1:得意なことを書き出してみる
まず、ノートとペンを用意します。頭に思い浮かぶ「好きなこと」「がんばっていること」「得意なこと」をどんどん書いていきましょう。人やお店、場所、音楽、スポーツなど何でもOK。お気に入りの物があれば、それも書いてください。レイアウトや書式を気にせず、思うままに書きます。
書き出したことの中には、取り柄があるはずです。たとえば「ハンドメイドが好きで何時間でもできる」なら、「手先が器用」「コツコツ継続できる」「創作力がある」「ていねいに物事に取り組める」などの取り柄を見つけることができるでしょう。
2:短所を書き出す
自分の短所だと思う部分にも、取り柄が隠れています。自分の短所や弱みだと思うことを書き出しましょう。実は短所は、視点を変えると長所になるんですよ。一例を挙げてみました。
・飽きっぽくて物事が長続きしない→好奇心が旺盛
・頼みごとが断れない→人に親切で優しい
・いい加減な性格→物事にこだわらない
・気が弱い→用心深く、人に気を遣う
長所は、短所があるからこそ伸びるという考え方があります。コンプレックスだと思っていることも、裏を返せば大切な取り柄なのかもしれません。
3:人に褒められたことを思い出す
人に褒めてもらえたことを思い出すのもいいですね。幼少期から現在に至るまで、誰かに褒めてもらえたことを書き出してみてください。「こんな些細なこと」と思うことでもOK。自分にとっては「ちょっとしたこと」でも、実はそれが取り柄という可能性があります。
4:周りの人に尋ねてみる
実は、自分で取り柄に気づくのは容易ではありません。自分を客観視するのは難しいですよね。可能であれば、周りの人に尋ねてみましょう。「私の取り柄って何かな?」「私の強みって何だと思う?」と、さりげなく聞いてみてください。自分では思いもしなかった取り柄が見つかるかもしれません。
5:専門家に相談する
自分で取り柄を見つけることに限界を感じたら、専門家に相談してみては? キャリア相談などで対応してくれることがあります。専門家と対話を重ねたり、心理検査などのアセスメントツールを使いながら取り柄を見つけることができます。
6:ジョハリの窓を試す
ジョハリの窓は、研修などで自己分析に用いられる心理学モデルの一つです。すでにお互いのことを知っているメンバーで集まり、自分から見た自分と、他人から見た自分との違いを把握し、成長につなげていきます。
ジョハリの窓にはさまざまなやり方がありますが、手軽にできるのは紙とペンを人数分用意して、自分と相手の4つの窓(開放の窓・盲点の窓・秘密の窓・未知の窓)を書くという方法です。その後、それぞれの紙に書かれた項目の内容について、意見を交換します。
《4つの窓の意味》
開放の窓:自分も他人も知っている自分
盲点の窓:自分は気がついていないが、他人は知っている自分
秘密の窓:自分は知っているが、他人は気がついていない自分
未知の窓:誰も知らない自分
ジョハリの窓には一人でできる方法もあります。
7:自分の行動を可視化する
自分の行動や気分を可視化してみるのもおすすめです。日記やメモなどに、行動したことと気分を記録していくと、自分のことをより把握しやすくなるでしょう。書くのは「今日できたこと」「今日できなかったこと」「思ったこと」「その時の気分」などです。また、人から言われて印象に残っていることも書くといいですね。
8:自分の「当たり前」を探る
それほどがんばらなくてもできることや、すぐにできるようになったことなどを探るのもいいですね。自分の「当たり前」には、取り柄が潜んでいます。自分は当たり前だと思っていても、他人から見ると意外とそうではありません。
たとえば、「期日や期限を破ったことがない」「どの年代の人と話しても会話がはずむ」「前の日に次の日の準備を終えている」などは、立派な取り柄になるでしょう。
【目次】
最後に
取り柄とは、自分の中ですぐれていることを指します。取り柄がないと思うのは、まだ自分の取り柄に気がついていないだけです。記事の中で紹介した方法で、自分の取り柄を見つけ出してくださいね。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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