく階段でお越しください。
・ただいまインターネットの接続が悪くなっております。ご迷惑をおかけいたしますが、しばらくお待ちいただいてから再度アクセスしてください。
・何度もご連絡いただきましたこと、誠にご迷惑をおかけいたしております。
お手数おかけしますを使うときの注意とポイント
感謝やねぎらいなど多様な場面で使用できる「お手数おかけします」ですが、「簡単な頼みごとには使わない」ように注意が必要です。またより丁寧にしたい場合は「すみません、申し訳ありません」と繋げるとよいでしょう。ここからはシーン別に「お手数をおかけします」を使う場合の注意とポイントを解説します。
また、相手から「お手数かけします」と言われた場合の返答も紹介するので参考にしてください。
1. 簡単な頼み事には使用しない
相手に依頼するときに「お手数おかけします」という言葉を使用することができますが、あまりにも簡単な頼み事に使用するのはおすすめできません。
例えば同僚に「切手を貼っておいて」と頼む場面で「お手数おかけしますが、切手を貼ってください」と言うならば、「切手を貼るくらい、そんな手間ではないのに。私にとっては切手を貼るのも大変なことって言いたいのかな?」と誤解させてしまいかねません。
また、他人行儀な印象を与えることもあるため、同僚や友人、家族にも使用しないほうが良いでしょう。
2.「すみません」等をつなげるとさらに丁寧
「お手数おかけします」も丁寧な表現ですが、「すみません」や「申し訳ありません」をつなげるとさらに丁寧な表現になります。
「すみません、お手数おかけしますが、このシートの書き方を教えていただけないでしょうか」と言えば、相手に手間をかけてしまうことを恐縮しつつ、お願いを聞いてほしいという真摯な思いが伝わるでしょう。
3. 返事のバリエーションも覚えておこう
相手に「お手数おかけします」と言われたときは、そのままスルーするのは失礼にあたることもあります。相手がどのような意味で「お手数おかけします」と言ったのかを考えて、次のように返事をしてみましょう。
・ついでですので、手間ではありませんよ。
・構いませんよ。お気になさらないでください。
・とんでもないです。いつもお気遣いいただきありがとうございます。
「お手数おかけします」を一言付け加えよう
何かを頼むときやお礼の気持ちを伝えたいとき、また、迷惑をかけてしまうことが分かっているときは、「お手数おかけします」の一言を付け加えるようにしましょう。身近なフレーズですが、相手の苦労をねぎらったり感謝の気持ちを表現したりすることができます。
「ご面倒をおかけします」などのバリエーションを覚えておくと、語彙が豊富なイメージも与えつつ、へりくだっている気持ちを表現することができるでしょう。
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