バナナが黒くなるのはなぜ?
バナナの皮が黒くなってくると、「腐っているのかな?」と心配になるかもしれません。しかし、実は食べ頃サインであることが多いのです。黒さに応じて、おいしいバナナを上手に見分けるコツを知っておきましょう。

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黒い点はシュガースポット
バナナの黒い点は、「シュガースポット」と呼ばれています。その名の通り、バナナの甘みが強くなっているサインです。
バナナにはポリフェノールの一種である「タンニン」という成分が含まれており、バナナの酸化酵素と反応すると黒くなる性質があります。つまり、バナナが成長して熟すほど黒くなっていくのです。
黒い斑点がポツポツと出てきたら、食べ頃です。全体的にきれいな黄色のバナナを買ってきた場合には、すぐに食べずに斑点が出てくるのを待ってみましょう。反対に、今すぐ食べたい場合には、ある程度皮に斑点が出ているバナナを店頭で選ぶのがおすすめです。
冷蔵庫のバナナが全体に黒くなるのは低温障害
黒い斑点ではなく、バナナの皮が全体的に黒ずんでしまうこともあります。これはシュガースポットではなく「低温障害」が原因です。
バナナは熱帯性の植物なので、冷蔵庫などの温度が低い環境が苦手です。適性温度である13℃以下の環境に置くと、皮の細胞が壊れて黒ずんでしまいます。この状態のバナナも腐っているわけではないので、食べても問題はありません。しかし、低温障害のせいでバナナが十分に熟成できていないので、甘味や旨味が足りず、おいしさに欠けてしまうでしょう。
おいしい冷やしバナナを食べたい場合には、常温でシュガースポットができるまで熟成させましょう。冷たいものを食べたいなら、食べる直前に冷蔵庫でさっと冷やすくらいでOK。夏には、一口大に切って冷凍庫に入れて凍らせておくのもおすすめです。
黒くなったバナナは食べられる?
バナナは本来、栄養価の高い食べ物です。ビタミン・食物繊維・葉酸・ミネラルなどが豊富に含まれており、天然のサプリメントともいわれています。豊富な食物繊維が腸内環境を整え、便秘を解消、ビタミンB群が脂質・糖質の代謝を助けてくれます。
また、他の果物には少ない、神経伝達物質セロトニンの原料となるトリプトファンを多く含み、精神を落ち着かせたり、質のよい睡眠をもたらします。

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黒くなったバナナは、黒さの程度によっては、腐ってしまっているバナナもあるので注意しましょう。食べ頃と腐ったバナナの見分け方を紹介します。
熟成すると栄養価がアップする
シュガースポットが出て皮が黒くなっているバナナは、黄色いままのバナナよりもおいしさが増すだけでなく、健康効果も期待できます。
たとえば、黒いバナナに含まれる、豊富なポリフェノールの強い抗酸化作用によるアンチエイジングや生活習慣病の予防効果。ほかにも、IL-12による免疫力強化、リン脂質による胃潰瘍抑制効果などが挙げられます。
腐ってしまったバナナの見分け方
黄色い皮のバナナしか店頭にない場合には、購入後、常温で5〜6日ほど置いておきましょう。程よい食べ頃になります。
しかし、いくら黒い皮のバナナがおすすめといっても、熟成が進みすぎて腐っていることがあるので注意が必要です。以下の特徴が見られる場合には、食べずに捨てましょう。
・酸っぱいにおいなどの異臭がする
・ふにゃふにゃと形が崩れてしまう
・実が黒ずんでいる
・皮や実にカビが生えている
皮だけでなく、実も黒ずんでいる場合には傷んでいる可能性があります。
バナナを使った人気レシピ
バナナを使った簡単レシピを紹介します。ヘルシーなのに甘みもあるバナナがメインの素材なので、おやつや軽食にぴったりです。

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レンジで簡単「バナナとピーナッツバターのオートミール」
ヘルシー志向の人をはじめに、話題のオートミールを合わせたレシピ。お好みできな粉やごま、ハチミツをかけるのもおすすめです。
【作り方】
(1)深めの耐熱容器に適量のオートミールを入れ、オートミールがかぶるくらいの水を入れる
(2)電子レンジ800Wで2分加熱(吹きこぼれが心配な場合は受け皿を下に敷く)
(3)お好みの量のピーナッツバターを全体に混ぜ、スライスしたバナナをトッピング
腸内環境を整える「イヌリン入り グリーンスムージー」
しっかり満足感を得られる、バナナ入りの爽やかなグリーンスムージーのレシピです。
【作り方】
(1)バナナは皮をむいて2~3cm大に切り、小松菜はざく切りにする
(2)ミキサーにバナナ、小松菜、レモン汁、冷水、イヌリアをいれて攪拌する
(3)グラスに注ぎ、レモンの輪切りを飾ってできあがり
朝食やおやつに「バナナ・チョコ・カスタードのホットサンド」
手作りカスタードが決め手の「バナナホットサンド」もおすすめです。
【作り方】
(1)ボウルに卵を溶き、砂糖を混ぜ、薄力粉をふるい入れて、よく混ぜる
(2)1に牛乳を入れ、混ぜたら、耐熱容器に入れ、電子レンジで2分加熱
(3)一度出してスプーンなどでよく混ぜたら、さらに電子レンジで2分加熱。バニラエッセンスを数滴加える
(4)1〜3で作ったカスタードと、バナナ・チョコレートをパンの間にはさんで、ホットサンドメーカーで焼く
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監修
髙橋聡美
城西内科クリニック院長、順天堂大学練馬病院糖尿病内分泌内科助教
医学博士、糖尿病療養指導医、臨床栄養学会指導医、内科認定医
米国マハリシ国際大学アーユルヴェーダ臨床医学ドクターベーシックコース終了、日本ホリスティック医学協会専門会員、日本スピリチュアル医学協会正会員
人を「からだbody・こころmind・いのちspirit」と捉えたホリスティック(全体性)診療をこれからの時代に必要な医療として定め、心身のバランスを整えて自然治癒力を高める医療を展開。肉体面への西洋医学による治療に加え、アーユルヴェーダによる体質脈診断、自然・栄養・運動・エネルギー療法などの代替療法を組み合わせた医療を提供している。