資料の確認を依頼したいとき
「お手数をおかけして申し訳ございませんが」は、謝罪の気持ちを強く表します。たとえば長大な資料の確認など、相手に多大な手間をかけるお願いをする時に適した表現です。
【例文】
・お手数をおかけして申し訳ございませんが、ご確認のほどよろしくお願いいたします
返答を促したいとき
メールや電話で返答をお願いする際、特に返答を促したい場面で使えます。この表現を使うと、「一度連絡を受けているが、もう一度お願いしたい」という気持ちを丁寧に伝えることができます。ビジネスにおいて、細やかさと配慮を感じさせる一言です。
【例文】
・お手数をおかけしますが、今一度ご連絡いただけますと幸いです
もう一度作業をお願いしたいとき
提出した資料やレポートに再度の修正が必要な場合の使用に適しています。相手にもう一度作業をお願いする際、「重ねて手間をかけることに対するお詫び」を込め、依頼することができるでしょう。この表現で、相手がすでに尽力したことを理解し、配慮している旨が伝わります。
【例文】
・お手数をおかけしますが、再度修正をお願い申し上げます
申請や手続きの進行をお願いするとき
この表現は、申請や承認など、書類や手続きの進行をお願いする場面に適しています。重要な業務の進行を丁寧にお願いするニュアンスが伝わりやすく、ビジネスでの配慮が感じられる表現です。
【例文】
・お手数をおかけしますが、手続きを進めていただけますでしょうか
ビジネスメールの例文
「お手数をおかけしますが」をビジネスメールで用いる場合は、相手に依頼をするときの文末に添えるようにしましょう。
手間をかける依頼であったり、期日などを指定して急かしてしまう場合など、相手に面倒をかけるお詫びだけでなく、対応してもらう感謝の気持ちを伝えることができます。
【例文】
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
先日はお打ち合わせの時間をいただき、誠にありがとうございました。
お手数をおかけしますが、下記の資料をご確認のうえ、◯日までにご返信いただけますと幸いです。
ご多忙のところ恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
便利な「お手数をおかけしますが」も、多用しすぎるとくどい印象になります。同じ表現を繰り返さずに済むよう、シーンに合わせて使える類語や言い換え表現も身につけましょう。
「お手間をとらせてしまい」
「手間」は「それを達成するのに費やされる時間や労力」を指し、「手数」よりも「時間を使わせた」という意味合いが強くなります。「ご多忙のところ、お手間をとらせてしまい申し訳ございません」というように、相手の時間を気づかう際に用いるといいでしょう。
「ご面倒をおかけして」
自分の不手際や問題で相手に負担をかける場合に使用します。「ご面倒をおかけして申し訳ございませんが~」と添えることで、状況への謝意とお願いがより丁寧に伝わります。
「恐縮ですが」
相手に手間をかける際に「控えめな依頼」として使います。たとえば、「恐縮ですが、ご確認をいただけますでしょうか」といった形で用いると、より柔らかい表現となり、相手に気づかいが伝わりやすくなります。
「ご協力をお願い申し上げます」
感謝とともに協力をお願いしたい場合に最適です。「お忙しいところ恐縮ですが、ご協力をお願い申し上げます」とすると、相手に対する敬意と感謝の気持ちを丁寧に表せるでしょう。
「ご負担をおかけしますが」
相手に対して精神的・物理的な負担をかけてしまう際に適しています。「短期間での対応となり、ご負担をおかけしますが~」といった表現で、相手への気づかいが伝わります。

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英語表現とは?
「お手数をおかけしますが」を英語で伝える際に適した表現をご紹介します。シチュエーションに合わせて使い分けてみましょう。
I’m sorry to trouble you, but~
「お手数をおかけしますが」を直訳すると“I’m sorry to trouble you, but~” となります。謝意がしっかりと伝わり、相手にかける手間に対しての気づかいが感じられます。
I know it’s a big ask, but~
“I’m sorry to trouble you, but~” を少しカジュアルにしたのがこちらの表現。「ちょっと頼みにくいことだけど」といったニュアンスです。やや親しい関係の人や、フランクなビジネスシーンで使用するのに向いています。
Could you please~?
丁寧に依頼する表現です。直接の謝意は含まれませんが、最後に“Thank you for your help.”と感謝の言葉を添えると、丁寧に相手にお願いすることができます。
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「お手数をおかけしますが」の使い方でよくある質問
Q1.「お手数をおかけしますが」は二重敬語になりますか?
A. いいえ、二重敬語ではありません。「お手数」 は名詞に丁寧語の接頭辞 「お」 がついたもので、 「おかけします」 は動詞 「かける」の謙 譲語 「おかけする」 の丁寧語。異なる種類の敬語を組み合わせており、正しい敬語表現です。ビジネスでもよく使われる丁寧な言い回しです。
Q2.「お手数をおかけしますが」と「お手間をおかけしますが」の違いは何ですか?
A.「お手数」 は相手に何らかの対応や行動をお願いすること自体に対する配慮を表します。 一方、 「お 「手間」は特に時間や手間を取らせることに焦点を当てた表現です。どちらも丁寧な表現ですが、「お手数」の方がより一般的で幅広く使われているため、相手に依頼する内容や文脈によって使い分けるようにしましょう。
Q3.「大変お手数をおかけしますが」はどんなときに使用しますか?
A.「大変お手数をおかけしますが」は、相手に多大な労力や時間をかけさせるような依頼をする際に使う丁寧な表現です。たとえば、複雑な確認作業や何度も対応をお願いする場合などに用いることで、相手への配慮や感謝の気持ちを適切に伝えることができます。
Q4.「お手数をおかけしました」はどんなときに使用しますか?
A.「お手数をおかけしました」は、相手がすでに何かしらの対応をしてくれたことに対して、その手間に感謝しつつ、申し訳なく思う気持ちを伝える丁寧な表現です。たとえば、書類の確認や修正などの作業を依頼して、それが完了した際に用いれば、相手に対する誠意や配慮がより明確に伝わります。
最後に
- 「お手数」は「手数」の尊敬語
- 「お手数をおかけしますが」は主にメールや文書の文末に添えるのが正しい使い方
- 多用する場合は、「お手間をとらせてしまい」や「恐縮ですが」などに言い換える
「お手数をおかけしますが」は、相手に対する感謝と謝意を同時に伝える大切なフレーズです。特にビジネスシーンでは、相手との信頼関係を築く重要なスキルとなります。
この表現を正しく使いこなすことで、やりとりが円滑になり、良好な関係を築くことができるでしょう。ぜひ、実際に使うシーンをイメージしながらマスターし、今日からのコミュニケーションに生かしてみてください。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
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