あらたまった挨拶に適した「漢語調」
「漢語調」の挨拶は、相手にあらたまった印象を与えます。「拝啓 〇〇の候、貴社ますますご繁栄のことと心からお喜び申し上げます」のように、文章の書き出しに用いられます。
その後、主文となる内容を述べ、結びの言葉で締めるのが一般的です。結びの言葉は「結語」と呼ばれ、「頭語」の「拝啓」「謹啓」と対になるかたちで使用します。「拝啓」で始まる場合は「敬具」、「謹啓」で始まった場合は「謹白」で結びます。
あらたまった「漢語調」の挨拶は、目上の人のや取引先への礼状や、招待状にも使用できます。具体的な例文を次の項からご紹介します。
「残暑の候」を使ったお礼状の例文
「残暑の候」を用いお礼を伝えるときも、まずは相手を気遣う言葉から始まります。結びとなる文章も、秋の訪れを感じさせるものを選ぶと良いでしょう。
例文
拝啓 残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別おご高配を賜り、心から感謝いたします。
(~主文~)
末筆ながら、残暑を乗り越え、実り多き秋を迎えられますようお祈り申し上げます。
敬具
「処暑の候」を使った招待状の例文
催しに向けた招待状は、季節感に合った時候の挨拶を用いることが大切です。相手に足を運んでもらうことに対し「まだ暑い時期ではありますが」と気遣いを伝えることも忘れないようにしましょう。
例文
拝啓 処暑の候、まだまだ暑さは続いておりますが、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別なお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
(~主文~)
皆様お誘い合わせの上、ぜひご来店賜りますようご案内申し上げます。
敬具
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8月下旬「口語調」の「時候の挨拶」と結びの言葉
「口語調」の時候の挨拶は、友人や親戚といった身近な人への挨拶に適しています。8月下旬であれば、残暑見舞いにも活用できる表現です。
具体的な時候の挨拶と結びの言葉を組み合わせ、8月下旬にふさわしい挨拶文を送りましょう。
友人や親戚への残暑見舞いに使える「口語調」
8月下旬に時候の挨拶を活用するのが残暑見舞いです。残暑見舞いは、「立秋」を過ぎてもなかなか暑さが終わらない時期に送ります。
文章のなかでも「暦の上では秋ですが、まだまだ暑いですね」と、残暑を意識したフレーズを使用します。「漢語調」のようにあらたまった文書ではないため、送る相手に合わせて内容をアレンジすることも可能です。
「口語調」の「時候の挨拶」
「口語調」の時候の挨拶は、次のようにやわらかなニュアンスを用います。多様なアレンジがきくため、基本となるフレーズを覚えておきましょう。
・立秋とは名ばかりで暑い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
・いまだ厳しい暑さが続きますが、お変わりございませんか。
・虫の声とともに秋の気配を感じる日々ですが、〇〇様はいかがお過ごしでしょうか。
・空の青さに秋涼を覚える昨今です。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・時折吹く風に秋の訪れを感じますが、皆様お変わりなくお元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます。
結びの言葉
結びの言葉は、文章の内容や相手との間柄に合わせたものを使用します。夏の終わりや秋の始まりを意識しながら、次のように締めくくりましょう。
・夏の疲れが出始めるころです。くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。
・次回お目にかかるときには、夏の思い出話を楽しみにしております。
・残り少ない夏休み、どうぞ有意義にお過ごしください。
・朝晩は特に涼しくなってきました。体調を崩されませんようご自愛ください。
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8月下旬の「時候の挨拶」で相手への想いを送ろう
時候の挨拶は、四季に応じた表現を用いる挨拶です。夏から秋への季節の変わり目に合わせ、相手を気遣う言葉を用います。挨拶の種類や使用するパターンを覚えれば、相手との関係に合わせてアレンジも可能です。時候の挨拶を用いて、相手へていねいな想いを届けましょう。
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